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全てが美しくまとまった、色褪せない物語。初代ゼノブレイド 150時間プレイレビュー

「ゼノブレイドシリーズに興味はある。でも、どの作品から始めればいいのか分からない」

そんな人に私が勧めたいのが、『ゼノブレイド Definitive Edition』です。

私は『ゼノブレイド2』のストーリーがシリーズで一番好きですし、探索だけで選ぶなら『ゼノブレイドクロス』を推します。それでも、シリーズで最初に遊ぶ一本を選ぶなら、答えは初代です。

単に「初代だから」ではなく、物語や戦闘、探索などすべてが高い水準で美しくまとまっているからです。

今回は、2010年に発売されたWii版をリマスターしたNintendo Switch版『Xenoblade Definitive Edition』を、重大なネタバレを避けながらレビューします。


【ゼノブレイドシリーズ プレイ歴】
 Xenoblade definitive edition:150時間以上 つながる未来クリア済
 Xenoblade2:300時間以上 黄金の国イーラクリア済
 Xenoblade3:150時間以上 新たなる未来クリア済
 XenobladeX Definitive Edition:120時間以上 追加ストーリー含めクリア済


復讐から始まる物語

初代『ゼノブレイド』で最も評価したいのが、ストーリーの完成度です。

物語の序盤で提示されるのは、主人公シュルクの「復讐」という明確な目的です。何のために戦い、どこへ向かうのかが分かりやすいため、プレイヤーは序盤から物語に入り込めます。

序盤から衝撃的な展開を迎え、壮大な旅の始まりへと向かう。

冒険が進むにつれて物語の規模は大きくなり、中盤から終盤にかけて何度も状況がひっくり返り、それまで何気なく見ていた場面や台詞にも意味が生まれていきます。

本作の優れているところは、驚きの展開を用意するだけでなく、張られていた伏線を結末までに綺麗に回収してくれることです。

考察記事を読まなくても物語の根幹を理解しやすく、エンディングを迎えたときには「一つの物語を最後まで見届けた」という満足感があります。

この美しいまとまりこそ、初代『ゼノブレイド』最大の魅力です。


他作品よりシンプルな戦闘システム

戦闘は、後続作品と比べるとシンプルです。

オートアタックを基本に、キャラクターごとの技である「アーツ」を選択して戦います。敵を「崩し」から「転倒」、さらに「気絶」へつなげるコンボや、仲間と連続攻撃を行うチェインアタックなど、後のシリーズにも受け継がれる基本要素が詰まっています。

戦闘は忙しいですが、他作品に比べるとシンプルで分かりやすいです。

一方で、レベル差補正が非常に強い点は気になりました。

敵よりレベルが低いと攻撃が当たりにくくなり、反対にレベルを上げれば、細かな戦略を考えなくても勝てる場面が増えます。強敵に対して試行錯誤するより、レベルを上げることが最も確実な解決策になりやすいバランスです。

それでも、シリーズの入口として考えれば、このシンプルさは大きな長所です。仕組みの理解に時間を奪われず、物語と冒険に集中できます。


神の身体を歩く、壮大な世界観

本作の舞台は、かつて戦った「巨神」と「機神」の身体です。

自分たちが神の身体のどこに立っているのかを想像しながら進むだけでも、ほかのロールプレイングゲームにはないスケールを感じられます。草原や雪山など、訪れる土地ごとに景色と雰囲気が大きく変わるため、広大でありながら単調さはありません。

昼と夜で違った景色を見せるエリアも。

道中では、明らかに今のレベルでは勝てない巨大なモンスターと遭遇することもあります。強敵を避けて進む緊張感や、成長した後に同じ場所へ戻って挑む楽しさも、本作の探索を印象深いものにしています。

序盤のエリアにも超高レベルなモンスターが存在。インパクトを与えつつ、いつか倒したいという動機付けにもなります。

マップは広いものの、「移動させられている」という感覚は比較的少なく、寄り道したくなる絶景や秘境が自然に配置されています。

巨神と機神の身体を冒険するという設定が、物語上の背景だけで終わらず、実際のゲーム体験にまで落とし込まれている点が見事です。


記憶と結び付く音楽

『ゼノブレイド』を語るとき、BGMの存在は欠かせません。

フィールドを歩いているとき、強敵と戦っているとき、物語が大きく動くとき、それぞれの場面にその瞬間を象徴するような楽曲が用意されています。

代表的な「ガウル平原」は、広大な世界へ飛び出した開放感を強くしてくれます。「敵との対峙」は、物語の転換点における緊迫感や感情の高まりを何倍にも増幅させます。「名を関する者たち」は強敵との緊迫した激戦を盛り上げます。

ゲームを遊んだことはなくても、楽曲だけは聴いたことがあるという人も少なくないのではないでしょうか。

プレイ中に何度も耳にすることで、音楽と物語の記憶が結び付きます。クリア後にBGMを聴くだけで、冒険中の景色や感情が自然と思い浮かぶ作品です。

DEで完成した遊びやすさ

後続作品と比べてゲーム内の要素が少ないこともあり、画面上の情報がすっきりまとまっています。

『Xenoblade Definitive Edition』では、グラフィックだけでなくUIも改善され、目的地までの案内も分かりやすくなりました。広いフィールドでも進む方向を見失いにくくなりました。

正解の道が分かっていると、かえって安心して寄り道できます。

また、Switch2 editionでは高速で移動できる「エーテルジェット」が追加され、移動がよりスムーズになりました。

探索やクエスト消化がよりスムーズに。

原作が2010年の作品であることを意識する場面は多少ありますが、現在でも遊びにくさを強く感じることはありません。


一番好きと、一番勧めたいは違う

初代『ゼノブレイド』は、すべての要素でシリーズ最高という作品ではありません。

戦闘の奥深さでは『ゼノブレイド2』や『ゼノブレイド3』が上回ると感じています。探索の自由度とマップの圧倒的なスケールでは、『ゼノブレイドクロス』に軍配が上がります。

それでも、物語や戦闘、探索などどこにも致命的な弱点がなく、最後まで安定して楽しめるのが初代です。

正直、シリーズで一番好きな作品を聞かれれば、私は『ゼノブレイド2』と答えます。

『ゼノブレイド2』が「人を選ぶが、刺さる人にはとことん刺さる作品」なら、初代は「誰にでも勧めやすく、期待を裏切りにくい作品」です。

加点方式なら別の作品を選びたくなりますが、減点方式なら初代が最も高得点になる。

これが、シリーズを遊んだうえでの私の結論です。

古い作品から順番に遊んでほしいからではありません。全作品を比較した今でも、最も分かりやすく、最も遊びやすく、そして一つの物語として最も美しくまとまっています。

ゼノブレイドシリーズへの最初の一歩として、これほどふさわしい作品はないでしょう。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

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