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「魚の名前、全然覚えられない…」|名前を知らなくても海は楽しめる話 #ScubaDiving #BeginnerDiver #DiveLife #UnderwaterWorld #OceanLovers

ダイビングのあとのログ付けで、魚の名前が出てこなくて困ったことはありませんか?

「あの黄色い魚、なんだったかな…」
「みんなスラスラ名前が出てくるのに」
「私だけ何も覚えていないのかな?」

そんなふうに感じて、少し肩身が狭くなるあの時間

今日は魚の名前を覚えられなくても、海はちゃんと楽しめる、というお話です


覚えなきゃと思った瞬間から、海が遠くなった

私がダイビングを再開したのは50代になってから、およそ1年前のことです
ライセンスを取ったのは20代の頃だったけれど、結婚や子育てで自然と海から足が遠のいて、気づけば長いブランクがありました

再開してすぐの頃、ログ付けの時間が少し苦手でした
ログ付けというのは、潜ったあとにその日の記録をノートに書き込む時間のことです

ショップに戻ると、周りのダイバーさんたちが今日見た魚の名前を次々に挙げていくんですよね

「ハナゴイの群れ、すごかったですね」
「あそこにいたのはニシキテグリですよ」

正直なところ私には何のことか分かりませんでした
きれいな魚がたくさんいたな、という記憶しかないんです

テーブルの上には魚の図鑑が広げられていて
ページをめくる音と、楽しそうな笑い声が聞こえていました
その輪の中で私だけがログブックの空欄をじっと見つめていました

「若い頃にライセンスを取ったのに、何も覚えていないな」
「まわりの人の方がずっと詳しいな」

そんな気持ちがぐるぐるして、ログブックを前に手が止まっていました

図鑑を開くほど、海が宿題みたいになっていった

当時の私は魚の図鑑を買いました
潜る前の晩に眺めて、名前を頭に入れてから海に入るようにしていたんです

でも不思議なもので、覚えようとすればするほど、海の中で焦るようになりました

あの魚は昨日見たページに載っていたかな?
名前はなんだったかな?
帰ったらログに書けるかな?

目の前の魚を見ているはずなのに、頭の中は名前探しでいっぱいでした
せっかくの水中の時間が、なんだか宿題の答え合わせみたいになっていたんですよね

帰りの車の中でも

「あれ、結局なんて名前だったんだろう?」

と考え込んでしまって
海の余韻より、覚えられなかった悔しさの方が残る日もありました

50代になって子供も独立して、ようやく自分の時間が持てるようになったのに、これでは何のために潜っているんだろう、と思ったこともあります

「きれいでしたね」だけで、会話は成り立っていた

転機はある日のログ付けでした

隣に座っていたガイドさんに、思い切って打ち明けたんです

「実は私、魚の名前が全然覚えられなくて」

するとガイドさんは笑って、こう言ってくれました

「名前なんて、あとからでいいんですよ」

「今日の青い群れを見て、きれいだなと思えたなら、それで十分です」

その言葉を聞いたとき、肩に入っていた力がふっと抜けていく気がしました

あとで聞いたんですが、長く潜っているガイドさんでも、知らない魚に出会うことはあるそうです
海は広くて、生き物の姿は数えきれないほど多い
全部を知っている人なんて、きっといないんですよね

考えてみれば、その日のログ付けでも

「あの光、きれいでしたね」
「群れがすごかったですね」

という言葉だけで、会話はちゃんと成り立っていたんです

名前が出てこなくても、同じ海を見てきた者同士、伝わるものはちゃんとあるんですよね

名前を知らなくても、海はちゃんと見えている

青い光がゆれて、名前の分からない魚たちが目の前をすっと横切っていく
自分の呼吸の音だけが、静かに聞こえる

名前を覚えようとするのをやめてから、私はむしろ魚をよく見るようになりました

ヒレの動き
光の角度で色が変わる瞬間
岩陰からこちらをうかがう小さな目

名前という答えを探すのをやめたら、目の前の姿をじっくり眺められるようになった気がします

私は撮影が好きで、水中カメラだけは自前で持っているんですが、名前を知らない魚ほど、じっくり観察して撮るようになりました
名前が分からないからこそ、先入観なしにその魚の面白さを見つけられることもあるんです

だから、名前は知らなくていい
だから、覚えられなくても焦らなくていい
だから、きれいだなと眺めるだけの時間も立派なダイビング

そう思えるようになってから、海がまた少し近くなりました

今日からできる小さな3つの工夫

とはいえ、名前が分かったらもっと楽しいだろうな、という気持ちも正直あります
私が今続けている、覚えようと頑張りすぎないための工夫が3つあります

1つ目は、心に残った魚を1匹だけ選ぶこと

これだけで、ログ付けの気持ちがかなり変わります
全部覚えようとせず、今日いちばん印象に残った魚を1匹だけ、ガイドさんに聞いてみる
私の場合、1匹に絞ってからの方が、不思議と名前が記憶に残るようになりました
聞いた名前をその場でログブックにメモしておくと、あとから思い出しやすくなります

2つ目は、名前ではなく自分の言葉でログに書くこと

「黄色くて尻尾が長いやつ」
「岩の隙間からこっちを見ていた子」

そんな書き方でも、あとから読み返すとその日の海がちゃんとよみがえってきます
図鑑の名前より、自分の言葉の方が記憶に結びつくこともある気がします

3つ目は、写真に撮って、あとからゆっくり調べること

私は気になった魚を水中カメラで撮っておいて、家に帰ってからお茶を飲みながら調べています
水中で覚えようとすると焦るけれど、陸でのんびり調べるのは意外と楽しい時間なんですよね
調べても分からなければ、分からないままでも大丈夫です

覚えられない日があっても大丈夫

今でも私は魚の名前をほとんど覚えていません

ログ付けで言葉に詰まる日もあります
まわりのダイバーさんの知識に驚くばかりの日もあります
図鑑を開いたまま眠ってしまう夜もあります

それでも大丈夫です
無理に覚えなくて大丈夫です

覚えようと頑張っていた頃の自分に、今なら言えることがあります

図鑑は閉じたままでも、海はちゃんと美しい
名前を知らなくても、感動は少しも減らない

そう伝えてあげたい気がします

海は名前を答える場所ではなく、ただ眺めて心が動く場所でもあります

青い水の中を、名前の分からない魚たちが横切っていく
それをきれいだなと思って、静かに見送る

その時間だけで、今日も海に来てよかったと思えるんですよね

おわりに

魚の名前を覚えられなくても、きれいだなと眺めるその時間が、もう立派なダイビングです

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海はきっと、今日もやさしく受け止めてくれます


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