15歳の主人公に、初めて会った日。
ゲームは十五歳から始まる。
そこまでは決まりました。
ところが、また新しい問題が出てきます。
「その十五歳を、AIはどうやって作るんですか?」
私はChatGPTに尋ねました。
すると返ってきた答えは、また予想外でした。
「プレイヤーは主人公を作りません。」
「え?」
「主人公と初めて会うんです。」
最初は意味が分かりませんでした。
ゲームなんだから、名前を決めたり、能力を振り分けたりするものだと思っていたからです。
ところがChatGPTは続けます。
「主人公には、もう十五年の人生があります。」
そうか。
ゲームは十五歳から始まるけれど、人生は生まれた日から始まっている。
その十五年間をAIが生きてきて、その結果として目の前に十五歳の少年が立っている。
プレイヤーは、その子と初めて出会う。
そう考えると、しっくりきました。
私はさらに質問しました。
「じゃあ、プレイヤーは何をするんです?」
「まず、その子を知ります。」
「知る?」
「はい。話をします。」
なるほど。
ここで思いついたのが、問診でした。
でも、よく考えると少し違います。
健康診断の問診票のように機械的なものではありません。
もっと、人と人が初めて話をするときのような会話です。
例えば、
「学校は好きだった?」
「友達は多かった?」
「運動は好き?」
「家ではどんな子だった?」
「お父さんって、どんな人?」
そんな会話をしながら、プレイヤーは主人公を少しずつ理解していく。
するとAIは、その答えをもとに、主人公の十五年間を組み立てていく。
家庭環境。
健康状態。
学力。
友人関係。
生活習慣。
すべてが少しずつ見えてくる。
私は思わず笑ってしまいました。
「それって、キャラクターを作るんじゃなくて、人を理解する作業ですね。」
「その通りです。」
ChatGPTは、あっさり答えました。
その瞬間、このゲームの始まり方が見えた気がしました。
ゲームは、主人公を操作するところから始まるのではない。
一人の十五歳の少年と出会うところから始まる。
そして、その子の人生を、一緒に歩いていく。
そんなゲームにしたいと思いました。
次回予告
主人公と出会う方法は見えてきました。
でも、まだ大きな問題が残っています。
能力。
健康。
人格。
人間関係。
これらを、どうやってゲームの中で表現するのでしょうか。
私たちの開発会議は、いよいよ「人間を数値で表す」という難題に挑むことになります。
