恥をエキスにして紙に垂らした話
時が経つだけでは、過去は必ずしも過去にならない。
時の経過についての感覚が、どうやら私は平均的な人とかなりズレているらしい。
良くも悪くも、私の感覚はとてもスローだ。
世間一般で「年月」と呼ばれるぐらい長い時間が経っても、私にとってはせいぜい「日々」と言える程度に思えることが多い。
つまり、単位や桁が一致しないほど感覚が遅れているのだ。
私も世界共通のカレンダーに従って生活を送っている。
なので、客観的事実としてどれだけの時間が過ぎたのか、頭では理解している。
しかしいつまで経っても、カレンダー上の過去が心の中の過去にならないのである。
思うに私は、日々起きては過ぎてゆく何かを受け入れるということが、出来事の大小によらず得意ではないのだ。
昔のことをいつまでも昨日のことのように思い出して反芻し、一向に消化が進まない。
記憶と願望の境界は曖昧になっていき、感情は発酵と腐敗の紙一重をさまよう。
噛みすぎて味の分からなくなったガムのように、心の浅い所にそれはある。
私が人生を後ろ歩きしている間にも、困ったことに世界は毎日前へ進んでいる。
そのスピードはなんと1日で24時間、1年で365日になるというのだから驚きである。
ついていけないので人生の座り込みを真剣に検討し始めた折、noteで怪しい輝きを放つ集団を発見した。
恥ずかしい記憶を踏み台にして前進する勢いと、意志を形にする情熱を持った物書きが集まっている。
乗るしかない、このビッグウェーブに。
今こそ過去を過去に置き去りにするときなのだ。
私の恥ずかしい話などちっぽけでむしろそのこと自体が恥ずかしいのであるが、恥ずかしがると恥ずかしいので、恥を忍んで門を叩いた。
実にナイスな大人たちに交じって、私もその一員であるような顔つきを装っている。
そしてこの度、めでたくチ部が一冊の本を世に放つことになった。
全編書き下ろし、ハンカチなしでは読めないと噂の仕上がりである。
青春の黒光りを目撃せよ!
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【日程】
2026.5.4(日・祝)12:00〜17:00
【会場】
東京ビッグサイト・文学フリマ東京42
D-06 ブース


