【自己紹介】SOUって何者?
皆さん、初めましてSOUです。
私は大阪で、インバウンドに特化した宿泊施設・民泊を運営しています。
開業からまだ半年。
しかし、最初から「この数値を達成する」と設計した結果を毎月つくっています。
■ 地域相場比 宿泊単価:2倍以上
■ 稼働率:85%以上
■ ゲスト口コミ評価:満点
これは事業を始めると決めた瞬間から、逆算して設計した数値です。
この記事では、その設計の裏側にある「思考・戦略・実行」をご紹介します。
なので、この記事はこんな方に読んでほしいです。
∙ 空き家・倉庫・古民家などを活用して何かを始めたい方
∙ 民泊・宿泊施設の開業を検討している方
∙ 現役オーナーとして売上・集客・差別化に課題を感じている方
∙ 「物件の弱みを強みに変える」ブランディング戦略を学びたい方
1. 私について
まず、私について簡単に自己紹介をさせて頂きます。
大阪市在住、33歳、1児のパパです。日本人です。
(2026年9月に第2子誕生予定)
20代前半はアパレルブランドの店長として店頭に立ち、接客・販売・スタッフ、店舗マネジメントを経験。
25歳でEC業界へ転向し、店舗運営、自社ブランドの開発、SNSマーケティング。
その後は貿易商社で輸出入・卸・ブランディング・マーケティングに従事しました。
キャリアを重ねる中で強く意識したのは、「日本の高品質な商品・文化は、世界から渇望されているのに、なぜ売れないのか?」という問いです。
海外ブランドはロゴだけで売れる。
日本の伝統工芸品は品質が高いのに、ブランディングが弱く売れない。
この構造的な問題を変えたい。
その課題意識から、社内でインバウンド事業部を立ち上げました。
立ち上げたサービス三本柱
∙ 旅マエ:日本の歴史・47都道府県の観光地情報メディアの運営
∙ 旅ナカ:観光ガイドツアー・体験コンテンツの販売
∙ 旅アト:日本各地の伝統工芸品・名産品ECサイトの運営
商品・サービスの企画設計から営業・集客・販売まで川上から川下を一貫して担う中で、自分が最大パフォーマンスを発揮できるのは「0→1の立ち上げと、勝てる構造を設計すること」だと気づきました。
2. 「ボロ倉庫」の弱みの中に眠る資産
オンラインやAIが発達すればするほど、オフライン(リアル)の体験価値は、これからの時代に再評価されると確信しています。
オンラインが飽和するほど、「本物のリアル体験」の希少性は高まる。
そこで目を向けたのが、会社が所有する一棟の倉庫でした。
この物件のスペック(当初)
∙ 築年数:80年以上
∙ 設備:水回り・生活設備ゼロ
∙ 構造:天井が低く、間口が狭い長屋造り
∙ 資産評価:ほぼゼロ
普通に考えれば「負債」です。
しかし私は、ここで思考を逆転させました。
弱みを書き出していくと、「そもそもなぜこんな造りなのか?」という疑問が生まれた。
調べていくと、それは江戸時代から続く「大阪長屋」の典型的な様式だとわかりました。
「古く、狭い」という物理的な制約は、変えられない事実です。
しかし、その解釈は変えられる。
むしろ、変えてはならない「唯一無二の資産」として打ち出せる、と確信しました。
「弱み」から「強み」への思考転換
∙ 古い(築80年超)→ 江戸時代からの建築様式を今に伝える、本物の歴史空間
∙ 狭い(低天井・細長い間取り)→ 当時の商人の暮らしをリアルに体感できる没入感
∙ 設備ゼロ → 余白から生まれるデザインの自由度と、ゼロベースの世界観設計
3. ターゲットとブランドコンセプト設計
「大阪長屋」という事実がわかった瞬間、コンセプトとターゲットが同時に確定しました。
江戸時代の大坂は「天下の台所」と呼ばれ、全国から物と人と文化が集まる、日本最大の商業都市でした。
その商人たちが暮らした「商家」という長屋の形式が、まさにこの建物です。
日本の歴史・文化・伝統技術は、世界中の旅行者がお金を払って体験しに来る「本物のコンテンツ」です。
ここには、その全てが詰まっていました。
インバウンド旅行者の中でも、「日本の伝統・歴史・文化体験」に最も高い対価を払うのは、欧米層です。
アジア圏の旅行者が「観光スポットの効率的な周遊」を好むのに対し、欧米層は「深い体験・没入・本物のストーリー」に価値を見出します。
これらの条件から確定したコンセプトとターゲットは、
∙ ブランドコンセプト:江戸時代の大坂商人の暮らしを体験できる空間
∙ ターゲット:日本の歴史・文化に関心の高い欧米インバウンド層
このコンセプトの強さは、「競合と比べて少し良い」ではなく、「そもそも比較軸が違う」ことにあります。
旅行者の検索動機が「大阪の宿を探す」ではなく、「本物の日本を体感できる宿を探す」になるからです。
これがSEO・集客においても絶大な差別化になります。
4. 価格設定とマーケティング
大阪の民泊市場は、特区民泊制度の影響で9割超が大阪市内に集中する超激戦区です。
∙ 半径500m以内の競合数:30件以上
∙ 部屋数換算:100室以上
∙ 市場相場単価:約2万円/泊
∙ 市場平均稼働率:65〜75%
これらのリサーチの結果、私が設定した価格はこうなりました。
∙ 設定単価:5万円/泊(相場の約2.5倍)
∙ 目標稼働率:85%以上
市場相場に合わせた価格設計とは、始める前から価格競争に頭から突っ込むことと同じです。
資本力のある大手との消耗戦に自ら飛び込む必要はありません。
価格競争に巻き込まれないためのキーワードは「独自のブルーオーシャンを創ること」。
一度そのポジションを確立できれば、後から参入する競合は脅威にならず、持続可能なブランドを維持できます。
欧米層にとって、「2万円のただ泊まるだけの普通の宿」と「5万円の江戸時代体験」は、そもそも比較対象にならない別カテゴリーです。
価格競争ではなく、価値競争のフィールドに移行することが最重要です。
5. 最強のコンテンツマーケティング
空き家・古民家・倉庫を改装する際に絶対にやるべきことがあります。
それは、「解体の瞬間からカメラを回して発信すること」です。
欧米インバウンド層に最も響くマーケティング手法は、「リアルな物語を見せること」です。
廃墟のような倉庫が、歴史ある宿に再生されていく過程そのものが、圧倒的なコンテンツになります。
∙ 解体前の状態 → 発見されたオリジナルの梁や土壁 → 職人の手仕事 → 空間の完成
∙ ビフォーアフターの圧倒的なギャップが「物語性」を生む
∙ SNS・YouTube・ブログで発信することで、オープン前からファン(見込み客)を獲得
∙ プレオープン時点で宿泊希望者が殺到する状態を事前設計
実際に私はこの戦略によって、オープン前の段階で見込み客リストを作ることができました。
(プレオープン戦略の詳細は別記事で公開予定です)
6. 企画設計・構造構築の重要性
戦略・投資予算・収益シミュレーションをすべて組み立ててから、リフォームをスタートしました。
ここで、多くの人が犯す最大の失敗をお伝えします。
リフォーム会社に図面を引いてもらう前に、「誰に・何を・どのように提供するのか」というビジネス設計を必ず完成させてください。
「なんとなくオシャレな空間を作ったが、誰をターゲットにするかが曖昧で差別化できない」という悩みを持つオーナーさんが非常に多いです。
これは、設計の順番を間違えた結果です。
正しい設計の順番
1. ターゲットとコンセプトを確定する
2. 競合分析と価格戦略を設計する
3. 収益シミュレーションを作る
4. リフォームの設計・施工に入る
この順番を逆にした場合、一度完成した空間を再構築するのに、費用も時間も膨大にかかります。
「地図を持たずに大海原に航海へ出るのと同じ」という表現が、最もリアルに実態を表していると思います。
「ただ綺麗な、ただ広い、ただ便利な施設」は、資本力のある大手ホテルが圧倒的に強い領域です。
個人・中小が戦うフィールドは、明確なコンセプトと深いターゲット理解から生まれる「独自の価値体験」しかありません。
【次回予告】
コンセプトとターゲットが確定した後、実際にどのようなリフォームを行い、空間を作り上げたのか。
そして、どのようなサービス設計と価値提供の仕組みを構築したのかを詳しく書きます。
欧米の旅行者が「また来たい」「友人に勧めたい」と感じる体験設計の裏側を、余すことなく公開していきます。
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【著者プロフィール】
大阪市在住。元アパレル店長・EC運営・貿易商社勤務を経て、インバウンド特化の宿泊施設を運営。築80年超の倉庫を改装し、地域相場の2倍以上・稼働率85%以上・口コミ満点を半年で達成。「日本の歴史・文化・伝統を、世界中の旅行者が体験できる形」で資産化・収益化するミッションに挑戦中。
