Apple 最新シリコン 「M5」「M5 Pro」「M5 Max」 、なにが凄いかを考察してみる
3月2日〜3月5日にかけてAppleから新製品の発表が続きました。
ここで、MacBook Air と MacBook Pro が 「M5シリーズ」に完全に切り替わりました。
さて、M5とはどういうチップでしょうか?
M4 と M5 の大きな違い
Appleは M1を2020年に発表し、2026年までに M1→M2→M3→M4→M5 とアップデートしてきました。
1コアあたりの処理能力が徐々に上がっていき、M1とM5ではシングル性能だけでも倍近く差があります。さて、M4とM5ではどうでしょうか?
違い1:シングル性能の向上
過去のベンチマークでのM4とM5シングルコアの性能を比較してみました。
GeekBench のベンチマーク結果から大体の性能数値がわかります。
M4:3600〜3700
M5 : 4200〜4300
約25〜27%向上しています。
ちなみに2020年に発売した MacBook AIr の M1 のシングル性能は2300前後とすると1.8倍以上の差があります。また、当時 M1 Max のマルチコア性能が 12300 前後とした場合、 M5 のマルチコア性能は 17000〜18000前後 となり、CPUのパフォーマンスは M1 Max を上回ります。
違い2:AI演算の飛躍的機能アップ:Neural Accelerators
M1〜M4までと違い、M5シリーズでは新たな機能「Neural Accelerators」が標準として備わってます。Neural Acceleratorsとは、各GPUコアに搭載されるAI関連処理を行うための演算回路であり、わかりやすくいうとAI関連の処理速度をより高速に引き上げるためのものです。
Metal4に対応したアプリ内であればTensorAPIを使っていれば、この「Neural Accelerators」が発揮され処理速度が向上すると公式ではうたっています。(後述記載:参考記事:「AppleシリコンのAIパフォーマンスに次なる進化をもたらすM5を発表」より)
ローカルAIの処理速度向上
Apple Intelligence やローカルでLLMを動かす用途では、M5の性能向上の恩恵が大きくなる可能性があります。
2025年10月には M5搭載のiPad Pro(14インチ)とMacBook Proが発表・発売されました。これらの端末では、M5上で動くAI関連の処理がより快適になることが期待できます。
違い3:メモリ帯域幅の向上
M4では、メモリ帯域幅が120GB/s、M5では27%上昇し153GB/sになります。ちなみにM1の帯域幅は約68GB/sです。約6年で2倍以上の差があり、特に莫大なデータを扱うアプリではその効果が大きいです。
CPUコア・GPUコアの処理速度向上
M5 Pro と M5 Max という存在
CPU・GPUをM5より多く搭載したものがPro とMaxです。
またメモリ帯域幅もそれに伴ってます。
M5 Pro のメモリ帯域幅:307GB/s ( M4 Pro は 273GB/s )
M5 Max のメモリ帯域幅:614GB/s( M4 Max は 546GB/s )
特にM5 Max はGPUコアが32コア、そしてビデオエンコードエンジンとProResエンコード/デコードエンジンがそれぞれ2つ搭載しています。GPUコア数もですが、映像関連のエンジンが2つ搭載されていることから映像編集に重きを置いた設計とも見ることができます。(M4 Max も同様にそれぞれ2基搭載しています)
Pro とMax の大きな違い=GPUコア数とビデオエンジン
M5 Pro と M5 Max の違いはざっくりいうと「GPU数」と「ビデオエンコード・デコードエンジンの搭載数」です。
CPUコア数は 上位のM5 Pro と M5 Max で同じであり、言ってみればCPU性能に違いはありません。
大きく違うのはGPU性能とビデオエンジンということになり、プロの動画編集や、映像エンコードサーバー、GPUを使ったLLM向けとも言えます。
違い4:Fusionアーキテクチャの採用( M5 Pro 及び M5 Max )
M4 Pro, M4 Max まではシングルダイで設計されてました。しかしM5 Pro / M5 MaxではFusionアーキテクチャを採用し、2枚のダイを高度なパッケージング技術で接続し、1つの巨大なチップとして機能させます。
これはM1 Ultram / M2 Ultra / M3 Ultraで採用されている「Ultra Fusion」と通じるものがあります。この技術がいくつのダイまで適用できるか分かりませんが、今後、M5 Ultra がありえるのかどうか気になるところです。
まとめ
「結局、M5のなにが凄いか?」、それはCPU性能、GPU性能、AI処理性能、メモリ帯域幅、全てのスペックアップとAIへのより高速処理を目的とした演算回路の追加にあります。
また、「M5」そのもののスペックが M1 MaxのCPU性能を超えています。(GPU性能にM1 Max の方がGPUコア数が32個、M5は10個なので、トータルのGPU処理性能は M1 Maxの方が上です)
私の見解ですが、重すぎるアプリ開発や、大量かつ複雑なイラスト制作や長時間の映像編集などをしない限り、事務処理、ドキュメント作成、資料作成などの基本的な事はM5で十分賄える性能を持っています。
もちろんM5でも開発や映像編集もできますが、より多くの、より莫大なデータ、より重い処理となるとPro/Maxが出番になります。
また、「MacBook Neo」というA18 Proを搭載したMacBook Neo が登場しました。A18 Proのメモリ帯域幅は 60GB/s(M1は68GB/s)です。2020年に発売した MacBook Air M1 ( 8GB ) とほぼ同等もしくは少し早いものになります。この性能でも十分なユーザーもいると思います。
整理すると、MacBookに搭載されているSoCは下記となります。
A18 Pro : M1 とほぼ同性能、CPUシングル性能は高い
M5:高性能 CPU / GPU / AI
M5 Pro:マルチ性能を上げた 高性能 CPU / GPU / AI
M5 Max: GPUを32コア搭載、エンコードエンジンを2基搭載し、特にGPU面では M5 Pro を上回る性能
MacBook Neo / Air / Pro という3つの選択肢があり、自分にあったものを選択できるようになったのはユーザーにとってはメリットが大きいはずです。
関連記事:
参考記事:
余談 : Ultraシリーズ の 今
Ultraは M3 Ultraが2026年3月時点で最新であり、20個の高性能コアと8個の高効率コア、合計28コアCPU、そして60コアのGPU、32コアのNeural Engine、819GB/sのメモリ帯域幅、4つのビデオエンコードエンジン、4つのProResエンコード・デコードエンジンを積んだモンスターSoCです。
M5 Max は 合計18コアCPU、40コアGPU、614GB/sメモリ帯域幅、ビデオ/ProResエンコードエンジンは各2基搭載となり、M3 UltraのCPUシングル性能はM5より劣ります、CPUマルチ性能は Ultraが 28コアという10コアも多いですが1つのCPU性能が上がっているため性能としては肉薄します。
Neural Acceleratorsの登場により、M5 Ultra もしくは M6 Ultra が今後登場するかもしれません。
余談2:今年発表されるであろう「M6」はどうなるか?
今年もアップルシリコンのアップデートが控えていると思います。
M5の進化系であるM6がどうなるかはまだ分かりませんが、少なくともM5より高性能になるのは間違いないと思います。
毎年アップデートされるAppleシリコンですが、「いつ買えばいいのか?」という疑問を抱く人もいると思います。答えは「必要になった時に買う」「アップデート時期を見越してそのタイミングで購入」あたりでしょう。
私も今回はNeoを導入しましたが、M5以降の機種への切り替えも視野に入れています。
また、今後技術的に控えているのは 2nmプロセスによる製造、そしてそれによるより省電力化とトランジスタ数をより多く積み込める事による性能の向上です。またアーキテクチャのアップデートもあるかもしれません。
どこまで性能が上がるのか分かりませんが、楽しみでもあります。
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