1300gの我が子を持ち上げる恐怖(5/7)
(第4話のあらすじ:入院生活の中で、ママの育児スキルはパパの遥か先へ行ってしまいます。その格差に気後れせず、新入社員のような気持ちで「自らできるようになるために挑戦する」ことの大切さを、パパは決意していました。)
💡 心臓はバクバク。小さすぎる命と対峙する
おむつ交換を積極的にやると決めたものの、相手は両手にすっぽりと収まってしまうほど、小さな, 小さな赤ちゃんです。彼女たちがほんの少し動だけで、私の内心は心臓がバクバクと激しく波打っていました。
おむつ替えの手順自体は、頭では分かっているつもりでした。
まず、新しいおむつを開いて事前にお尻の下に敷いておき、今履いている古いおむつのテープを外して破り、汚れないようにクルクルと丸めてまとめ、ゴミ箱へ捨てます。その後、お尻拭きで優しく綺麗に拭き取ってから、新しいおむつのテープを留める。
言葉で言えば、たったこれだけの作業です。
しかし、いざ実践するとなると、話は全く別でした。
お尻の下に新しいおむつを滑り込ませるためには、赤ちゃんの背中にそっと手を差し入れて、上半身を少しだけ持ち上げなければなりません。
これが、本当に、信じられないほど怖かったのです。
💡 壊れてしまいそうな体を、この手で
1,300gの細い体。力を少しでも入れすぎたら、ポキッと折れて壊れてしまうのではないか。そんな恐ろしさが頭をよぎり、指先の感覚が麻痺しそうになるほどの緊張感が襲ってきました。
「大丈夫、大丈夫……」
心の中で自分に言い聞かせながら、汗ばむ手を慎重に背中へと滑り込ませ、そっと持ち上げる。その瞬間の、頼りないほどに軽くて温かい我が子の重みと、張り裂けそうなほどの私の鼓動は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
最初は誰だって未経験ですし、怖くて当たり前です。それでも、その「本当に怖かった」という経験を何度も重ねていくうちに、指先は自然と赤ちゃんの扱いに慣れ、恐怖は少しずつ「愛おしさ」と「自信」へと変わっていきました。
そしてこの「慣れ」は、単におむつを替えられるようになるという技術以上の、大きな副産物を私にもたらしてくれたのです。
(第6話へ続く)
