社労士的就業規則の作り方 23
鹿児島で社労士をしています原田です。
このシリーズが大好きな人の間で大人気な就業規則の作り方です。
ここでは厚労省モデルを使って、社労士が就業規則に対してどうアプローチするかを案内しています。
第6章 賃金 第50条~
(賞与)
第50条 賞与は、原則として、下記の算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して下記の支給日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。
算定対象期間 支給日
〇月〇日から〇月〇日まで 〇月〇日
〇月〇日から〇月〇日まで 〇月〇日
2 前項の賞与の額は、会社の業績及び労働者の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
賞与はある程度の裁量の範囲が事業主にあり、金額の増減が可能なものでもあるので自由度が高い分だけ、記載内容も事業主の意向を反映したものになります。
賞与制度は正社員の求人対策、助成金対策、モチベーションアップ、評価の反映等、様々な意味を持ちます。何のために賞与を出すのかも考えた方がいいのですが、事業主に問いかけると、ほとんど答えが返ってこないので、問いかけるのはお勧めしません。
第1項では複数の話が一挙に述べられています。
①算定対象期間に在籍していないと対象外
②支給日の明確化
③金額を算定する評価の期間の定め
④会社の業績に連動する
⑤時期を変更する場合がある
⑥賞与を支払わない場合がある
②は賞与を規定するなら必須です。
①、④、⑤、⑥は企業の都合で左右できることを明示しています。
③を必ず記載しなければならないわけではありませんが、何等かの基準で支払う内容を記載する必要があります。
ちなみに算定対象期間は、かならず賞与の支払い日前になるのですが、算定するはずなので、8月1日~11月30日で12月1日支給とかは、実務上無理です。十分実務で可能な期間を定めるように配慮しましょう。
第2項は金額をどうとでもできる話が記載されています。勤務成績が0なのは、滅多に無いので、特定の個人をいきなり0円にするのはむつかしいでしょう。
賞与も話し出すと止まらないので、就業規則的な話で止めます。
賃金規定は労働者にとっては生活直結ですし、モチベーション、評価、定年、インセンティブ、雇用制度等の様々な分野に飛んでいく話です。
規定するのに漏れがないようにしたいものです。
第7章 定年、退職及び解雇
定年は法改正が相次ぎ、退職や解雇は判例に振り回されるお話です。深刻な相談だと、ほとんど退職関係なので、規定とともに様々な実務上のノウハウが必要になります。
定年
(定年等)
第51条 労働者の定年は、満60歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。
2 前項の規定にかかわらず、定年後も引き続き雇用されることを希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない労働者については、満65歳までこれを継続雇用する。
3 前項の規定に基づく継続雇用の満了後に、引き続き雇用されることを希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない労働者のうち、次の各号に掲げる基準のいずれにも該当する者については、満70歳までこれを継続雇用する。
(1)過去○年間の人事考課が○以上である者
(2)過去○年間の出勤率が○%以上である者
(3)過去○年間の定期健康診断結果を産業医が判断し、業務上、支障がないと認められた者
定年については、モデルで4種類の規定が例示されています。上記はその中の[例3] 定年を満60歳とし、その後希望者を継続雇用する例(満65歳以降は対象者基準あり)を取り上げています。現実的に最もポピュラーなものが、60歳定年で65歳まで継続雇用です。
いわゆるJTC(Japan Traditional Company)や公務員の外郭団体、金融機関等では55歳の役職定年制があったりします。
それでは本文に行きましょう。
第1項で、この場合は60歳の定年を定めています。
「定年に達した日の属する月の末日」の末日は給与締め日に合わせた方がいいでしょう。
「定年に達した日以後の最初の3月31日」と年度で区切る場合もありますし、「定年に達した日」で区切る場合もあります。
第2項は、65歳までの継続雇用制度です。65歳より前の年齢で定年を定めた場合は、希望者全員の継続雇用が義務なので記載しなければなりません。
第3項で、65歳以上の継続雇用についてお話しています。
65歳以上は雇用継続の義務ではありませんが、70歳までは雇用の努力義務があるので、記載していた方が望ましいでしょう。
人不足の現代では、70歳以上でも継続雇用するケースが増加しています。むしろ健康や体力の面で支障がなければ、「退職しない可能性が高い業務に精通した労働者」として重宝されている場面もあります。
ただし65歳で雇用契約を切りたい不良な従業員もいるので、企業の裁量で雇用しない部分を残しておきたいです。
人不足であれば、人事考課〇%や出勤率〇%は入れない場合も多いです。実態に合わせるのがベストでしょう。
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