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【2026年度診療報酬改定】心臓リハビリテーション・心不全・早期離床に関わる重要改定まとめ


~循環器領域のPTが押さえておきたい改定ポイント~


2026年度診療報酬改定では、「心不全再入院予防」「超早期からのリハビリテーション介入」「休日を含めた切れ目のないリハビリテーション提供」が大きなテーマとなりました。特に循環器領域では、急性期から退院後まで一貫した管理体制の構築が求められ、理学療法士の役割はこれまで以上に重要になっています。
今回は、心臓リハビリテーションや心不全診療に関わる改定内容の中でも、臨床現場への影響が大きいポイントを中心に解説します。


心不全再入院予防継続管理料の新設

今回の改定で循環器領域に最も大きな影響を与えるのが、「心不全再入院予防継続管理料」の新設です。心不全患者の再入院予防を目的として、入院中から退院後まで継続的な管理を行う体制が新たに評価されるようになりました。

改定後

  • 管理料1(入院中):1,000点

  • 管理料2(外来):700点(6回まで)

  • 管理料3(外来):400点(6回まで)

算定には心不全再入院予防チームの設置が必要となり、チームには医師・看護師・管理栄養士に加え、常勤理学療法士の配置が求められています。さらに、

  • 心大血管疾患リハビリテーション料の届出

  • 心大血管疾患リハビリテーション料または早期離床・リハビリテーション加算の算定

  • 栄養指導または薬剤指導の実施

なども要件となっています。
これまでの心臓リハビリテーションは運動療法が中心でしたが、今後は身体活動量の管理やセルフモニタリング指導、再増悪予防教育まで含めた包括的介入がより重要になるでしょう。


早期リハビリテーション加算の大幅強化

急性心不全や心臓血管外科術後患者を担当する施設では、この改定も非常に重要です。

改定前

  • 25点/単位

  • 発症・手術後30日まで

改定後

  • 入院1〜3日目:60点/単位

  • 入院4〜14日目:25点/単位

今回の改定では、入院直後のリハビリテーション介入が重点的に評価される仕組みとなりました。
急性心不全やCABG、弁膜症手術、TAVI、大動脈手術などでは、術後翌日からの離床や歩行開始がこれまで以上に重要になります。循環器病棟では、超早期離床を実践できる体制整備が求められるでしょう。


休日リハビリテーション加算の新設

休日においても平日と同様にリハビリテーションを提供する施設を評価するため、「休日リハビリテーション加算」が新設されました。

新設内容

  • 休日リハビリテーション加算:25点/単位

循環器領域では、金曜日に手術を受けた患者や週末に入院した急性心不全患者などに対し、土日も継続して介入できる体制が重要になります。
休日介入によって、

  • ADL低下予防

  • ICU-AW予防

  • 廃用症候群予防

  • せん妄予防

などが期待でき、診療報酬上も評価されるようになりました。


離床を伴わないリハビリテーションは減算対象に

今回の改定で現場への影響が大きい内容の一つです。
ベッド上のみで、

  • ポジショニング

  • 関節可動域運動

  • 拘縮予防

などを実施した場合、点数が90%に減算され、算定単位数も1日2単位までに制限されます。
もちろん重症患者など離床困難な症例は対象外ですが、原則として「離床を伴うリハビリテーション」が評価される方向性が明確になりました。
心臓リハビリテーションの基本である早期離床・早期自立の重要性が、診療報酬上でも強く示された改定といえるでしょう。


リハビリテーション総合計画評価料の見直し

リハビリテーション総合計画評価料については、業務効率化を目的とした見直しが行われています。
主な変更点は、

  • 計画書様式の統合

  • 患者署名欄の廃止

  • PT・OT・STによる説明が可能

  • 2回目以降の評価料区分を新設

となっています。
これにより、書類作成にかかる負担軽減が期待され、患者教育や多職種連携により多くの時間を活用できるようになります。


退院時リハビリテーション指導料の見直し

退院時リハビリテーション指導料については、対象患者が明確化されました。

改定後の対象

  • 疾患別リハビリテーション料算定患者

  • 早期離床・リハビリテーション加算算定患者

  • リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算算定患者

など
特に心不全患者では、退院後の再入院予防が重要な課題です。
退院時には、

  • 運動継続方法

  • 身体活動量の管理

  • 体重管理

  • 塩分制限

  • 増悪徴候の早期発見

などを含めた指導がより重要になるでしょう。


療法士の業務範囲が拡大

専従療法士が従事できる業務についても整理されました。
これにより、

  • 患者指導

  • 家族指導

  • 退院支援

  • 介護施設への助言

  • その他の医学管理業務

などが制度上明確に位置付けられました。
また、地域包括医療病棟や回復期リハビリテーション病棟では、必要に応じて病棟外や屋外での評価・指導が可能であることも明確化されています。


まとめ

2026年度診療報酬改定の循環器領域におけるキーワードは、「再入院予防」「超早期介入」「365日のリハビリテーション提供」です。
特に心不全再入院予防継続管理料の新設は、心不全診療のあり方を大きく変える可能性があります。急性期だけでなく退院後まで継続して患者を支える体制が評価される時代となりました。

また、入院後3日以内のリハビリテーション加算の大幅増点や休日リハビリテーション加算の新設からも、発症・手術直後から積極的に介入する施設が評価される方向性が明確になっています。

一方で、ベッド上のみのリハビリテーションは減算対象となり、離床やADL向上を目的とした実践的な介入の重要性はさらに高まっています。
今回の改定は、心臓リハビリテーションが単なる運動療法ではなく、「再入院を防ぐための包括的医療」として評価される時代の到来を示しているといえるでしょう。循環器領域に携わる理学療法士にとって、今後の実践を考える上で非常に重要な改定となっています。

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