積算が悪いと現場は苦労する
現場ちゃんと見てますか?
改修工事を着工するにあたって、まず最初に行うべきことは積算です。
現場をよく確認し、工事が必要なところと不要なところを見極める。そして、どこにどれだけの人工がかかりそうか、施工前に解決しておくべき問題があるかどうかを洗い出す。そこまでやって、ようやく見積もりが成り立ちます。
例えば、足場を1000㎡掛ける工事があるとします。
同じ1000㎡でも、目の前にトラックを横付けして直接組める現場と、離れた場所に駐車して材料を運搬しなければならない現場では、必要な日数も人工も大きく変わってきます。
屋上防水100㎡の工事でも同じです。
ドレン廻りや立上り部分に、なぜか木が生えていたり草が伸びていたりすることも珍しくありません。そうした状況を想定せずに積算してしまうと、実際の施工時に手間が増え、工程にも影響が出てきます。
積算をする人は、現場の状況と各工種の流れを理解していなければ、正しい数字は出せません。
単に数量を拾うだけなら、図面からでもできます。けれど、現場に行かなければわからないことが確実にあります。だからこそ現地を確認するはずなのに、十分な検討がされていないケースがあるのも事実です。
そうなると、多くの場合、問題に気づくのは工事が始まってからです。
「このままでは施工できない」という状況になれば、最終的に苦労するのは現場の監督や職人さんたちです。
きちんと工程を組み、スムーズに終わる計画を立てていても、たった一つの見落としが、その後の工程全体に影響を及ぼします。現場は生き物です。小さなズレが大きな遅れにつながることも珍しくありません。
だからこそ、積算をする人には、その先の現場を想像してほしいと思います。
抜けはないか、問題はないか、本当にこの条件で施工できるのか。そこまで考えて数字を出してもらいたいですし、会社もきちんと積算ができる人に任せるべきだと思います。
安全や品質、予算には厳しく目が向けられます。
ですが、その土台になるのは積算です。
積算が甘ければ、安全もおざなりになり、品質も下がり、予算も予定を超えてしまいます。すべては最初の段階で決まると言っても過言ではありません。
大事なことなのに、意外と軽く見られているように感じる積算。
現場は積算の結果で動きます。だからこそ、最初が一番大事なのだと思います。
材料の選定と工法
積算の話に続きますが、現場に入っていると「なんでこの場所にこの材料なんだろう」と思うことがあります。逆に「なんでここは除外なんだろう」と感じることもあります。
もちろん、発注者の予算の都合があることは理解しています。すべてが悪いとは思いませんし、限られた予算の中で優先順位をつけるのは当然のことです。
ただ、明らかにオーバースペックだったり、逆にアンダースペックだったりする場面に出くわすことも少なくありません。
ほとんどの場合、発注者である居住者の方々は工事の内容までは分かりません。どの工事が必要で、どの材料が適切なのか、判断できる人は多くはないと思います。管理会社や元請会社から「これが必要です」「ここは不要です」と説明されれば、そういうものだと受け取るしかありません。
一方で、実際に施工に携わる私たちや、さまざまな現場を経験している施工会社の人間からすると、「もっとやりやすいやり方があるのに」と思うことや、「こうした方がいいのに」と感じる場面があるのも事実です。
それぞれの立場で考え方が違うのは当然ですし、その現場で最大限の利益を出そうとするのも会社としては正しい判断だと思います。ただ、それでもやはり、誰に対しても誠実であってほしいと思うことがあります。
施工要領書や施工計画書を見ても、どこかで見たことがあるような内容がそのまま使われていることもあります。現場ごとの条件が違うはずなのに、毎回同じものが出てくると、「本当にこの現場に合わせて考えているのだろうか」と感じてしまいます。
材料も日々進化していますし、新しい工法も次々と出てきています。もちろん、すべてを最新にすればいいという話ではありません。予算とのバランスもありますし、実績のある方法を選ぶことも大切です。
それでも、少しずつでもいいので、材料や工法をアップデートしていく意識は必要なのではないかと思います。選定一つで施工のしやすさは変わりますし、結果として品質や耐久性にも影響してきます。
現場を知っている人の声が、もう少し反映されてもいいのではないか。そんなことを感じる場面が増えてきました。
材料の選定や工法の決定は、単なる仕様の問題ではなく、工事全体の流れや完成後の価値にも関わってくる大事な部分だと思います。だからこそ、形式的に決めるのではなく、その現場に合った選択を積み重ねていくことが大切なのだと感じています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。建設業の仕事をしながら、古着の買取・販売もしています。仕事や日常の中で感じたことを、自分なりの視点で書いていますので、もし共感していただけたらフォローしてもらえると嬉しいです。
