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「一番の養生って何?」と聞かれて、うまく答えられなかった日

今日、生徒さんから、ふいにこんな質問をされました。

「ハーブやアロマなど、自然療法っていろいろあると思うんですが……
一番効果的な養生って、なんですか?」

その瞬間、フリーズ。

何を答えればいいのか分からなくなってしまいました。


でも、よくよく話を聞いてみると、生徒さんはこういう状態でした。

ネットで調べても、情報が多すぎる。
友達に聞いても、みんな言うことが違う。

「ハーブは副作用が少ないし、料理にも使えるからいいよ」

そんな話も聞けば、

「アロマは大脳辺縁系にダイレクトに届くし、研究もされてるからいいよ」

という話もある。

でも、やっぱり「食事が大切」だから、薬膳を学んだ方がいいとも言われる。
歴史があるから、アーユルヴェーダがいいとも書いてある。

そして最後に、こう言われました。

「先生はハーブもアロマも、お香もしてるし、ヒルデガルトの話もしてくれる。
結局、どれが一番いいんですか?」

ああ……そういうことか。


はっきり言えば、私はヒルデガルトの教えは、現代にもすごく合っていると思っています。

歴史背景も好きだし、
それを今の暮らしに合わせてアレンジするのも好き。

ハーブを育てるのは苦手だけど(笑)
使うのは大好きです。

アロマやお香といった香りも、もちろん好き。

だからこそ、共感してほしくて。
知ってほしくて。

いろいろな講座をしたり、記事を書いたりしています。


でも。
「一番はどれ?」と聞かれると、
そうは言えない自分がいるんですよね。


私はハーブも、アロマも、お香も、大好きです。

ヒルデガルトの話なんて始めたら、たぶん止まりません。

「ねえねえ、聞いて。ヒルデガルトはね……」

と、うっかり熱く語ってしまう側の人間です。


正直に言うと、昔の私はどこかで思っていました。

「ハーブを上手に使えば、もっと簡単に整えられるんじゃないか」って。

ダイエットだって、そうです。

ハーブ講師なんだから、
ハーブで痩せられる方法があるんじゃないかって。

……でも、現実はそんなに甘くない。

ハーブは助けてくれるけれど、
ハーブだけで痩せるなんて、無理でした。

これ、実際にやってみたから分かる。


結局、いちばん効いたのは、

寝不足を減らすこと。
食べすぎをやめること。
ちゃんと湯船に入ること。
ストレスを溜めないこと。

そういう、地味すぎるほど地味な暮らしの積み重ねでした。


たぶん、養生って「特別なもの」じゃなくて、

むしろ、

食べること。
眠ること。
休むこと。
湯に浸かること。
誰かと話すこと。
笑うこと。
出かけること。
出かけないこと。

そういう、当たり前の生活の中にある。

そして当たり前すぎて、私たちはすぐ忘れてしまう。


たとえば食事。

シャキッとした野菜を噛んだときの音。
口の中に広がる甘み。
味噌汁の湯気。
焼きたてのパンの柔らかさ。
スパイスの香り。

……と、ここまで書いておいてなんですが。

現実の私は、そんな丁寧な日ばかりじゃありません。

子どもの宿題を見ながら、
味がよく分からないまま夕飯を流し込む日もあるし、

スマホを片手に、
「なんで私こんなに疲れてるんだろう」
と思いながら、お菓子を食べてしまう日もあります。

(しかも、だいたい夜。)


養生って、理想を語ると綺麗だけど、
暮らしって、いつもそんなに整っていない。

だからこそ、「五感を取り戻す」って大事なんだと思うんです。

今日のスープ、ちゃんと温かいな。
このお茶、香りが好きだな。
お風呂の湯気が気持ちいいな。

そんなふうに、五感を通して感じたことに、
少しだけ意識を向けてみる。

それだけで、体は少し落ち着きます。


そして、そこに

ハーブ。
アロマ。
お香。

そういうものがそっと加わると、
暮らしの中の“整うスイッチ”が入りやすくなる。

たぶん植物は、生活の主役じゃなくて、
生活のそばにいてくれる「名脇役」なんですよね。


そして、もうひとつ。
養生は、自然療法だけじゃない。

例えば、私は最近、娘に誘われて久しぶりにアニメを観ました。

「ねえ、青春アニメ見る?」

そう言われて、なんとなく一緒に観てみたら、
意外と胸がきゅっとなって、気づいたら笑っていました。

ああ、こういうのも養生だな、と思ったんです。


ハーブティーじゃなくてもいい。

本を読む時間。
アニメを観る時間。
好きな音楽。
何も考えずにぼーっとする時間。

「好き」という感覚が戻ってくるだけで、
心の奥の火が、少しだけ守られる。

好きだな。
楽しいな。
美味しいな。
心地いいな。

そんな「心」の状態も、大切なんだと思います。

だから今日の質問に、うまく伝えられなかったけれど、
もし答え直せるなら、私はこう言うと思います。

一番の養生は、特別な自然療法ではなくて、
暮らしをちゃんと生きること。

食べる。
眠る。
休む。
湯に浸かる。
誰かと話す。
笑う。
好きなものに触れる。

その中で、

「今の自分に必要なものは何だろう?」
「心地いいって、どんな感じだろう?」

そうやって、自分の感覚に少しだけ意識を向けること。

そして、その暮らしの中に、
ハーブや香りを添えること。

たぶん、それがいちばん効く養生じゃないかなと。

生徒さんの質問は、自然療法の話のようでいて、
私にとっては「暮らしの話」に戻る問いだったなと思います。

そして私は今日、
その問いに答えようとして、
いちばん基本的な場所に戻ってきた気がします。


今日の小さな養生

食事でも、お茶でも、入浴でも。

ひとつだけでいいので、

「いまの香り」
「いまの温度」
「いまの味」

を、少しだけ意識してみる。

それだけで、体は少し落ち着きます。

丁寧に暮らす、というのは
完璧に整えることではなくて、
感覚を取り戻すことなのかもしれません。


おわり

「一番の養生って何?」

この問いは、答えを出すための問いというより、
暮らしに戻るための問いなのだと思います。

でも、きっと今日こう考えたことも、
普段の生活の中で忘れていく。

だから忘れないように、読み返す記事として今日はここに記録しておこうと思います。

季節の変わり目や、心がざわつく日に、
何度も読み返せたらいいな。

そして、ちゃんと生徒さんに伝えられたらいいなと思います。

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