RPA(Power Automate)の自動化フローを、GoogleのAIエージェント「Antigravity」で動かしたら、あっけなく動いた話
私はDXの職業訓練で、RPAツール「Power Automate for Desktop」を、2〜3日かけて教えています。
でも最近、教える立場でありながら、強く感じることがあるんです。
「これからは、AIエージェントも使えないとマズいぞ」と。
そこで実験してみました。
いつも訓練で教えているRPAのフローを、Googleが新しく出したAIエージェント「Antigravity」で動かせるか?
結果、あっけなく動いてしまった。
拍子抜けするほど、簡単に。
この体験は、Excelマクロをはじめ、これからの「業務自動化」のあり方を、根っこから変えてしまうかもしれない。
そう思ったので、正直に書き残しておきます。
専門用語は、順番にやさしく説明していきます。
ITが苦手な方も、どうか安心して読み進めてください。
まず、登場する言葉をやさしく整理します
ここを飛ばすと「で、結局なんの話?」になるので、先に用語だけ片付けます。1つ1分もかかりません。
RPA/Power Automate for Desktop(PAD)とは
RPAとは、人がパソコンで行う"決まった作業"を、ソフトに代わりにやらせる仕組みです。
Power Automate for Desktop(通称PAD)は、Microsoftが無料で提供しているそのRPAツールで、ExcelやWebサイトの操作を自動化できます。
イメージとしては、「マウス操作やExcelへの転記作業を、録画して再生する」ような感じです。
フローとは
フローとは、自動化したい作業の"手順書"です。
『①このExcelを開く → ②数字を読む → ③条件に合うものだけ別ファイルに書き写す』——こういう流れを、上から順番に並べたもの。それがフローです。
Excelマクロとは(RPAとの違いも一言)
マクロとは、Excelの中の操作を自動化する機能です。
ざっくり言うと、Excelの中だけ"で完結するのがマクロ。
複数のアプリをまたいで動かせるのがRPA。
これが大まかな違いです。
AIエージェントとは
AIエージェントとは、指示を受けて自分で計画を立て、作業を実行し、結果を確認するところまでを、自律的にこなすAIです。
「質問に答えを返すだけのAI」から、「頼んだ作業を最後までやり遂げるAI」へ進化したもの。そう考えると分かりやすいです。
Google Antigravity(アンチグラビティ)とは
Antigravityとは、Googleが2025年11月に公開した、AIエージェント型の開発環境です。
日本語で「こういう作業をして」と頼むと、AIが自分でプログラムを書き、実行し、動作確認まで進めてくれます。
個人なら無料で使い始められて、頭脳にはGoogleのGemini系モデルが載っています。
(2026年5月にはAntigravity 2.0へと更新され、さらに賢くなっています)
今回やってみたこと:在庫リスト → 発注書の自動化
実験に使ったのは、いつも訓練で教えている、こんなPADフローです。
コードは見せず、"日本語の手順"だけで説明します。
在庫リストのExcelを読み込む
「今の在庫数 ≦ 再発注ライン」の商品だけを抜き出す
別ファイルの発注書に、品番・品名・単価・発注数量を転記する
発注日・納期(20日後)・仕入先を自動で入力する
「日付_発注書.xlsx」という名前で、新しく保存する
中小企業の現場で、本当に"あるある"の作業ですよね。
私はこれを、いつも職業訓練でPADを使って一から組み立てています。
やったことは「貼って、頼んだ」だけ
さて、本題です。Antigravityにやらせたときのプロセスはこれだけ。
たった3ステップです。
PADのフロー(手順書)を、そのままAntigravityに貼り付ける
「この流れと同じことをするプログラムを作って、実行して」と、日本語で頼む
AIエージェントが、自分でPythonというプログラムを書き、デスクトップのExcelを処理し、発注書を作って保存した
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
私は、プログラミングの知識を新しく勉強する必要が、まったくありませんでした。
やりたいことを日本語で説明できれば、手段(プログラム)はAIが勝手に用意してくれる。
あんなに丁寧に教えている手順が、ものの数分で再現されてしまった。
正直、講師として、ちょっと立ち尽くしました。
なぜ「あっけなかった」のか—RPAとAIエージェントの決定的な違い
少し踏み込みます。
すでにRPAを触っている人ほど、ここで腑に落ちるはずです。
RPA(PAD)は、人が一つひとつの手順を、ブロックのように組み立てます。
だから、1ステップでも順番が狂うと止まる。
手順を作るのも、壊れたときに直すのも、人間の仕事です。
AIエージェントは、ゴール(目的)さえ伝えれば、手段はAIが自分で考えます。「計画 → 実行 → 検証」を、自分でぐるぐる回してくれる。
つまり——「手順書をそのまま渡す」よりも、「何がしたいかを伝える」方が、むしろ得意なんです。
私が渡したRPAの設計図は、AIにとっては"親切すぎる指示書"だった。
だから、あっけなかった。
これは、いろんな場面に効いてくる(応用編)
「で、自分には関係あるの?」という方へ。具体的に効く場面を挙げます。
Excelマクロのリプレイス:古くて、もう誰も中身が分からないマクロ。AIエージェントに読ませて、作り直す・動かすことができます。
属人化の解消:「この作業、〇〇さんしか分からない」を、AIに引き継がせる。
保守の負担減:RPAは画面が少し変わると止まりがち。AIなら「ここが変わったから直して」と頼める。
学習コストの低さ:ツールの使い方を覚える前に、まず日本語で頼んでみる。それが起点になる。
「旧来のRPAを、最新のAIエージェントで置き換える」——この発想は、これからの業務改善の主役になっていくと、私は本気で思っています。
ただし、万能ではありません(フェアに注意点)
良い話だけ書くのはフェアじゃないので、影の部分も正直に。
AIが書いた処理は、必ず人が結果を確認する。大事なデータほど、ここを省かない。
会社のファイルを扱うときは、情報の取り扱いと権限設定に注意。無料版で機密情報を扱う範囲は、きちんと見極める。
速さが売りに見えて、"自分で考える"分、ごく簡単な作業ではむしろ待つこともある。
「RPAが完全に不要になる」のではなく、適材適所。決まりきった定型作業はRPA、変化する・曖昧な作業はAIエージェント。この棲み分けが現実解です。
まとめ——道具より大事なのは「まず自分が動いてみること」
教える立場の人間が、教えている技術が次へ移り変わるのを認めるのは、正直ちょっと、こわい。
でも、こわがって触らない方が、よっぽどこわい。
「最終学歴より、最新学歴」。
過去にどんな肩書きを積んだかより、今日、何を新しく学んで、何を泥臭く試したか。新しい道具を試し続ける人が、結局いちばん強いんです。
だからあなたにも、小さな一歩を。
手元のExcel作業を一つ、今日、AIに頼んでみませんか?
その一行が、たぶん来年のあなたを変えます。
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記事には書ききれなかった泥臭い裏側も、失敗もそのまま。
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この記事を書いた人
石川県のDX・生成AI活用パートナー 石原 愛信(いしはら あきのぶ)
「AIを使ってみたいが、何から始めればいいか分からない」 そんな経営者様の隣で、実務に即した業務効率化をサポートします。
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