【シロクマ文芸部】鍋の具は
鍋の具はさぁ、まずカット野菜でしょ?
便利な世の中だよ。これでもう、仕事は終わったも同然だ。
あー、キノコも好きだよ。なんにでも合うし、食物繊維大事。
あとは? タンパク質はどうする?
鶏。いいねー。
豚。美味しいよねー。
タラ。あー、その手もあるよねぇ笑。
贅沢にカニ、いっちゃう???
鍋の何がいいってさぁ、その名称だよね。
鍋。
もはや料理名でも、調理法でもないんだよ。
鍋。
それ調理器具の名称だから。
いい。
なんでもかんでも一緒にぐつぐつしちゃえば、何味であってもそれは鍋。
なにものをも拒まない、その感じがいいよね。
子どもにとってはさぁ、「今日は鍋」って言われても全然テンション上がらなかったりするよなぁ。
おでんもそうだったけどさ、やっぱ子どもはもう少し濃い、唐揚げなんかのほうがテンション上がるよなぁ。
でもある時から、ほとんどの大人が出汁の旨さに目覚めるんだよ。
あれはなんていうか、大人になってから覚える、数少ない感動の中の一つと言っても大げさじゃあないと思うんだよ。
それはそうと。
鍋をより美味しく引き立てる魔法って知ってるかい?
いや、そういう「みんなで食べると倍美味しい」とかじゃなくって。
入れる具の順番で味かかわるとかでもなくってさ。
大事なことを忘れているでしょうが。
蓋だよ、蓋。
おお、ちょっと待て。
蓋を開けたときの、瞬間的なエンターテイメントの話をしてるわけじゃないんだよ。
蓋をすることで鍋が美味しくなることは、科学的にも証明されてるんだ。
ChatGPTに聞いてごらんよ。
まあ…、そうだよ。
蓋の仕事は食卓に上がるまでで、いざみんなが食べ始めたら、途端に居場所がなくなって、シンク横でしょんぼりなんだけどさ。
でも忘れないでくれよな。
鍋には蓋。
その蓋である俺だって、みんなの冬を温める、美味しい鍋の一部なんだぜ。
おわり。
今回はこちらのお題企画に挑戦してみました。
楽しかったです!
