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【作品・演出のために音楽をつくること】2025年4月29日(火・祝)国立音楽大学 横山克さんによる公開講座 レポート

どうもSoundManです!
1月~3月から激務of激務で精神がタヒっていたので、サントラまとめをサボってしまい申し訳ありませんしたッ!!

さて、そんな激務とかぬかしてる人がなんで久々記事を書こうと思ったか?
についてですが、大ファンである横山克さんの公開講座に行ったからです!

日頃からサウンドトラック、劇伴を聞く人もそうでない人もクリエイティブな仕事に興味がある人であれば大変参考になる貴重なお話でしたので
自分用の備忘録という意味も含めて書き記しておこうと思います。
※ちなみに自分のこの記事は備忘録と前述しているとおり、読みやすさを
度外視しております(爆)
読み物としての要点を抑えた内容をご希望の方はたくちーさん(https://x.com/tk_chee/status/1917171690519634264)の投稿が素晴らしいのでそちらをご確認ください!!

https://x.com/tk_chee/status/1917171690519634264

横山克さんとは?

1982年11月3日生まれ。長野県出身。
ピアノ自体は3歳の頃から触れており、小学生の頃からDTM存在を把握し
中学時代にはシンセサイザーを使って作曲を始めていた
本格的な作曲活動を開始したのは、長野工業高等専門学校を卒業後
国立音楽大学作曲学科へ在学したタイミングから
以下スクリーンショットは横山さんについてのわかりやすい紹介文

https://music.apple.com/jp/artist/%E6%A8%AA%E5%B1%B1%E5%85%8B/263455147

今回の講義で判明した影響を受けた映像作品・ゲーム・アーティスト等の
一部
<映画>
ミクロの決死圏(最推し)
ゴッドファーザー
ニュー・シネマ・パラダイス
グラン・ブルー(1988)
耳をすませば
岩井俊二作品全般。中でも
打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)
リリイ・シュシュのすべて(2001)
Avatar(2009)
ゼロ・グラビティ(2013)
<アニメーション>
魔法少女まどか☆マギカ(2011)
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011)
四月は君の嘘(2014)
チ。-地球の運動について-(2024)
<ゲーム>
ドラゴンクエストシリーズ*Ⅰ~Ⅵ(*Ⅲ~Ⅵだったかも?)
ファイナルファンタジーⅠ~X
クロノ・トリガー(ケルトミュージック文脈での影響)
<アーティスト>
小室哲哉
Eric Serra(エリック・セラ)
Hans Zimmer(ハンス・ジマー)
アイドルミュージック等

ミクロの決死圏は結構熱く語られていたので、ちょっと気になってます笑
ニコニコ動画に予告編だけ上がっていたので、参考までに


音楽サブスクで聴ける横山克さんの名曲

以下からの紹介楽曲は、横山さんを有名(?)にしたであろう作品の中から
音楽サブスクで聴ける楽曲を筆者が幾つかピックアップしたものです。
もし横山さんを知らないのであれば一度聴いて頂けると幸いです!
(既にある程度知っているのであれば、このパートは飛ばしてください)

Mobile Suit Gundam: Iron-Blooded Orphans
(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Original Soundtracksより)

Sandy Desert
(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Original Soundtracksより)

THE IRON FIST
(マッシュル-MASHLE- Soundtrack Vol.1より)

Serious Steel
(マッシュル-MASHLE- Soundtrack Vol.1より)

アゲイン
(四月は君の嘘 ORIGINAL SONG & SOUNDTRACK)

ウソとホント
(四月は君の嘘 ORIGINAL SONG & SOUNDTRACK)

for.N
(TBS系 金曜ドラマ「Nのために」オリジナル・サウンドトラック)

Saiai
(TBS系 金曜ドラマ「最愛」オリジナル・サウンドトラック)

point of no return
(TBS系 金曜ドラマ「夜行観覧車」オリジナル・サウンドトラック)

ReBirth
TBS系 金曜ドラマ「リバース」オリジナル・サウンドトラック

ナポレオンの村
(TBS系 日曜劇場「ナポレオンの村」オリジナル・サウンドトラック)

Family History 2017 - Theme Remix~ファミリーヒストリー2017~
(横山克 NHK WORKS2)

一通りお聞きになられた方は感じられた方と思いますが、
ピアノ×ストリングス×ギター×オーケストラを始めとした音の響きが気持ちの良い楽曲が特徴の作曲家さんになります。
得意領域は上記と思われますが、ヒップホップも書けたり
ノイズミュージックを得意としていたりと楽曲の幅の広さも魅力
の1つです。ぜひ他の楽曲も聴いてみてください!
まえがき終わり―

講座の構成

  • イントロダクション:10分

  • ケーススタディ(作品毎にどんなアプローチで作曲したか):70分

  • 質疑応答(事前に来た質問への回答):10分

上記の構成で90分、講座は進んでいきました。

~イントロダクション~
作品・演出のために音楽をつくること
―映画、ドラマ、アニメ見てますか?
作品に対して、あなたはオタクですか?

表題の内容がイントロダクションとして横山さんの口から語られます。
以下が公開講座のリーフレットに記載されている内容

情報が多く、技術が発展した現代において、私の表現したい事は
音楽単体では全く到達する事はできません。

そんな中、監督・脚本家をはじめとするクリエイターのみながらず、
会社、資本、政治…沢山の大人たち、しかも結構なクセ強ヲタク達が
頭をフル回転させてみんなで作り上げるもの、それが映画、ドラマ、
アニメなどの映像作品であり、現代におけるひとつの総合芸術です。

太文字で書かれている事はまさにその通りだなと痛感させられました

~ケーススタディ1~ 鉄血のオルフェンズ1期

ガンダムという作品は過去の偉人たちが何人も音楽を作り上げてきているので良いメロディだけでは当然足りない
鉄血のオルフェンズの世界はビーム兵器が出てこない(衰退して失くなった)
土着的な世界観であるため、荘厳なオーケストラではなくストンプが合うと着想し、デッキブラシ等の登場人物たちの生活感が感じられる音選びをしていく中で音楽を作り上げていったとの事

~メインテーマのDAWの画面を画面投影しながら、聞く
加えてデッキブラシパートのステムを紹介~

~ケーススタディ2~天使とジャンプ

天使とジャンプというドラマの内容の中で、風呂屋でライブをするという
展開があった。
その中でデッキブラシを使うというアイデアをひらめき、楽曲制作に活かす
この楽曲は制作する中でよりリアルな音作りを実現させるため、NHKの
フォーリースタジオでデッキブラシの音を収録した。

以下、講義内で紹介された曲

結果として、この時の経験が鉄血のオルフェンズ1期の音楽制作に
活きたとの事

~ケーススタディ3~ 鉄血のオルフェンズ2期

※以下本編ネタバレ注意


2期では1期以上に登場人物がたくさん死ぬ事が決まっていた。
展開的により辛い、厳しい環境に主人公たちが置かれる事がわかっている
中でバルカンブラスを採用する事をひらめく

バルカンブラスのルーツである、バルカン半島は大帝国による支配や独立
運動が繰り返された複雑な地域という事もあって相性が良いと考えた

~2期メインテーマのDAWの画面を画面投影しながら、聞く。
バルカンブラスパートのステムを紹介~

2期の楽曲を完成させるにあたり、Slavic Soul Party!やSnarky Puppyという
バルカンブラスのバンドメンバーに入ってもらいながら完成させていった
ちなみにメンバーはバルカン半島当該地域では見つからず、ニューヨークで
出会う事となる
ニューヨークは文化の交流地であり、実は色々なバックボーンを持つ
方々との出会いの場となる事も多い

~ケーススタディ4~
「22年目の告白 -私が殺人犯です-」

ノイズミュージックを商業映画でやるとどうなるか?
という考えの元に制作が行われた
横山さんが、高専卒という事もありエクスペリメンタル・ブレイクコアな
ジャンルが実は好き

そもそも誰もがやっている事と同じことをやっても面白くない

~メインテーマのDAWの画面を画面投影しながら、聞く~
*
予定では実際に使われている画面を見てもらいながらやる予定だったが
上手くいかず

ちなみにノイズミュージックによるアプローチは、映画:AI崩壊やウマ娘:新時代の扉でも使っているので興味があれば注目して観てみてください!との事

~ケーススタディ5~ 「ぼくらのよあけ」

子どもの心情のゆれを周波数の重なりによるSine Waveのうねり
という“音楽実験”がテーマ
(ここら辺、もっと専門的な話があったのですがメモしきれておらず….)

ケーススタディ6~ 「最愛」

“愛が洪水のように溢れ出ていく様な表現を”がテーマ
メインテーマのピアノが少しづつ激しい感じになっていくところは
愛が溢れ出ていくというのを表現しているとの事

FULL版

因みに、イントロのボーカル部分は最初に塚原監督へ楽曲をもっていった
際には存在せず
、初期版を聞いた塚原監督からこういう感じがあると良いんだよね~と紹介されたのが↓の曲だった。

(えっ…?このヒップホップを….?組み込む….?)
とご本人も当初悩んだそうですが、ここはこれまでの経験の中で
五阿弥ルナさん(@Luna_Goami)に造語で歌ってもらう事に
サスペンス感をキックドラムで表現する事で、そのままのヒップホップでは
なくヒップホップの延長という形でイントロに差し込んだ

結果としてこの取り組みが大成功し
最愛の放送当時、このボーカルは誰!?なんて歌ってるの!?等
話題を呼ぶことになった


このエピソードから横山さんが受講者へ伝えたい大切な事としては
相手からのオーダーをどう受け取り、作り上げていくか?
(そのまま受け取って、そのまま作るのではなく自分の中での理解も付け足してオリジナルティも出す)が劇伴音楽作りにおいてとても大切であるという事

経験・体験から学んだ事

パリのマドレーヌ寺院におけるストリングスカルテットの体験が
自身の音楽観にすごく大きな影響を与えた。
どんなミュージシャンで演奏するのかも、作曲家の重要な仕事

“視覚と聴覚の不一致(気候・湿度・匂い)”
“色々な情報がリンクしないと心を動かせない”

国ごとの音楽性の違いを理解し、欲しい音が獲れる地で
レコーディングする

例.
韓国→やはりKPOP系に強い
パリ→ロマン系
イギリス(アビーロード)→オケがとってもスターウォーズの音!!
スウェーデン→理由は言語化出来ないが横山さん的にとても良いとの事
アメリカ→意外とKPOPと相性が良い
日本→正確な演奏。最もソルフェージュ能力が高い。

余談ではあるが、JPOPや日本の劇伴制作環境はやはりガラパゴスである
と感じざるを得ない。但しそれが魅力でもあると

一方、それがグローバル・ボーダレス時代に合っているかは不明

プロデュースという視点

音楽家は音楽プロデューサーとも呼ばれるが
色々な進め方がある。以下参考として上げられていた考え

味方を作りながら仕事をするか?/自分のみで仕事をするか?
アーティストか?/職人か?

映像音楽作曲家は上に上げた中間を目指せる要素がある仕事!

ただ、どんな仕事も人と人の掛け合わせである事
そして、不得意だと思われる人に仕事を頼んだ時に発揮される
パフォーマンスの高さ
は見落としがちだがとても重要な視点

時代の変化

アイドル楽曲制作から得た経験はとても大きい
具体例として、アイドルのライブに行った際に
自分はめちゃくちゃアップでノッてくれるだろうと思って作った部分で、実際のライブではお客さんみんな中ノリになっていたり等
はとても勉強になったとの事

また、自分の音楽に対するお客さんの生の反応を得られるのがアイドル楽曲を作る楽しさとの事

そして、近年のアイドル楽曲を聴く中で衝撃を受けたのは
楽曲&アイドルの進化

正直、サントラコンポーザー負けてない?
と思わされるぐらいに凄いと感じているとの事

学ぶ事(レクチャー)の意義

基礎を学んだ先に出来る事がある。音楽理論はしっかり学ぼう
和声の知識は必須。
メロディだけでなく、グルーヴ感の両立も大切

色々な形で仕事を貰って世に音楽を出せる機会はあるが
“中途半端な実力で仕事を受ける事はおすすめしない”
理由:アニメ・ドラマ・映画の監督&プロデューサーは意外と他の作品見てる&聴いている
実際、あの作品の音楽(劇伴)どうだった?みたいな話題が出る事もあり
良い・悪いの印象が覚えられてしまう
悪いの印象がついてしまった場合、仕事として続かなくなってしまうため
“中途半端な実力で仕事を受ける事はおすすめしない”に繋がる

それと、監督の伝えたい意図を汲み取るためにも
映像音楽作家であれば“フィルムスコアリング”は重要になってくる

最後に&質疑応答コーナー

映像音楽家は
“自らを開発し、更新し続ける”
そのためにとにかく沢山の作品を見てほしい
以下、講義後の横山さんの投稿

https://x.com/masaruyokoyama/status/1917470103446380566

Q1
塚原あゆ子監督(最愛/ラストマイル/海に眠るダイヤモンド等)や
長井龍雪監督(あの花/空の青さを知る人よ/ふれる。)とのエピソード&印象

A1
解像度&言語化の鬼
二人ともとにかくシーン毎にしっかり理由を説明出来る方である

上記の監督ではないが、小泉徳宏監督(実写版ちはや/線は、僕を描く等)も
そうでシーン毎にすごく詳細な意味を持たせているとの事
小泉監督に紐づくエピソードとして、40曲(ほぼ全曲)ボツを受けた事が
ある。
その際にはさすがにヘコんだがそれぞれ理由を説明してもらい自分の理解が不足している事に気づく事が出来、とても良い経験になったとの事

Q2
ケルトミュージックはどんな所からインスピレーションを受けてる?

A2
クロノ・トリガーから受けた影響は大きい

ケルトミュージックを活かした、横山さんの作品としては
Fate/Apocrypha(2017)がある

Q3
劇伴作家は短期間で莫大な曲数を仕上げる事が必要になってくるが
その課題に対して横山さんはどうしているか?

A3
近年は企画の段階で関わる事が出来る事を大切にしているので
最低でも楽曲納品まで1年程度の時間がある事をとても重視

Q4
特典サントラや未配信のサントラを一般流通のCD化や
サブスク配信化してもらうにはどうすれば良いか

A4
作曲家本人&作曲家事務所じゃなくて、*出版社やメーカーにお問い合わせから希望を上げて頂くと、音楽家側に確認の連絡が来て可能性が高まるよ!
*出版社やメーカーってどこ?
例:
音楽出版社リスト

日本のアニメメーカー

お問い合わせを上げる際は、
丁寧に節度を以て、但し渇望している旨を記載して送りましょうね
(自戒)

Q5
劇伴作曲家になるにあたって大切な能力

A5
図太さ
書いた楽曲がたくさんボツになる事はザラなのでいちいち
ヘコんでられない

Q6
劇伴作曲家になるにあたって経験しておいた方が良い事

A6
全て!
コミュニケーションが大切な世界なのでアルバイトとかも全然良いと思う
もちろん音楽理論の勉強や和声を学ぶ事は前提
作曲家を目指すならフーガとか学生時代に書けるようになっておくと
良いかも
ただ、最終的には周り道こそ全て
男子新体操から劇伴作曲家になった人もいる世界
(ガチでこの説明ありましたw)

以上、国立音楽大学 横山克さんによる公開講座 レポートでした!

今回の講義に参加した事でより一層、“劇伴”の面白さは広がったな~と
筆者は感じております
参加された方より感想もお待ちしているようなので、無料でこんなに
素晴らしい講義を実施してくださった事への感謝や感想をお届けして
頂けたらと….!!
改めて、横山克さん素晴らしい公開講義をありがとうございました!!

あとがき

自分の音楽に対するお客さんの生の反応を得られるのがアイドル楽曲を作る楽しさとの事

というアイドルに関する説明パートでのお言葉があった様に
ライブでオーディエンスの観る事が好きとの事なので
京アニフェス(TV版ツルネ)やノイタミナコンサート(四月は君の嘘)
みたいな横山さん楽曲を生で聞ける機会を心から願っております….!!
理想としては、横山克さん楽曲単独のコンサート
或いは京伴祭みたいなサントラフェスへの参加に期待!
(オーディエンスの反応というと、京伴祭はきっと面白いと思うので)



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