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第339話:大相撲三島巡業2026.4.9

4月9日に大相撲の三島巡業があったので行ってきた。

9時の開場に合わせて行ったところ、会場の体育館前は長蛇の列がうねうねと連なり、それは外の道路まで続き、中に入るまで35分かかった。
プログラムには力士との握手会があるとあり、夕方のニュースでも確かに熱海富士と握手している人の映像が流れていたが、やっと席について落ち着いた時にはほとんどその終了時刻だった。後で聞くと、そこも果てしない長蛇の列だったとか。

こんなイベントに定刻に来る「おバカ」だったらしい。

滅多にないことだから人は集まる。上の新聞によると3,500人。
女性トイレはいつでも大行列。
お昼時、お弁当の交換も長蛇の列。
狭い体育館はすし詰め状態。

どこもかしこも人で埋め尽くされていた。

ぶつかり稽古
子供との相撲
幕下の取組
相撲甚句や太鼓打分
土俵入り
幕内取組
弓取り式
・・そんな一日。
笑いも起こり、歓声も飛ぶ。


実は今回、生まれて初めて「生」で相撲を観たのだった。

カミさんも楽しみだと言うので、パイプ椅子のA席とか2階席も別にあったが奮発して16,000円の「たまり席」を買った。
迫力に満ちた「生」の臨場感を期待して、である。

確かに、さすが「たまり席」というだけあって土俵から10列目の席。床に直に座る。今後どうすればいいか不明だが(圧縮袋に入ったままの)お持ち帰りの座布団も用意されていた。

ただ、その席は体育館の床に敷かれたシートの上に50〜60cmの枠が赤いラインで四角く区切られた甚だ狭いもので、リュックを抱えて胡座をかくといっぱい。
しばらくすると股関節が痛くなり、体育座りと併用するが腰も背中も次第に痛くなる。後ろに手をつけば後ろの人と、足を横に出せば隣の人とぶつかる。たまには正座もしたいが、後ろの人が見えないかと気遣えばそれもできない。
換気も悪く、途中で頭も痛くなる。

もっと残念だったのは「たまり席」であるのに土俵が甚だ見えにくいことだった。
10列目と言っても体育館の床、土俵に対して傾斜があるわけでもないから人の頭ばかりが見える。
始終、人が前を通る。
前の席には体格のいいお爺さんが帽子をかぶって座っている。
それだけならまだしも、前の前に座っているお爺さんが「ここぞ」という場面に来るとタブレットを掲げて写真や動画を撮るから、「いい場面」は帽子とタブレットの隙間を縫うようにして見なければならない。

「ウッヒョー、16,000円も払ったのに」
って思ってしまうのは貧乏人の寂しい根性だろうか。


でも、これが「生」ってことなんだろうなと思った。
立ち合いでぶつかる音とか技の駆け引きとか力士の表情とか、そういう勝負の細部はテレビで観る方が、多分よっぽどよく分かる。土俵だけが切り取られた世界を映すからだからだろう。
このごちゃごちゃした場では、土俵での立ち合いは中心であっても場の一部でしかない。
それは桜など眼中にない花見とか、ひょっとしたら決して輝いてばかりいられない人生そのものと似ているかもしれない。


それでも東の花道近くの席だったので、2mくらい右を力士が頻繁に通る。

例えば、藤ノ川。

例えば、豊昇龍と霧島。

例えば、一山本。

キリがないのでこのくらいにするが、地元出身の熱海富士はやはり人気で、一挙手一投足に歓声や拍手が湧き起こる。
きょうのニュースで関脇に昇進したということだ。

僕は地元力士では翠富士が好きだったのだが、心不全ということで前場所を休み、当然この日も来てはいなかった。


この日一番感動したのは、熱海富士の、このお尻。

子供と相撲を取って押し出され尻餅をついたものだが、一度、僕らにお尻を向けたまま前屈の姿勢を取った。

その時、カミさんが
 「今の見た?・・なんて大きなお尻なの!
と、目の前のお尻のクローズアップに顔をほころばせた。

この後ろ姿の「混沌」こそ、人間の「生」の魅力なのだと思った(笑)。



追記
当日のニュースでこの巡業が報道されていた。この映像の5分50秒くらいのところから、2017年、8年前のこの三島巡業で玉鷲に相撲を取ってもらっていた中学生の熱海富士が映っている。
巡る、巡るよ、時代は巡る〜🎵である。
僕のブログを見るよりこのニュースの方がよっぽど熱気が伝わる。いい位置から撮り、いい場面を切り取っているからである。



◾️土竜のひとりごと:第339話


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