#毎ショアンソロジー企画参加|テーマ:ループ【ペガサス挑戦券】with アニメ
アンソロジー企画に合わせて後半を書き下ろし、アイキャッチ画像も新しく作成しました。

ランニング途中、何かが視界をよぎった。
風の向きが一瞬変わったような気がして
思わずスピードを落とした。
僕の前にシューズが1足落ちてきた。
それは、両足に小さな白い羽根の付いた
見たこともないシューズだ。
拾い上げて交番へ届けた。
落とし物には違いなかったから。
三か月後、そのシューズは僕のものになった。
早速履いてみようとしたが
右足の奥に何かが触れる感触がある。
薄く折りたたまれた紙のようだった
広げてみると「ペガサス挑戦券」と書いてあった。
いったいこれは何だろう?
不思議に思いながらシューズを履いた。
驚いたことに、ぴったりだった。
まるで僕のために誂えたかのように。
外に出て、一歩踏み出した。
踵がやわらかく包まれ、自然と重心が前に出る。
少しスピードを上げた。
足が軽く、どこまでも走れる気がした。
スピードを上げるにつれ、
羽根が風をはらみ少しづつ大きくなる。
周りの景色がどんどん後ろへ飛んでいく。
気が付くと僕は空を駆けていた。
どこまでそうしていただろう。
気が付くと、シューズの羽根は小さくなり
風の音も遠のいていた。
いつの間にか、僕自身の力で駆けていた。
もうこのシューズは必要ない。
そう思ったとたん、右足がふっと軽くなった。
白い羽根のついたシューズが
ひとつ、僕の足から離れていく。
そして左足からも。
それが地上へ落ちていくのを、
僕はただ見送った。
——
ランニング途中、何かが視界をよぎった。
風の向きが一瞬変わったような気がして、
私は思わずスピードを落とした。
おわり。
下記の企画に参加させていただきました。
テーマ:ループ
選択したお題【ペガサス挑戦券】
#毎週ショートショートnote #ペガサス挑戦券 #ループ #ショートストーリー
では、また。
ごきげんよう。
