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【読書記録 -130】人は感情でモノを買う

人はなぜモノを買うのだろうか。
安いからだろうか。品質が良いからだろうか。
伊勢隆一郎著『人は感情でモノを買う』は、その問いに対して明快な答えを示している。

人は論理でモノを買うのではない。感情で買うのだ。
著者が本書で説いているのは「究極の理解」という考え方だ。

商品を売りたければ、商品の特徴やメリットを説明する前に、お客様が抱える悩みや願望を理解しなければならないという。そのために、著者は「夜寝る前に浮かんでくる不安は何か」「最近イライラしたことは何か」「人生で後悔していることは何か」「本当はどんな人生を送りたいのか」といった問いを通じて、人の心の奥にある感情を探りなさいと説く。


確かに人は、不安や憧れ、期待や焦りによって行動する。
英会話教材を買うのも、高級時計を買うのも、投資スクールに通うのも、突き詰めれば感情が出発点なのだろう。ボク自身も大量に本を買うし、ChatGPTやClaudeにも課金している。だから「人は感情でモノを買う」という主張に素直に納得できる。

ただ、ここでいう「モノ」には二種類あるのではないだろうか。
ひとつは、直接的に欲求を満たす商品。
もうひとつは、将来の欲求を満たすための環境だ。

ボクが買っているものの多くは後者だ。
本そのものが欲しいわけではないし、AIそのものが欲しいわけでもない。

理解したい。
成長したい。
新しい発見が欲しい。
だから本を買うし、AIにも課金する。

しかし、お金で買えるのは環境までだ。


本を買っただけでは賢くならない。
AIに課金しただけでは文章は上手くならない。
その先には、自分自身で越えなければならないプロセスがある。

最近、若手管理職のメンタリングをしていても同じことを感じる。
人は好奇心を持つ。
問いを持つ。
思いを持つ。
継続する。
そして少しずつ成長する…
つまり、人は「思い」と「鍛錬に費やした時間」と「環境」を掛け算して成長するのではないだろうか。


このプロセスは誰にも代行できない。
人は感情によって環境を買うことはできるけれど、成長そのものを買うことはできない。なぜなら、「思い」と「鍛錬に費やした時間」は買うことができないからだ。

だけど、その出発点には著者が語る「感情」がある。

人は感情でモノを買う。
しかし、成長そのものを買うことはできない。

「思い」と「鍛錬に費やした時間」、そして「環境」。
人はそれらを掛け算しながら成長していくのだろう。

参考リンク集

・Amazon『人は感情でモノを買う』書籍紹介ページ

・フォレスト出版:著者紹介ページ

・伊勢隆一郎:公式メールマガジン

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