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ボーカリストに必要な英語力「英語を勉強しろって話じゃ無い」

皆さんは普段、洋楽を聴きますか?

有名な海外アーティストだけ聴く人もいれば、マニアックなアーティストまで掘る人もいます。

その一方で、

「英語がわからないから洋楽は聴きません」

という人もいます。

もちろん音楽は好みです。

だから無理に洋楽を好きになれとは思いません。

ただ、歌を歌う人間なら、洋楽は定期的に聴いた方がいい。

そしてできれば、何か1曲でも歌えるようにしておいた方がいい。

僕はそう思っています。

別に将来、海外で活動しろという話ではありません。

英語ペラペラになれという話でもありません。

そもそもTOEICの点数で歌が上手くなるなら、日本中のボーカリストは参考書を抱えてライブハウスに来ているはずです。

そうじゃないですよね。



「英語ダメなんですよ」の謎

配信アプリなどで歌の上手い人を見つけると、

「洋楽歌いますか?」

と聞くことがあります。

すると結構な確率で返ってくるのが、

「英語ダメなんですよ」

です。

毎回思うんですが、

日本語も全部理解して歌ってますか?

失恋ソングを歌う高校生が全員失恋経験者なわけじゃないし、人生を語る歌を20代が歌うこともあります。

歌というのは意外とそんなものです。

意味を完全に理解しているかどうかと、歌えるかどうかは別問題。

だから英語も同じです。

英語を理解することより先に、音として再現することの方が大事だったりします。



J-POPは空から降ってきたわけじゃない

たまに、

「私は邦楽しか聴きません」

という人がいます。

それは全然いいんです。

ただ、その邦楽もルーツを辿ると海外音楽にぶつかることが多い。

ロック。

R&B。

ソウル。

ファンク。

ジャズ。

レゲエ。

今では当たり前のようにJ-POPという言葉があります。

でもJ-POPは最初から日本に存在したわけではありません。

日本独自の進化を遂げたジャンルではありますが、その中には海外音楽の影響がたくさん詰まっています。

つまり、

「洋楽は苦手だから聴きません」

と言いながらJ-POPを歌うのは、

ラーメンは好きだけどスープには興味ありませんと言っているようなもの。

別に食べることはできます。

でも知った方がもっと面白い。

そんな感じです。



久保田利伸を聴くなら、その先も聴いてみる

例えば 久保田利伸 。

日本のR&Bやソウルミュージックを語る上で欠かせない存在です。

あの独特のグルーヴ感。

リズムの置き方。

歌のノリ方。

当時の日本のポップスの中ではかなり異質だったと思います。

でもあれは突然日本から生まれたわけではありません。

アメリカのR&Bやソウルミュージック、ブラックミュージックの影響を受けて生まれたスタイルです。

だから久保田利伸さんを勉強するなら、その先にある海外アーティストも聴いてみた方が面白い。

本人が影響を受けた音楽を辿ると、

「ああ、この感じか」

と繋がる瞬間があります。

音楽は結構そういうものです。



マイケル・ジャクソンが残したもの

Michael Jackson もそうです。

今では歌って踊るアーティストなんて当たり前です。

でも昔はそうではありませんでした。

彼は音楽だけでなく、

ダンス

映像

ステージ演出

エンターテインメント全体

に大きな影響を与えました。

今のダンスボーカルグループも、アイドルも、ポップアーティストも、直接か間接かは別として、その文化の恩恵を受けています。

つまり今当たり前だと思っているものも、辿っていくと海外の文化に行き着くことが多いんです。



洋楽は英語教材じゃない

ここが一番大事です。

洋楽を歌う理由は英語を覚えるためではありません。

歌を覚えるためです。

英語には日本語にない特徴があります。

音が繋がる。

消える。

跳ねる。

流れる。

日本語だけを歌っていると、どうしても一音一音を置きにいく感覚になりやすい。

悪いことではありません。

でも、そればかりだと歌が少し平坦になります。

いわゆる、

「上手いけど何か面白くない」

状態です。

採点機は喜ぶかもしれません。

でも人間は意外とそうでもありません。



バラード好きほどやった方がいい

特にバラードを歌う人。

これは本当におすすめです。

洋楽のバラードを練習すると、

息の流れ方

言葉の繋ぎ方

フレーズの作り方

リズムの揺れ方

こういうものが自然と身についてきます。

そしてそれが日本語の歌にも返ってくる。

不思議ですが本当です。



英語の意味なんか後回しでいい

アーティスト志望なのに、

「英語だから無理です」

で終わってしまう人をたまに見ます。

もったいないなと思います。

別に海外デビューしろと言っているわけではありません。

ネイティブ並みの発音を目指せとも言っていません。

まずはそれっぽく真似してみればいい。

最初は誰だって下手です。

むしろ最初から完璧にできる人なんて見たことがありません。

だからまずは1曲。

意味がわからなくてもいい。

発音が完璧じゃなくてもいい。

とにかく真似してみる。

その経験が後になって必ず歌に返ってきます。



最後に

ボーカリストに必要な英語力とは、

英語を理解する力ではありません。

音を再現する力です。

だから英語が苦手でもいい。

意味がわからなくてもいい。

まずは好きな洋楽を1曲覚えてみてください。

そしてできれば、そのアーティストが影響を受けた音楽も少し辿ってみてください。

歌が上手くなりたいと言いながら洋楽を避け続けるのは自由です。

ただ、J-POPだけで歌を学ぼうとするのは少し遠回りかもしれません。

なぜなら、今あなたが歌っているそのJ-POPも、辿っていけば洋楽の影響を受けて生まれたものだからです。

ルーツを知ることは知識自慢ではありません。

もっと深く音楽を楽しむための近道です。

英語を勉強する必要はありません。

でもボーカリストなら、英語という「音」から逃げないでほしい。

きっと今より歌の世界が少し広がるはずです。

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