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新しい自分に出会う新習慣。生涯現役を楽しむための「午前10時の外出術」


定年後、朝の居場所がなくなっていませんか?

定年退職を迎え、これからは悠々自適な毎日が待っている。そう思っていたにもかかわらず、いざその日を迎えると「朝、行く場所がない」という現実に直面する方は少なくありません。

朝のバタバタとした時間帯、長年家事を取り仕切ってきた奥様にとって、リビングでテレビを見ながら手持ち無沙汰にしている夫の存在は、時にペースを乱す原因になり得ます。言葉には出されなくても、「ちょっと邪魔だな」という空気を感じ取り、肩身の狭い思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私は現役の介護士として、20年以上にわたり在宅介護の現場を見てきました。そこで数え切れないほど目にしてきたのが、「定年を境に、急速に老け込んでしまう男性」の姿です。
仕事という大きな役割を失い、家庭内でも居場所を見つけられず、外出する理由もないまま一日中パジャマや部屋着で過ごす。その結果、あっという間に気力も体力も衰え、別人のように活力を失ってしまう現実を、私は何度も目の当たりにしてきました。

不安や無気力は、決してあなたのせいではありません

もし今、あなたが老後の生きがいや日々の過ごし方に漠然とした不安を抱え、無気力になりかけているのだとしたら、まずお伝えしたいことがあります。

それは決して、あなたのせいではありません。

これまで何十年も、会社や家族のためにご自身の時間を犠牲にして、ひたすら前を向いて戦い続けてきたのです。その大きな柱が突然なくなったのですから、心にぽっかりと穴が空き、途方に暮れてしまうのは当然のことです。
あなたが培ってきた豊かな人生経験や、大人としての誇り、仕事への責任感が消えてしまったわけではありません。ただ単に、「それを発揮する新しい場所」をまだ見つけていないだけなのです。どうぞ、ご自身を責めないでください。

視点を変える。生活のメリハリを生む「午前10時の外出術」

では、失われた活力を取り戻し、家庭の平和も守るためにはどうすればいいのか。まずは難しく考えず、日常に小さな「スイッチ」を作ることから始めてみましょう。

そこでおすすめしたいのが、「午前10時の外出」です。

外出が大事だとしても、朝の忙しい時間帯にウロウロしては奥様の邪魔になってしまいます。また、早い時間に出ても通勤ラッシュの波に巻き込まれて疲れるだけでしょう。
だからこそ、奥様の家事がひと段落し、通勤電車も落ち着き始める「午前10時」ごろに家を出るのが最適なのです。

ただし、ここで一つだけ重要なルールがあります。それは、出かける前にご自身の身支度をしっかりと整えることです。
「近所のカフェに行くだけだから」と、身支度もせずにダラっと出かけてはいけません。髭を剃り、きちんとした服を着て靴を履く。この「服装を整える」という行為そのものが、あなたの心にスイッチを入れ、生活にメリハリを生み出します。

さらに、せっかくなら現役時代のように、外出先を手帳に書き込んでみてください。「10:00 カフェで読書」「11:00 図書館」と書き込むだけで、まるで仕事に行く感覚に近くなり、不思議と気持ちが引き締まるのを感じるはずです。

大人の誇りを保ちながら「社会から必要とされる」ために

身支度を整え、午前10時に家を出る。これだけで、一日の質は劇的に変わります。しかし、毎日カフェや図書館に通うだけでは、いずれ「時間を潰すこと」自体に虚しさを感じる日が来るかもしれません。

介護現場で見てきた「生涯現役で若々しい男性」の共通点は、単に外出しているだけでなく、「自分のペースで無理なく働き、社会から必要とされている生きがいを持っている」ことでした。

私自身も、将来への強い危機感から10年前に副業として無店舗型の「代理店ビジネス」を始め、現在も月20万円前後の利益を出し続けています。
退職金をつぎ込んで無謀な起業をしたり、再雇用先でかつての部下に頭を下げて自尊心を削ったりする必要はありません。あなたには、長年の社会人生活で培ってきた「誠実さ」や「大人の人間力」という強力な武器があります。

身支度を整えて向かった午前10時のカフェ。
そこで開いたパソコンひとつで、あなたの経験を活かしながら誰かの役に立ち、感謝され、報酬を得る。
そんなリスクゼロの代理店ビジネスこそが、失われたやりがいと誇りを取り戻す、最良の選択肢だと私は確信しています。

一方で、現実的な選択として再雇用の道を選び、現在その職場で奮闘されている方も多いかもしれません。
今まで指示を出していた側だったのに年下の上司から指示を受けたり、定型業務が中心になったりと、定年を境に求められる役割が大きく変わります。
その変化を前にして胸の奥がざわつき、みじめさやつらさを感じるのは自然なことです。

続く「60代の再雇用。頑張るより割り切るで楽になる。」の記事では、再雇用で心をすり減らさないための具体的な考え方や、職場でやってはいけないNG行動について詳しくお話ししています。
もう一度がむしゃらに頑張るのではなく、これからの人生に合った働き方へ静かに切り替えるためのヒントとして、ぜひ次の記事も合わせてお読みください。


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