急ハンドル
市場環境はどんどん変化する。
例えば、消費者物価指数は10年前(2015年)には98.22だったが、2025年現在111.05まで上昇している。シンプルにいうと12.8%も物価が上昇しているということだ。
日本の人口も2015年には1億2,700万人ほどだったが、今年は1億2,430万人程度になる見込み、つまりこの10年で270万人ほど人口が減っている。もっというと、その中でも生産人口と呼ばれる18歳~60歳の人口は350万人も減っている。
(予測していた人もいただろうが)だいたいの人はあまり実感はなかったはずだ。そしてある日、ひょんなことをきっかけに環境の変化に気づく。
会社の経営はバスの運転に似ている。
最善であるのは、毎日決まった時刻に決まった停留所を経由して、安定的に目的地に着くことだ。でも、道路状況は毎日変化するものだ。絶対に変化しないと思い込んで突っ走るのはリスク以外のなにものでもない。
道路状況に変化が起きたとき、一番やってはいけないのは急ハンドルを切ることだ。バスは図体がデカい。そして大勢の乗客が乗っている。急ハンドルを切って事故を回避することができたとしても、それに出くわしてしまった乗客は我先にそのバスを降り、二度とそのバスに乗らなくなるだろう。
会社には理念や戦略がある。
市場環境が変わったからと言って、それに過剰な反応をして理念や戦略がブレてしまうのは良くない。その挙動は、外で見ている人より中にいる人の方が敏感に感じ取るのだ。
まず、ブレーキを踏もう。
それも「じわり」とだ。
ある程度スピードを緩めて、周囲の状況を確認してから、ゆっくりと安全な方向にハンドルを切るのだ。
