指導者が知っておきたい選手が夢中で取り組める課題設定のための3つのポイント
他人に言われなくても、自ら夢中になって課題に取り組み伸びていく選手を育てるために知っておきたい課題設定のための3つのポイントについてお話します。
サッカーの指導者だけでなく、人を動かし、経営成績が重視される経営者の方にも押さえていただきたい大事なお話です。参考図書はこちら。
結論
人は夢中になると困難にも立ち向かい、自ら人生を切り拓いていける逞しい人に育つ。いかに夢中になれる課題設定ができるか?ポイント以下3つ。
①挑戦(プレッシャー)と能力のバランスに配慮する。
②難易度は少し難しいと感じるレベルから始める。
③固定ではなく、バランスが崩れていたら適宜上方下方修正を柔軟にする。夢中(フロー)ゾーンを維持する事が大事。
挑戦と能力のバランスをとる夢中(フロー)ゾーンとは?
人は能力以上のことに取り組むと不安やプレッシャーに押しつぶされてしまいます。
しかし、逆に能力に余裕のあることに取り組むと楽にできてしまうため退屈になり、向上心もなくなり、結果伸びなくなってしまいます。
適度に不安でなおかつ退屈しないちょうど良いゾーン。これを夢中(フロー)ゾーンといいます。(参考図書p33を参考に書いてみました。赤いところです。)

①は挑戦(プレッシャー)>能力を示します。例えば「日本一を目指す」が自分の能力を遥かに超えた目標である場合、「どうせ無理」とモチベーションは下がるでしょう。
または「果たして自分にそれができるのだろうか?」という不安に押しつぶされてしまいがちです。
②は挑戦(プレッシャー)<能力を示します。余裕でクリアできる課題に取り組んでいる状態です。余裕なのでプレッシャーはかかりませんが、退屈になり成長も見込めません。
③、④の夢中(フロー)とは挑戦(プレッシャー)=能力、 つまり、挑戦と能力のバランスが取れ適度に緊張が保たれている状態です。
例えば、地区予選1回戦負けが常のチームでいきなり「日本一になる!」が目標では、あまりにも現実味がなく、モチベーションは急落し②の状態に落ちてしまうことが予想されます。
例の場合は、「まず1勝!」のような努力すれば、達成できそう!という目標設定が大事です。
「頑張ったら目標達成できるかな?」という適度な不安と緊張が努力の原動力となり、その結果に目標達成ができたら、更にモチベーションが上がる状態です。
指導者は選手の個性を見極め、選手が①〜④のどのような状態にあるのかを把握する事が大事です。その状況に応じて、③、④の夢(フロー)ゾーに入るように適宜アドバイスできると良いでしょう。
どうやって夢中(フロー)体質に持っていくか
私の経験では、「ちょっと難しいくらい」の課題を与えるのが良いと考えます。
もちろん、個性を見極めた上ですが。目標を達成したら、「もっと頑張りたい!」と更に難しい課題にも意欲的に挑戦します。もし、「頑張ってもできなさそう」という態度が見えたら「できるかもしれない」というレベルに下方修正すれば良いのです。
この見極めが指導者はとても重要になります。
これがチームの成果に結びつくからです。
夢中(フロー)体質のメリットは自立した大人に育つこと
このゾーンにいると、努力によって成功体験を積めるため、多少の困難にも自ら立ち向かい努力できる体質になります。その結果、限界の壁をどんどんクリアし、限界値が高くなっていく理想の状態となります。
つまり、他人から言われて何かをやるのではなく、自ら進んで取り組める自立した大人に育っていくとも言えます。
まとめ
❇️夢中になって課題に取り組む状態にするためには、挑戦=能力のバランスの取れた状態が大事。
❇️夢中(フロー)ゾーンに持っていくためには、「少し難しい」と感じる課題を与える事が大事。
❇️課題達成が難しそうであれば、柔軟に上方下方修正して夢中(フロー)ゾーンを保つ事が大事。
終わりに
選手を育てる。つまり「個人を育てる。」という育成の極意は、大人にも通じるものがあります。では、そうした個人が集まった組織がより機能するために大切なことは何か?このテーマについては、また別の機会にお話しようと思います。
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