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小さな芽がくれた、15年目の春

今日は、庭の草むしりをしました。

冬のあいだ放っておいた小さな雑草が、
思いのほかしっかり根を張っていて、
しゃがみこんで、一本ずつ抜いていきます。

まだ風は冷たいのに、
土の匂いはやわらいでいて、
春が近いことを感じさせる空気。

そのとき、
雑草のあいだに、見慣れた葉を見つけました。

細くて、まっすぐで、
触れるとふわりと香る——ローズマリー。

けれど、いつもの株とは違う場所。

よく見ると、
小さな小さな芽でした。

我が家のローズマリーは、もう15年になります。

庭のすみに根を張り、
冬でも花をつけ、
料理や蒸気吸入、香りの手仕事に、何度も力を貸してくれました。

その種が、自然に落ちて芽吹いたのでしょうか。

15年目にして、はじめての出来事です。

なんだか、
春をひとつ、もらったような気持ちになりました。

植物は、静かに季節を渡していきます。

切り戻しても、雪に当たっても、暑さで弱っても、
それでも毎年、少しずつ枝を伸ばし、やがて次の命へつないでいく。

四体液質の言葉でいえば、
冬の「冷」がゆるみ、
春の「温」がそっと入りはじめるころ。

外の世界より少し遅れて、
土の中から、静かに温が立ち上がる。

そのタイミングで芽吹いた、
小さなローズマリー。

急がなくていいよ、と言われたような気もしました。

大きな変化じゃなくていい。

気づかれないくらいの、
小さな芽でいい。

春は、
そんなふうに始まるのかもしれません。


今日の小さな養生

・庭やベランダの土を、少しだけ触ってみる
・ローズマリーの香りを、深く吸い込む
・「新しく始めること」ではなく、「すでに芽吹いていること」に目を向ける

―――今の自分の中にも、
もう芽が出ているものがあるのかもしれません。

春は、派手にやってくるわけではありません。

ある日ふと、
雑草のあいだから顔を出している。

それに気づけるかどうか。

だからこの小さな芽を、
そっとこのまま育ててみようと思います。

15年の時間がくれた「小さな春」。

今年は、どんな香りになるのでしょうか。

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