【読書記録 -76】100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?
感情のメカニズムで解き明かすマーケティングの本質
ボクはマーケターではないし、セラー側の人でもない。だけど、時々行動経済学関連の本を読む。それはシンプルに「面白い」からだ。
人は「合理的」に選択をしているようで、実は多くの心理的な影響を受けて「不合理」に行動している。行動経済学はそういった心理学の要素を取り入れた新しい経済学の分野だ。
現代は飽食の時代だ。
欲しいものはなんでも揃っている。
しかも複数社から選んで買うことができる。
もはや、機能やスペックだけでは差別化できない時代なのだ。
ビジネスの勝敗は「商品の良さ」ではなく、顧客の心に生じる「非合理な納得感」で決まる。つまり、顧客の「脳のクセ(バイアス)」を理解することが、価格決定権を握る手段なのだ。
行動経済学で解説するブランドデザインの手法
本書『100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?』の著者 橋本之克は、広告代理店ADKで戦略プランナーとして数多くのブランドを支援してきた実績を持つ。現在は行動経済学を活用したマーケティングの第一人者として、コンサルティングや執筆活動を行っている人物だ。

本書は4つの章で構成されている。
その中で、以下にリストアップした心理効果について、その具体例に照らし合わせながら解説が進んでいく構成だ。
第1章:「便利さ」が判断力を狂わせる
確証バイアス
保有効果
返報性の原理
メンタル・アカウンティング
損失回避の心理
現状維持バイアス
ウィンザー効果
ハロー効果
バンドワゴン効果
社会的選好の影響
ナッジの力
サンクコスト効果
認知的不協和
第2章:「損をしたくない気持ち」が損を生み出している
アンカリング効果
馴化と感応度逓減性
一貫性の原理
認知的不協和の解消
時間割引率
現在志向バイアス
第3章:「選んで」いる気持ちが実は「選ばされて」いる
保有効果
決定麻痺
決断疲れ
極端回避性
後悔 ≒ 損失
第4章:「大きな選択」ほど合理的に決められない理由
経路依存症
イケア効果
投影バイアス
解釈レベル理論
フレーミング効果
確実性効果
感情ヒューリスティック
比較バイアス
確実性効果
コントロール幻想
ツァイガルニク効果
ハウスマネー効果
100円のコーヒーを1000円に変えるのは、顧客が「1000円払ってよかった」と満足できる理由をデザインすることに他ならない。
それこそが「ブランディング」なのだ。
