喫煙者だけの哀愁と優越
喫煙スペース。オフィスビルや駅前の片隅に追いやられた小さな飛び地。
そこは「王国」のようでもあるし、敗残兵の「野営地」にも見える。そのみじめさを互いに知ってか知らずかいつもより寡黙に、、、
火をつけるまでの数秒間はみんな神妙な顔をする。まるで儀式だ。一服目の煙を吐いた瞬間、世の中を見下ろしたような顔になる。あれは不思議だ。
さっきまで会議室で大きなことを言っていた人も、フレッシュすぎる新入社員も、土下座しにきた出入り業者も、ただ一本をちゅぱちゅぱしてる。なんや、ほぼ赤ちゃんやんか。
たかが煙を吸っただけなのに、なにか大事な段取りを終えた人の表情になっているほぼ赤ちゃんなのにね。
喫煙者だけの哀愁と優越が、煙とともにただよって消える 🚬
