社労士的就業規則の作り方 32
鹿児島で社労士をしています原田です。
モデル就業規則について話しているうちに、次々と法改正しやがって・・・いや、言い方が悪いですね。法改正が行われているため、常に情報が古くなってしまうジレンマに陥ります。
と、思いながら残り6条です。
ここでは厚労省モデルを使って、社労士が就業規則に対してどうアプローチするかを案内しています。
第11章 職業訓練 第65条
教育訓練
(教育訓練)
第65条 会社は、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、労働者に対し、必要な教育訓練を行う。
2 労働者は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限り教育訓練を受けなければならない。
3 前項の指示は、教育訓練開始日の少なくとも 〇週間前までに該当労働者に対し文書で通知する。
モデルにも記載している通り、相対的記載事項なので、定めてない場合は、記載する必要はありませんが、就業規則を定めていて法的に周知義務がある時点で、既に定められた必要な知識が存在するような気がします。
ということで、第1項では、会社の教育訓練義務を課している部分です。入社して業務に必要な知識を、誰一人何も教えない企業は原則的に無いと思うのですが、「義務として定めますよ」と事業主に言っておくことができる条項です。時には必要ない研修も実際に存在しますが、ちゃんと教育時間を確保する方が企業の成長や効率化には有効です。
第2項は、第1項に対して従業員に受講を義務付ける条項。この第1項・第2項はセットで定めておくべきでしょう。少ない例ですが、入社研修・管理職研修等の様々な研修を制度として定めている場合もあります。均一に受けられる制度として定めておくことも一定の合理性があると思います。
その場合は、傷病等で受講できなかった場合の対応や、それぞれの受講する頻度や対象者についても定めることが望ましいことになります。
第3項として、きちんと教育訓練日を定めて、外部講師を招いたり会場手配したり、グループワークの計画をしている場合等は、できるだけ休んでほしくない場合があります。事前に通知しておくことが重要です。
研修案内は文書が望ましいですが、メールや口頭でもいいでしょう。
少人数企業で、全員いる日に行う場合や、個別に行う場合はこの条項は特に必要ないことになります。
第12章 表彰及び制裁 第66条
表彰
(表彰)
第66条 会社は、労働者が次のいずれかに該当するときは、表彰することがある。
① 業務上有益な発明、考案を行い、会社の業績に貢献したとき。
② 永年にわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき。
③ 永年にわたり無事故で継続勤務したとき。
④ 社会的功績があり、会社及び労働者の名誉となったとき。
⑤ 前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。
2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。また、賞状のほか賞金を授与する
表彰については、企業が任意に定めるものなので、内容については企業に合った内容であれば問題はありません。
モデルでも明確に「こういう場合には〇〇円の賞金が」と定めているわけではありませんが、
・対象者やその内容
・賞金の金額
・表彰のタイミング
等を表彰規定として定める場合もあります。
個人的には、破格の功労がある場合には、さすがに表彰や一時金を出したりすることもありえるので、相対的記載事項とは言え、モデルにある内容ぐらいの表彰規定はあるべきだと思います。
条文内容に触れていくと、第1項の各項について
① これについては、あまり異論は無いかと
② 何をもって永年だとか誠実や優秀とは言えませんが、ありえるものでしょう
③ 無事故とは何の事故なのかで検討の余地があります。
④ 社外で行った善行によるもの等についてで、あってもいいかなと考えられます。
⑤ 包括条項なので、特に変えたり検討したりする部分では無いと思われます。
感想的な書き方になりますが、「表彰『することがある』」なので、ある程度自由度が高いものとなるでしょう。
第2項については、「創立記念日」と定めています。企業の創立記念日を誰も知らないのであれば、よりよい日に変えた方がいいでしょう。
また、第1項④で、誰かの命を救った等で表彰してあげたい場合に、その日が創立記念日の翌日だったりすると、表彰するのは翌年度になってしまい、せっかく表彰しているのに「その時は何も無かったのに今更表彰するの?」と思われてもどうかと思う部分もあります。
例年記念式典等がある企業であれば、その年度の功労や善行について、その場で表彰される名誉として価値があるかもしれませんが、その企業によって、それぞれに合った内容で適宜検討する条項となるでしょう。
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