拘束型心筋症ってなに?(新人PT・患者向け)
🫀拘束型心筋症(Restrictive Cardiomyopathy:RCM)とは?
「心臓は動いているのに、うまく血液が入らない——」
そんな少し特殊な心不全の原因となるのが拘束型心筋症です。
心筋が“硬く”なることで、心臓の拡張(広がる動き)が障害される病気です。
🔍 どんな病気?
拘束型心筋症では、
心臓の収縮力は比較的保たれている
しかし、拡張がうまくできない
という特徴があります。
つまり、
👉 「押し出す力はある」
👉 「でも血液を受け入れられない」
という状態です。
その結果、"拡張障害型心不全(HFpEF)"の病態を示します。
🧱 なぜ心筋が硬くなるの?
原因はさまざまですが、代表的なものは以下です。
● 二次性(原因がはっきりしているもの)
心アミロイドーシス(最も代表的)
サルコイドーシス
ヘモクロマトーシス(鉄沈着)
放射線治療後
好酸球性心筋炎 など
● 特発性
明らかな原因が分からないもの
特に臨床で重要なのは
👉 心アミロイドーシスによる拘束型心筋症です。
🩺 病態のポイント
拘束型心筋症では、
心室はあまり拡張しない
心房は圧負荷で著明に拡大
という特徴的な形になります。
そのため、
両心房拡大
肺うっ血
右心不全症状(浮腫・腹水)
が目立ちやすくなります。
😮 主な症状
労作時息切れ
易疲労感
下腿浮腫
腹部膨満感
夜間呼吸困難
進行すると、
"「右心不全が強い心不全」"として表れやすいのが特徴です。
🧪 検査所見の特徴
心エコー
左室サイズは正常〜小さめ
収縮能は保たれる
両心房拡大
拡張障害(E/eʼ上昇)
心電図
低電位(特にアミロイドーシス)
心房細動の合併が多い
心臓MRI
心筋への沈着所見(特にアミロイド)
💊 治療の考え方
残念ながら、根本的に心筋の硬さを改善する治療は限られています。
そのため治療の中心は、
うっ血のコントロール
→ 利尿薬が中心
原因疾患の治療
→ アミロイドーシス治療など
⚠️ 注意点として
過度な前負荷低下(利尿しすぎ)は心拍出量低下を招きやすいため、慎重な管理が必要です。
🏃♂️ 心臓リハビリの視点
拘束型心筋症では、
心拍出量の予備能が小さい
心拍数依存になりやすい
という特徴があります。
そのため心リハでは、
低強度から開始
自覚症状(息切れ・倦怠感)重視
血圧・脈拍・RPEを丁寧に評価
心房細動合併例が多いため脈不整に注意
が非常に重要になります。
「頑張らせすぎないリハビリ」が鍵になります。
🌱 まとめ
拘束型心筋症は、
心筋が硬くなり
拡張障害が主体となる
右心不全症状が目立ちやすい
という特徴をもつ心筋症です。
心不全の中でも見逃されやすく、
原因疾患の理解と丁寧な全身管理がとても重要になります。
次回は"心サルコイドーシス"について解説していきます。
