見出し画像

社労士的就業規則の作り方 35

鹿児島で社労士をしています原田です。

モデル就業規則の各条について、社労士目線で行ってきました。
今回でひとまず最後です。書いているうちにモデルが改正されたらどうしようとと思っていましたが、今のところ改正されていないのでほっとしています。

途中からChat-GPTで表示イラストを作ってきましたが、そのおかげでChat-GPTがだんだんと進化するのも見えてしまいます。最後はGrokで描いてみたのですが、Chat-GPTのイラストの方がよかったので、差し替えました。


第13章 公益通報者保護

(公益通報者の保護)
第69条 会社は、労働者から組織的又は個人的な法令違反行為等に関する相談又は通報があった場合には、別に定めるところにより処理を行う。

モデル就業規則 令和5年7月版 厚生労働省労働基準局監督課

令和4年6月1日施行の公益通報者保護法に基づく規定。
常時使用する労働者の数が 301 名以上の場合は、「体制を整備する義務」が課されています。

つまり規則等で定めて、公益通報者に対する体制を作り、周知させ、維持できるようにする義務があります。この規定は、それにつながるための規定の一部となります。

 法令違反行為に関して、公益のための通報したものを保護することが中心ですが、その対象者や保護される内容等を明示する必要があり、その内容も幅広いため「別に定めるところ」として細かい部分をモデルは避けています。

 違反として制限を受ける対象が、事業主等や通報対象者であり、従業員を規制するものではないこと、原則的に法に基づいた規定にならざるをえないこと、就業規則が冗長になることを避けること
等を考慮すると、この部分の詳細は分ける方が望ましいと言えます。

 別に定めるを放置しないように留意しましょう。また、300人以下はこれらを定めることや、体制の整備の措置を行うことが努力義務ですが、公益通報保護法上の解雇無効や賠償制限等は定めていなくても有効なので、300人以下の企業でも記載して、管理職以上の方に周知させた方がいいでしょう。


第14章 副業・兼業

(副業・兼業)
第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該 業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は 制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 ④ 競業により、企業の利益を害する場合

モデル就業規則 令和5年7月版 厚生労働省労働基準局監督課

 問題の副業規定です。従来は副業禁止で問題なく終わっていた話でしたが、働き方改革で労働時間削減となり、収入が減ったので副業するという意味不明な展開のために副業解禁のムードが醸成されたことが原因です。

 モデル規定にも記載されている通り、実態に合わせて定めることになりますし、原則禁止にすることも特段の問題はありません。

 また、罰則規定に限定列挙説があるように、それを踏襲するなら、原則容認でものによって規制する場合は、もっと細部まで詰めた内容で定めた方が望ましいと言えます。

 また、割増賃金について、後契約払いの原則がありますが、本当に自分の所が先契約であるかどうかを判別する方法は実はありません。
更に長時間の過重労働を把握する手段も本人による申告以外にありません。

今後の働き方改革法改正や副業関係で審議している労働関係審議会等も考慮して、この規定はまだまだ検討の余地があるものと思われます。


社労士的就業規則についてはこれでひと段落としますが、モデル育児介護休業規定をやろうかなとか、別視点でやろうかなとか思うことはあります。

別で社労士視点と弁護士視点との違いも書こうとしたのですが、いろいろと問題がある内容になったので、お蔵入りにしました。
現在準備中のメンバーシップ等で出していければと思っています。

面白いとか、役に立ったとか、つまらないとか思って頂けたら、ハートをお願いします。ツイートやFBで拡散して頂けると、とってもうれしいです。

目次はこちら


いいなと思ったら応援しよう!