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Hasselblad 907X / CFV-100C

Hasselblad 907X / CFV-100C


はじめに

コロナ禍を経て、止まってしまった撮影を再開する

今回あらためて写真と向き合おうと思った背景には、
コロナ禍によって、しばらくの間、自分の撮影が止まってしまっていたという事実があります。
日常や環境が大きく変わる中で撮影のモチベーションを失い、写真を撮ると言えば、息子の部活の写真を撮り保護者に共有する程度となってしまいました。
そんなかな、ここ1、2年のあいだ、日常の中で、表現の世界で真摯に努力を重ねている人たちの姿に触れる機会があり、
自分自身も、立ち止まったままでよいのだろうかと考えるようになりました。

なぜ、今あらためてハッセルブラッド907X / CFV100Cなのか

カメラを購入する理由は、人それぞれだと思います。
仕事のため、流行のため、あるいは性能面での優位性を求めて――。
しかし今回の選択は、そうした理由とは少し異なるところにありました。

私は、Hasselblad 907X と CFV100C を、
単なる性能比較ではなく、「自分が納得して使い続けられるか」という視点で選びました。

フィルム時代の感覚と、現代のデジタル画質のあいだで

私は以前から、ハッセルブラッドの Vシステム(500C/M) を使い続けてきました。
フィルムカメラでの撮影は、被写体と向き合い、構図を考え、シャッターを切るまでに自然と時間がかかります。
このリズムがとても好きだったのです。

一方で、近年のデジタルカメラは非常に高性能です。
オートフォーカス、高速連写、高度な画像処理によって、撮影者の思考よりも先に結果が出てしまう場面も少なくありません。

フィルム的な撮影体験を保ちながら、
現代のデジタル画質を得る方法はないのか。
その問いに対する一つの答えが、907X / CFV100C でした。

実は、デジタルバックは2台目で、
コロナ禍の前にLeaf Aptus IIを使っていたことがあり、
この答え自体はAptusから得ていたたことでもあります。
(時間があれば比較したいです)

画質を「誇示」するのではなく、「信頼できる」こと

CFV100C は、誰にとっても扱いやすいカメラではありません。
操作性や速写性の面では、最新のデジタルカメラに及ばない部分もあります。

それでも、
色の出方、階調のなだらかさ、画像の奥行き感には、
撮影者として強い信頼感を覚えました。

単に「画質が良い」からではなく、
この画質であれば、時間をかけて作品を作り続けたい
そう思えたことが、決め手でした。

撮影を急がせないカメラという価値

907X / CFV100C は、撮影者にスピードや効率を求めません。
むしろ、一枚一枚を丁寧に撮ることを前提としたカメラです。

構図を考え、光を読み、
「今、この瞬間を残すべきか」を自分に問いながらシャッターを切る。
そのプロセスを自然に受け入れさせてくれる点に、大きな魅力を感じました。

これは買い替えではなく、写真との距離を整える選択

今回の購入は、単なる機材更新ではありません。
便利さや効率を一部手放しながらも、
自分が写真とどう向き合っていきたいのかを再確認する機会でした。

フィルム時代に培った感覚を大切にしながら、
現代の最高水準のデジタル画質で作品を残していく。

907X と CFV100C は、その両立を可能にする存在だと感じています。

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