社労士的就業規則の作り方 30
鹿児島で社労士をしています原田です。
このシリーズを全部読んでいる人に「このシリーズ好きですか」と聞くと、ほぼ100%の確率で「好き」と言って頂いている大人気シリーズです。
ここでは厚労省モデルを使って、社労士が就業規則に対してどうアプローチするかを案内しています。
第10章 安全衛生及び災害補償 第59条~
健康診断
(健康診断)
第59条 労働者に対しては、採用の際及び毎年1回(深夜労働に従事する者は6か月ごとに1回)、定期に健康診断を行う。
2 前項の健康診断のほか、法令で定められた有害業務に従事する労働者に対しては、特別の項目について、定期に健康診断を行う。
3 第1項及び前項の健康診断の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。
健康診断です。一定数以上の人数がいる企業では、ほぼ間違いなく確実に実施しているのであまり問題にはならないはずですが、採用時の健康診断をしていない場合や、夜勤がある職場で6カ月に1回やってないことを指摘されることは、そこそこあります。
また、新規開業の企業では、健康診断の義務があることすら知らない方が多く、従業員から指摘されてから慌てて「どうやってやればいいの?」と、よく質問されます。
思ったよりも質問されることが多いのが健康診断なので、段取りや適用範囲等はしっかり理解した上で制度を定めた方がいいでしょう。
ということで、第1項について、会社に対する健康診断義務の話ですが、通常労働者の所定労働時間に対して4分の3未満の短時間労働者を除外する場合は、記載内容を検討しなければいけないでしょう。
第2項は有害業務ですが、有害業務が発生する可能性が0であれば、書かなくてもいいです。同様に第1項の深夜も書かなくてもいいような気もしますが、災害や突発的なトラブルで深夜作業が継続的に発生するかもしれないと思うので、私は第1項の深夜については消さないようにしています。
第3項は特に近年は監督行政からも注目されている部分です。健康診断で異常があっても放置されてしまえば、健康診断した意味がありません。実務上で対応できる対処が必要です。
面接指導
(長時間労働者に対する面接指導)
第60条 会社は、労働者の労働時間の状況を把握する。
2 長時間の労働により疲労の蓄積が認められる労働者に対し、その者の申出により医師による面接指導を行う。
3 前項の面接指導の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある
記載内容は労働安全衛生法第66条の通りです。法定上の義務なので、遵守義務があります。必須記載事項ではないですが、義務として遵守するルールなので、相対的記載事項として、規則で定める義務があることになります。
第1項は、労働時間は把握義務ですが、管理監督者や高度プロフェッショナル制度対象者も労働時間の把握義務の対象であることに注意です。
第2項は、「その者の申出により」が重要で、この部分を労働者が理解していないと、問題がある場合に有効に機能しません。長時間労働で精神疾患や身体上の疾患を引き起こすのは、本人はもちろん会社にとっても取り返しがつかない事態になるので、記載するだけでなく、きちんと周知させたい部分です。
第3項でも記載内容は法定通り。実務的に問題になるのは、配置転換が無理とか、就業禁止や時間短縮をすると減らした時間分は給料が下がるという部分なので、そうした部分への対応も考慮しておく必要があります。
面接指導の条項に記載されている要素から、新たに付け加えたり減らしたりしているものはあまり見かけません。一条にまとめたり、1項にまとめて健康診断の一部にしたりするものはあります。
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