断ることも、自分を守る大切な選択。
「自分を大切にしてください。」
今では私も、そんな言葉をお伝えすることがあります。
でも、昔の私がこの言葉を聞いても、きっとこう思っていたでしょう。
「ちゃんとやっているけど?」
「好きな仕事をしているし、家族も大切にしているし。」
私にとって、自分を後回しにすることは当たり前でした。
誰かにお願いされたら断らない。
期待されたら応えたい。
困っている人がいたら力になりたい。
そんなふうに生きてきました。
だから、無理をしているという感覚すらなかったのです。
でも、心理学を学び始めてから、少しずつ自分を振り返るようになりました。
その中で、忘れられない出来事があります。
ある仕事を引き受け続けていた時のことです。
「あなたしかお願いできない。」
そう言われることが嬉しくて、必要とされていることが励みでもありました。
でも、ある時、時給に換算してみると約400円だったのです。
その数字を見た瞬間、驚いたというより、悲しくなりました。
「私は、こんなにも自分を軽く扱っていたんだ。」
そう気づいたからです。
もちろん、お金だけの話ではありません。
一番の問題は、その状況を「仕方ない」と受け入れていた私自身でした。
誰かを大切にすることはできても、自分を大切にすることができていなかったのです。
今の私が、当時の自分に伝えられることがあるとしたら、一つだけです。
「断る勇気を持って。」
嫌われてもいい。
仕事が減るかもしれない。
それでも、自分の心や時間まで差し出さなくていい。
本当にあなたを大切にしてくれる人は、あなたが無理をし続けることを望んではいません。
私は遠回りをしながら、そのことを学びました。
だから今、頑張りすぎてしまう方へ伝えたいのです。
自分を大切にすることは、わがままではありません。
「断る」ことも、自分を守る大切な選択の一つなのです。
