透明な朝の音
「おはよう、起きてごらん」
囁くような声に目を開けると、おばあちゃんが優しく微笑んでいた。
え、…なに?
「急いで。いいものを見せてあげる」
どうやら時間は夜明けの少し前、カーテンの隙間から青白い光が覗いている。
「ほら早く、外にいくよ」
え、外? 外に行くの???
ちょっと待って、寒い。
まずは極暖靴下をはいて、パジャマの上からオーバーパンツ。
耳あてのついた帽子をかぶって、玄関で「雪も風も通さない」とお父さんが自慢していたコートを借りる。
戸を開けた瞬間、世界はまだひっそりと息をひそめているみたいだった。
「見てごらん」
目の前には、まだ夜の青さが残る景色の中に小さな光が無数に漂っていた。
雪、じゃない。
星、なわけない。
とにかく無数のキラキラが舞っていた。
「ダイアモンドダストだよ」
少しづつ明るくなる世界の中で、無数に降りそそぐキラキラ追って上を見上げると、重力に逆らって上空に吸い込まれそうになる。
微かな音がする。
鈴が鳴る音に似てるけど、シャラシャラでもなく、チリンチリンでもなく…、キラキラ?
光を形容しているのではなくて、本当に光が音をたててる。
透明な朝の音。
その音が少しづつ、どんどん大きくなってきて、その音にのまれるように目を閉じた時、目が覚めた。
自分の部屋のベッドの上。
どうやら時間は夜明けの少し前、カーテンの隙間から青白い光が覗いている。
急がなきゃ。
まずは極暖靴下をはいて、パジャマの上からオーバーパンツ。
耳あてのついた帽子をかぶって、玄関で「雪も風も通さない」とお父さんが自慢していたコートを借りる。
おばあちゃんはもういないけど、ときどきこうやって、透明な朝の音を知らせに来てくれる。
おわり。
今回はこちらの3つお題の中、「透明な朝の音」に挑戦してみました。
3つのお題すべてを入れ込むのは難しすぎますね。
1つだけで精一杯でしたが、楽しかったです!
#3つのお題に空想のひらめきを 【第25回】
