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Spotlight: Sigridの世界

私たちの好きなアーティストにひとりひとりフォーカスを当てて紹介するシリーズ「Spotlight」第5弾は、今年11月に来日公演が決定している Sigrid(シグリッド)。

力強いポップソングとまっすぐなメッセージで世界を魅了する、ノルウェー出身のシンガーソングライターだ。
2017年のデビュー以来、“自分らしくあること”をテーマにした歌詞とエネルギッシュなパフォーマンスで注目を集め、「Don’t Kill My Vibe」や「Strangers」はヨーロッパを中心に大ヒット。透明感ある歌声とポジティブな姿勢は、今も多くの若い世代の共感を集め続けている。

この記事では、北欧から世界へ羽ばたいたSigridの魅力を紹介する。ぜひプレイリストを聴きながら読んでほしい。



基本情報

北欧ノルウェーの港町オーレスン出身のシンガー・ソングライター。2016年にシングル「Don’t Kill My Vibe」を発表すると、レコード会社から即座にオファーが舞い込み、同名のデビューEPを2017年に発表。アルバムデビュー前にもかかわらず、グラストンベリー、ラティチュードなどの大型音楽フェスティバルから出演オファーが殺到。2018年、BBC (英国放送協会)が選ぶ今年最も活躍が期待される注目の新人リストの2018年度版「BBC Sound Of」にて堂々の第1位に選出、さらに“ノルウェー版グラミー賞”として知られるスペッレマンでは「最優秀新人賞」を受賞。デビュー・アルバム『Sucker Punch』は本国ノルウェーで初登場1位を獲得し、全英初登場TOP5入りという輝かしいデビューを飾る。2022年に発表したセカンド・アルバム『How To Let Go』は再びノルウェーで初登場1位を獲得し、全英チャートでは自身最高位の2位を記録。実験的なプロダクションと思わず聴き入ってしまうノスタルジックかつ力強いヴォーカルで世界を魅了するノルウェー発のポップ・センセーション。

出典:https://www.universal-music.co.jp/sigrid/

音楽スタイルと魅力

Sigridの音楽は、キャッチーで開放感のあるポップサウンドが特徴。
シンプルながらもエモーショナルな歌詞と圧倒的な歌唱力が合わさり、聴く人をポジティブな気持ちへと導いてくれる。
特にライブでの自然体な佇まいと観客を巻き込むパワフルなステージングは、彼女の最大の魅力だ。

出典:https://www.instagram.com/p/Ck6yYSfjGgU/?utm_source=ig_web_copy_link


人間性

ノルウェーの小さな町出身のSigridは、世界中を飛び回りながら活動を行っている。どちらの環境でも違和感なく馴染むことができる点が、彼女の面白さだ。Sigrid自身は、過去の辛い経験がポジティブな生き方につながっていると語る。

家から離れた場所で生きるのは悲しく、辛く、寂しいこともあるけど、それで得られたものは何にも変えられないくらい良いものなんだ。

出典: https://www.theguardian.com/music/2022/may/03/sigrid-music-interview-how-to-let-go-it-gets-dark

歌詞の特徴

Sigridの歌詞は「自分らしくあること」「他人に左右されない強さ」といったテーマを軸にしている。

「Don’t Kill My Vibe」では、自分の心を軽んじる相手に毅然と立ち向かう姿を描き、「Strangers」では恋愛における理想と現実のギャップをリアルに表現する。
現代を生きる若者の葛藤や不安に寄り添いながらも、共に前へ進もうとする前向きなメッセージが特徴だ。どの曲も普遍的なテーマを持ちながら、等身大の言葉で綴られているため、世界中のリスナーから共感を集めている。


デビューアルバム『Sucker Punch』は、プロモーションやライブなどの移動の合間に制作されたという。

1日で曲を書いて、その日に録音したボーカルがそのまま音源として収録された。時間が足りなかったんだ。

出典:  https://www.musicweek.com/interviews/read/sigrid-the-music-week-interview/085390

2作目のアルバム『How To Let Go』は自分の持つ迷いや恐れを手放すことをテーマにしている。怖がりだと自認するSigridは、その性格が、自分に向上心を持たせる上でとても大切だと考えているという。大切だからこそ、失うのが怖いというが、その恐れがあるからこそ着実に今のキャリアを築けているように思える。

出典:https://www.theguardian.com/music/2022/may/03/sigrid-music-interview-how-to-let-go-it-gets-dark

その収録曲「It Gets Dark」は、“人生の明るい瞬間を感じるには、辛い経験を乗り越えなければならない” というメッセージを含んでいる。
Sigridは楽曲制作について、次のように語っている。

楽曲制作をするとき、自分用にリマインダーを書いているんだ。でも彼らには「一部のものを手放すのが難しいのもわかる。でも常に正しいことを言おうと頑張らなくてもいいし、常に正しい選択をしなくてもいいんだよ」って言われる。私は常に、間違った選択をするのが怖いと思っているから、それについての曲を沢山書いた。21歳で初めてのアルバム制作をするのと、25歳で2作目のアルバムを制作するのは全然違うと感じる。

出典: https://www.musicweek.com/interviews/read/sigrid-the-music-week-interview/085390

3rd アルバム『There’s Alwasys More That I Could Say』の先行シングル、「Jellyfish」の制作はデビューして9年、着実にキャリアを重ねたSigridの自信が垣間見える。

遊びを持たせるためにボーカルはあえて完璧じゃなく作った。綺麗に聞こえるようにじゃなく、デモのように、自由に歌ったんだ。今までだったらあり得なかった。「Jellyfish」は私ならできると過去に証明してきたからできた曲なんだ。みんな私が歌えるって知ってるから。今まで人に沢山見せてきたし、私自身も歌える自信があるからこそボーカルで遊べるんだ。

出典: https://www.clashmusic.com/features/have-fun-be-kind-sigrid-interviewed/

音楽性

Island Records UKのプレジデント、Louis BloomはSigridについてこう語っている。

彼女にはスカンジナビアのソングライティングの巧みさがあるけれど、同時にUKカルチャーともつながっているんだ。彼女は圧倒的な歌声を持っていて、多くのアーティストが到達できない領域に行ける。彼女が本来持つ良さを大切にしつつ、大胆で存在感のある作品、そして素晴らしくクリエイティブな音楽を作っていかなければならないんだ。

出典: https://www.musicweek.com/interviews/read/sigrid-the-music-week-interview/085390

音楽的なルーツとしては、Fleetwood Mac、ABBA、Elton Johnが大好き。Neil Youngは子供の頃から家でずっと聴いていたし、Coldplayはずっと一番好きなバンドだと語る。

また、影響を受けたアーティストとして Coldplay や Adele に加え、日本のジャズ・ポップバンド Fox Capture Plan の名も挙げている。

出典:https://www.euphoriazine.com/blog/2022/03/interviews-sigrid/
https://www.interfm.co.jp/news/single/sonic09122025


制作スタイルとプロデュース

「Jellyfish」は、Sigridが初めてプロデューサーとして正式にクレジットされた楽曲である。しかし本人は、キャリアの初期からずっと共同プロデュースを行なってきたので、今回は名前が載っただけの違いで、特別な変化はないと明かしている。

出典:https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/news/sigrid-latitude-jellyfish-b2784597.html

誰と作るかにもよるんだけど、だいたい頭の中に1曲がずっと流れていて、“この曲のシンセサイザーの音が好き、ここの部分もいいな” というところから始まるの。そこからアイデアが生まれて、この楽曲の “感覚だけ残したい” と思うようになるの。あるいはピアノを弾いていて、良いなと思う和音が見つかる瞬間から始まることもある。和音とかメロディーの冒頭部分が特に好きなんだよね。

出典: https://www.euphoriazine.com/blog/2022/03/interviews-sigrid/

また、楽曲制作の際は意識的にオーガニックな楽器演奏を取り入れるようにしているという。子どもの頃からそうした音楽が大好きで、一番好きなバンドと語るColdplayも例外ではない。曲を書く際には自分のバンドのことを思い浮かべながら、ライブで演奏したときにバンドの魅力がしっかりと表れるように工夫しているという。

出典: https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-61271404


代表曲・おすすめ曲


現在聴いていただいている曲を含めたプレイリストの中から一部おすすめを紹介する。

  • 「Don’t Feel Like Crying」- 感情との向き合い方は人それぞれだと肯定してくれるポップソング

  • 「Burning Bridges」- 人間関係時には手放すことも大切だと吹っ切れさせてくれる力強い一曲

  • 「Home To You」- 映画『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり (原題: The Aeronauts)』のために書かれた、大切なひとに贈るバラード

  • 「Mirror」- 自己愛がテーマのエンパワーメントソング

  • 「Everybody Knows」- 映画『ジャスティスリーグ』のサウンドトラック収録のLeonard Cohenの楽曲のカバー。原曲と比べよりドラマチックで切ないアレンジが特徴。


他アーティストとの関わり


Sigridはジャンルを超えたコラボレーションも積極的に行っている。

  • Bring Me The Horizon「Bad Life」

何年も前からファンだったというSigrid。Reading FestivalでキーボードのJordan Fishに会った際、「デモがあるんだけど、一緒にスタジオに入ってやってみたいんだ」と言われ、実現したコラボ。レコーディングでは、Sigridも新しい歌詞を少し書き加えて、自分なりのエッセンスを取り入れた。コラボ以降も親交が続いている。
出典:https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-61271404

  • Griff「Head On Fire」

GriffとSigridは2021年のロンドン・ファッション・ウィークで出会い、その後すぐにスタジオに入ったという。実際にトラックを完成させたのは「マネージャーたちに “ちゃんと仕事をしたのか” と聞かれるのが分かっていたから」という理由だったそうだが、2人の声と空気感が上手く交わるパワフルな楽曲に仕上がっている。


コラボする相手によって自分の中の違う一面が引き出されると語るSigridだが、楽曲制作では Caroline Ailin や Emily Warren ら世界的ソングライター陣ともタッグを組んでいる。
Dua LipaやShawn Mendesと仕事をしてきたEmilyとの制作は、彼女の人生観に新しい視点を与え、これまでとは違う角度からポップミュージックを作るきっかけになったという。
出典:https://www.musicweek.com/interviews/read/sigrid-the-music-week-interview/085390


来日歴

2020年、Greenroom Festivalの出演と渋谷LIQUIDROOMでの単独公演が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響でキャンセルに。
コロナ禍を挟んだGreenroom Festival 2023で初来日。5月25日にduo MUSIC EXCHANGEで行われた単独公演が実質的な初来日単独公演となった。

Sigridのアーティストとしての活動の中で大きな役割を担うライブ活動について、彼女はこう語る。

ツアー中はすごく幸せなんだ。ツアーの中でこそ自分が生き生きする。ツアーバスで過ごすのも大好きで、バンドやスタッフの仲間たちと一緒に、終わらないサマーキャンプをしているみたいな気分になる。
それにステージに立っているときの感覚は本当に最高。たくさんの人の前に立っているのに、不思議と一番自分らしくて、自信に満ちている気がする。

出典: https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-61271404

新アルバム収録の、よりアップテンポな楽曲をライブで体験するのが待ちきれない。


トリビア

  • 新アルバム『There's Always More That I Could Say』は2024年頭に日本にあるスタジオで制作された。

  • 3人兄妹の末っ子として、実家に戻ると彼女は “静かな方” になる。
    超社交的な兄姉たちは彼女にとって最高の友達でもあるそう。

  • 小さい頃から音楽に触れていたものの、高校のとき一番好きだった教科は人権と政治で、当時は将来は先生か弁護士になると思っていた。実際の夢は文化に関する法律を作るような形でノルウェーの文化省で働くことだった。

出典: https://mancunion.com/2023/09/18/sigrid-ive-always-been-a-pop-girl/


Sigrid はどんな人におすすめ?

  • 力強い歌声とポップなメロディーにノりたい人

  • ポジティブな歌詞の楽曲に勇気づけられたい人

  • Zara Larsson、CHVRCHES、girl in redなど家でヘアブラシ片手に熱唱したい曲が好きな人


今後もどう進化するか目が離せないSigrid。11月の来日公演では、彼女の魅力をライブで体感できる絶好の機会となるだろう。

翻訳・編集:Sounds Webb

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