ATM ②/全6話【短編台本・世にもになるまで書いてみた・92作目】
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〇 キャッシュコーナー・室内
主人公 早速財布からキャッシュカードを取り出し、液晶画面をタッチして取引を開始する。
ATMの自動音声(女性の声)が流れる
機 いらっしゃいませ。ご希望の取引ボタンを押してください。
主 はいはい。「お引き出し」っと・・・
主人公 迷うことなく「お引き出し」を選択。
機 通帳がないお客様は、画面右下の「通帳なし」を選択してください。
主人公 迷うことなく「通帳なし」を選択。
普段通りにカード挿入口に入れようとするが、なかなか入らない。
主 ・・・あれ? なんで?
機 お取引する銀行を選択してください。
主 ・・・は? こういうのって自動でするもんじゃないの?
まぁいいけど・・・
主人公 渋々ながら取引する銀行を選択。
主 えっと・・・ 〇〇銀行は・・・ あ、あった。
これでカードを・・・
機 ご利用中のカードを選択してください。
主 は、はぁ・・・? これも俺が選ぶの・・・?
主人公 今度は使っているキャッシュカードの種類を選択する。かなりめんどくさそう。
主 これでいいな! もうカード入れるぞ!
主人公 しびれを切らしてカード挿入口にカードを入れる。ようやくカードが入っていく。
機 読み取り中です。しばらくお待ちください。
主 早くしてくれよ・・・ まだカード入れただけだぞ・・・?
主人公 早くもイライラし始める。
テロップ『5分後』
主人公 イライラが増している。
主 ・・・なぁ。まだか? いつまで読み取りを・・・
機 お待たせいたしました。只今からお取引を開始いたします。
はじめに案内で使用する言語を選択してください。
液晶画面に「アイカナ語」「アイスランド語」「アイヌ語」と五十音順で世界の言語が並ぶ。
主 え!? そこから!?
・・・今まで日本語でやってたじゃねぇかよ。。。
百歩譲って選ぶとしても一番最初にやることじゃね??
主人公 渋々「日本語」を探し出し、選択する。
機 「日本語」に設定いたしました。
次に「スタンダードモード」「ひらがなもーど」「カタカナモード」から・・・
主 (ため息)・・・もういい。別の場所行く。
主人公 ドアを開けようとするも開かない。
主 ・・・は!? おい、嘘だろ!? 出せって!!
何度開けようとしてもビクともしない。
引き戸を押しても開く気配すらない。
主 ど、どうなってんだ・・・? とりあえず警察・・・? ・・・ん?
主人公 扉に貼られた注意書きを見つける。位置は主人公の腰辺り。
そこには「ご不明な点はATMサポートセンターまで! ATMに設置された受話器からどうぞ。自動でつながります。」と書かれている。
主 受話器? ・・・これか?
主人公 受話器を取る。その瞬間、サポートセンターとつながる。
オペレーター(女性)との通話が始まる。
オ はい。こちらATMサポートセンターです。本日はどうされましたか?
主 いや・・・ あの・・・ 閉じ込められてしまったのですが・・・
オ ・・・お客様。大変申し訳ございません。
当ATMは個人情報保護のため、取引完了まで扉が開かない設定となっておりまして・・・
主 はぁ!?
オ ですので、出ていただくためには、お取引を完了していただかないとですね・・・
主人公 早々に諦め(覚悟?)がついたのか通話を強制終了する。
主 ・・・マジかよ。。。
じゃあもうやるしかない・・・のか・・・?
機 恐れ入ります。最初からやり直してください。
主 ・・・・・・え?
主人公が目にしたのは初期設定に戻った画面。
主人公 再び受話器を取り、サポートセンターと通話開始。
オ はい。こちらATMサポートセンターです。本日は・・・
主 おい! 初期設定に戻ってるじゃねぇか!
もう一度初めっからやれってか!? どうなってんだ!?
オ えっと・・・ その・・・
当ATMは「30秒間画面に触れていない場合、強制的にスリープモードに」なる設定でして・・・
あ。「しばらくお待ちください」の表示がある場合を除きますが・・・
主 な、なんだよそれ・・・
(心の声)・・・俺、いつまでここにいればいいんだ??
主人公 イライラを通り越し、今度は絶望の表情を浮かべる。
※ 願わくばこのタイミングでCMになってほしい。
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