浅草橋ラーメン境界地図
浅草橋で、二つのラーメンに対峙した。
ひとつは饗 くろ㐂。

https://maps.app.goo.gl/jxgrego24cTvyeKD6
かつて秋葉原のそばにあったが、いまは浅草橋にいる。
移ろい、遠ざかり、夢のように場所を変えた。
芸術的で繊細で、量は少なく、ほとんど幻のようなラーメン。
もうひとつは野郎ラーメン。

https://maps.app.goo.gl/RwVdKCGQTs2pw5e5A
秋葉原からは姿を消し、しかし浅草橋には残っている。
暴力的で、満腹を強いる。夢ではなく、ただ現実を押しつけてくる。
ざらついた足音のように胃に沈む。
ひとつは秋葉原から去り、浅草橋へ漂い着いた。
もうひとつは秋葉原を失い、浅草橋に踏みとどまった。
夢は動き、現実は残る。
その対比の中で、世界の裂け目がわずかに口を開ける。
僕は境界に座り、丼を前にしていた。
上品と下品、夢と現実、去るものと残るもの。
それらは互いに背を向けながら、同じ街に並んでいる。
そして僕はただ、すすった。
世界の終わりにすするのは、夢か、現実か。
あるいはその境界に置かれた、ひとつのラーメンか。
