セーラー服と雨傘3
小学生まではお山の大将だった。
もともと器用でお絵描きが得意。字もきれい。計算競争も1番。縄跳びをすれば二重跳び大会で最後まで残る。
そして何より体の発育が早い方だった。男子よりもちろん背も高い方。
正義感が強く、常に弱気を助け強気を挫く。誰にでも優しいしっかりした子。おそらくそんな立ち位置でやってきていたのだ。授業中もよく手をあげた。礼儀正しいので先生ウケもすこぶる良かった。今振り返ればね。
その頃、前に座っていた高田さんという女の子が振り返り私の顔をまじまじと覗き込んで、言ったことを、私は今も忘れない。
「ねぇ、カオちゃんの弱点てなーに?」
私の名は香と書いてカオルだ。
高田さん、今思えばショートカットの小顔で猫のような釣り上がった大きな瞳。私なんかよりよっぽど可愛い顔してたぞ。
でもその言葉は肌で感じたのだと思う。一瞬意味がわからなかったけれど、感じたんだ。子供ながらに。
この子は私のことを上に見てる、って。
その時私が何と答えたかは思い出せない。けれど自分が一目置かれる存在だったということはずっと後の、中学生になってどんどんウチに籠るようになってから知らされたんだ。散々に。
そう、私はあの頃"守護霊“なる物がチェンジしたのかと思っている。
あの子がカオちゃん、思っていたのと違う。
もっとリーダー格かと思った。
なんだか目立たないよね?
そう、私は変わったのだ。
中学生になってすぐ、集団行動が嫌いになった。バスケ部に入って早々、下級生はバスに乗って先輩を見掛けると、全員揃って大声で挨拶をし、頭を下げ、他の迷惑も省みずスペースを確保しなければならない。嫌だった。すぐにしょうもない理由を付けて、逃げた。
当時流行っていたボーイズグループのファッションやダンスを、朝から教室の後ろでたむろして話題にし、楽しそうに踊るグループ。今で言うところの一軍女子達。もちろん私はそこにいない。あんなこと恥ずかしい、って思ったわけではない。それなら入りたかった?いやそんな顔ぶれじゃなかった。なんだか、どう考えても歯車が合わなかったのだ。
そんな中、まだ捨てきれない正義感がつい出てしまい、私の中ではとんでもなく大きな事件が起こった。
