「拭いてくれるかしら。」4歳の誇り高い、成果発表。

行きつけの飲食店で、4歳の女の子に「トイレに行こう」と誘われた。

「扉閉めないで。そこにいて。」
「ウンチだから、少し長くなる。」

開けておくよ、ここにいるよと言ったけれど、結局一緒に入ることになった。
彼女は便座に座りながら、ずっと色の話をしていた。

「オレンジと黄色で緑。
茶色と青でスカイブルー。」
どこから来た理論なのか分からない。
「ウンチする気ある?」
「一緒に踏ん張ろうか?」

私の声は彼女に届かない。
しばらくして、

「拭けないから、拭いてくれるかしら。」
と言われたので拭いた。

立ち上がった彼女は自慢気に
「見てごらん。いいウンチ出たよ。私が流すから、ちゃんとサヨナラしてね。いいウンチだから。」

私は手を振って「サヨナラ」とウンチに声をかける。
手を振る私を見て、彼女も「サヨナラ」と手を振った。
手を洗うのは少し高いから
「持ち上げて」と言われて抱き上げた。

スッキリした彼女は、お店の中を歩きながら
「いいウンチ出たよ」
と言い回っていた。

笑う人。
頷く店員。
「すごいね」と褒めちぎる人。
反応はそれぞれ。その光景を温かいと思った。
ウンチは場の空気を温めた。

私は彼女の母親に、いいウンチだったことを報告。

「拭いてくれるかしらと言われたので、丁重に拭いたよ。」と言った。
すると母親は笑って言った。

「あの子、自分で拭けるのに。笑」

え?

小児科専門から医療を始めた私は、
少し懐かしくて楽しかった。



