ボツネタ御曝台【エピタフ】混沌こそがアタイラの墓碑銘なんで#053
【おまけの採用ネタ】2026.02.03
ツアーコンダクター・あのちゃん:https://www.bilibili.com/video/BV1z5cgz2E2F/?spm_id_from=333.788.recommend_more_video.-1&trackid=web_related_0.router-related-2479604-ptszh.1770776464483.758&t=1212
↓ ラージヒルのベッドってカワイイですよね♡
あののオールナイトニッポン0 海のパジャマ 2026ver - あののオールナイトニッポン0(ZERO) OFFICIAL GOODS STORE
元歌 広末涼子「大スキ!」
とっても とっても とっても とっても
とっても とっても 大スキよ
ダーリン I like you ダーリン イイ イイー
童貞でも 童貞でも 童貞でも 童貞でも
童貞でも 童貞でも このオナホ
本物よりイイと コメント 書くー
アタイラは絶望しました
永久脱毛でパイパンになる夢
そう、必要経費でパイパンになるという夢は、見事に敗れ去ってしまったのです
「あれ? 枕は?」
枕?
「うん、いつもはエセ狂歌の次に枕をやって、それから本題だっただろ?」
イイんです! こんな下品でくだらない替え歌なんて無視ですよ! 無視!
「いつもは下品じゃないみたいな言い草だな」
とにかく、今回はモノローグから始めるんで先輩は少し待っててくださいよ
「了解」
……
だから、とにかく絶望しているのです
パイパンになれないということは、暮居カズヤスとは結婚できないということです
結婚できなきゃ離婚もできません
離婚ができなきゃ財産分与で大金持ちになることもできないということです
これを絶望といわずに何というのでしょう?
あまりの絶望に、アタイラは1回死んでしまいました
まさに『死に至る病』です
でも、風呂上りにキンキンに冷えたビールを飲んだら、あっという間に生き返ってしまいました
しかし、翌朝、目を覚ましても何も変わっていませんでした
もしやと思い、股間を触ってみましたが、やっぱり生えていたのです
だから、アタイラは、また絶望してしまいました
その後、アタイラは洗面所の鏡を見ては絶望し、歯ブラシでオエッ!っと絶望し、さらには前髪が全然決まらなくて絶望しまくりました
そう、アタイラは、死ぬこともできず、ただ絶望しまくりながら生きていくしかないのです
まさに『死に至る病』です
……
先輩、お待たせしました
「予想通りムダな時間だったな」
先輩! どうすればイイんすか⁉ アタイラはこのまま脇の下も股間もボーボーのまま生きていくしかないんすか⁉
「う~ん、しょうがねーから、カミソリで剃っちゃうか?」
ダメですよ! そんなことしたらカイカイになっちゃうでしょ! 脇ボーボーで股カイカイになっちゃうでしょ!
「そうだよな、股カイカイだったらケジラミに感染したのと同じだからな」
あっ! いっそのことケジラミに感染しちゃえばイイんじゃないっすか⁉
「そっか! 本当にケジラミになれば、医者も診断書を書いてくれるもんな!」
いや、でも、よく考えたらケジラミをうつしてくれる男なんか全然いないっすよ
「うん、今もいないし、これからも現れる気がしねーな」
男なしでケジラミになる方法ってないんすかね?
「そうだよな、やる事やんねーでケジラミになる方法な」
あっ、銭湯は?
「銭湯?」
はい、夜中に銭湯の男湯に忍び込んで、脱衣所の床を全裸でゴロゴロ転がるんすよ!
「ダメだから、それ! 他の色んな病気ももらっちゃうから!」
そうっすよね、ケジラミになったとしても、体中に変なブツブツができてたら元も子もないですもんね
「そうだよ、暮居だって、体中のブツブツを発見した時点で即「ゴメンナサイ」するだろ、絶対」
じゃあ、思い切ってアマゾンにでも行っちゃいます?
「もっとダメだから! 世界トップクラスの病気もらっちゃうから!」
……
Kポタに頼み込んでみます? ダメもとで
「うん、そうだな、やらないよりは、やった方がイイだろうからな」
あと、それがダメだった場合は、婦長さんがくれたこの名刺の『服部■■■■■■専門学校』に行きたいって頼んでみます?
「いやあ、専門学校はさすがにムリだろ、永久脱毛より高額だろうから……」
……
じゃあ、第3の道を探るために、暮居カズヤスの情報が来ていないかチェックしときますか?
「うん、いわゆる『第三の選択』だな」
……
メールボックスをチェックしてみると、モナドン(量子AI)からのメールが届いていました
それは、小学校の卒業文集で、テーマは〈将来の夢〉だそうです
「小学校6年生の暮居カズヤスか~」
参考になりますかね?
「そりゃあ、なるだろ、人間の価値を判断するためには、そいつが〈どんな人間か〉よりも〈どんな人間になりたいと思っているか〉の方が重要だからな」
あと、世界一の大金持ちになりたくてなったのか? それとも、結果的に世界一の大金持ちになってしまったのか? も結構重要ですよね
……
アタイラはメールに添付されていた画像ファイルを開き、暮居カズヤスの作文をチェックしました
……
みなさんにも、画像データからテキストに変換した作文をご覧いただきたいと思います
※画像データをテキストに変換
将来の夢
暮居カズヤス
僕の将来の夢は、二代目タイガーマスクになることです。
そのために新日本プロレス入ります。そして、毎日練習をがんばります。
朝食はバナナ一本だけです。どうしてかと言うと、朝の練習ははげしいので普通に朝ごはんを食べるとぜんぶ吐いてしまうからです。僕は毎朝練習をがんばります。
ある日、タイガーマスクが「お前メキシコに行け」と言いました。僕は「はい、メキシコ行きます」と言いました。
僕はメキシコに行って毎日練習や試合をがんばります。言葉が通じないし日本人は僕だけだったのでさみしかったけど、半年に一回は日本に帰りました。
ある日、タイガーマスクから電話で「お前日本へ帰って来い」と言われました。僕は「はい、日本に帰ります」と言いました。
日本に帰ったらすぐにIWGPリーグ戦に出場しました。僕は初出場なのにみごと優勝してしまいました。次の年はおしくも準優勝、その次の年は、けつまく炎で欠場してしまいました。汚い手で目をこすってしまったからです。でもその次の年はまた優勝したのです。とてもうれしかったです。
ある日、タイガーマスクが「お前、オレのあとをつげ」と言いました。僕は「はい、あとをつぎます」と言いました。その日から僕はタイガーマスクのふく面をかぶって練習をがんばりました。
ある日、タイガーマスクが練習中に胸をおさえて「うっ、苦しい」と言って倒れてしまいました。すぐに救急車を呼びましたが、だめでした。ぼくはかなしみました。
今でも僕は二代目タイガーマスクとしてがんばっています。プロだから色々ありますが毎日がんばっています。これが僕の将来の夢です。
「……」
……
「……」
将来の夢っつーよりも、白昼夢を見てる感じっすね
「つーか、〈ある日〉って何だよ! いつの日の事だよ!」
まるで、アタイラみたいにタイムマシンで時間旅行をしてるみたいっすよね
「しかも、タイガーマスクを殺しちゃってるじゃねーかよ! 初代タイガーマスクをよ!」
いや、殺してないっすよ、たぶん心臓発作っすよ
「脳内で殺してるっていってんの! お前も白昼夢見てんのか?」
でも、この作文って、何か後を引きずりますよね
「うん、正直、消化しきれない」
何でもイイから型にはめるというか、何かにカテゴライズしないと先に進めないっす
「だな、そうしないと、このモヤモヤ感が今後の人生に悪影響を及ぼしそうだもんな」
何かないっすかね、こういう感じの作文を分類できるジャンル
「う~ん……」
……
〈童貞文学〉ってのはどうですか?
「わかんねーだろ! 暮居が童貞かどうかなんてよ!」
いや、童貞でしょ! 小学校6年生なんすから!
「小学校6年生だから童貞ってのは偏見だろ!」
いやいや、普通は童貞でしょ! 誰もがみんな金子光晴じゃないんですから!
「そもそもの話、童貞ってのは経験の有無じゃなくて気質の問題だから」
う~ん、いってる意味が良くわかんないですけど
「要するに、童貞っぽい奴はどんなに経験しても童貞のままだし、童貞っぽくない奴は生まれた時から童貞じゃねーんだよ」
ますます理解できないんですけど……
「いるだろ、子だくさんなのに童貞っぽい顔したオヤジ」
はい、まあ、いるっちゃ、いますね
「あと童貞っぽくない自信満々な顔つきの赤ん坊もいんだろ?」
たしかに、「産道を通って来たんだから1カウントでイイっしょ?」みたいな、ふてぶてしい顔つきの新生児がいますもんね、たまに
「だから、童貞ってのは、経験の有無や年齢には関係なくて気質の問題なんだよ」
じゃあ、イイ歳したオッサンでも童貞文学は書けると
「うん、書ける書ける、アタイにいわせりゃ村上春樹も童貞だから」
いやいや、それはないっしょ、村上春樹は日本を代表する世界的な人気作家ですから
「そんなの関係ねーんだよ! だいたいジャズを聴きながらスパゲッティをゆでて「やれやれ」とかいってればカッコイイって思ってる時点で、もう童貞なんだよ!」
まあ、たしかにタイムマシンで令和時代に行った時なんか、男が料理するのなんて普通の事でしたもんね
「そうだよ、しかも何でスパゲッティなんだよ! 悔しかったら、ヒジキや切り干し大根の煮物でも作ってみろっつーの!」
いや、別に悔しくはないと思いますけど……
「ジャズはカッコイイけど、ジャズを聴いてる奴は別にカッコ良くねーから!」
まあ、たしかにそうかもしんないですね
「ついでにいうと「ピーター・バラカンのラジオを聴いている俺って、なんて音楽のセンスがイイんだろ!」って勘違いしているそこの童貞! お前は別にセンス良くねーから! お前はただ単にラジオを聴いているだけだから!」
音楽通を気取ったそれっぽいメールを送るんですよね、そういう奴って
「悔しかったら下ネタのメールでも送ってみろよ! フェラ・クティとかでよっ!」
いや~、ピーター・バラカンは下ネタ読まないでしょ、ラジオネームさえ許さない男ですから
「そうなのか?」
はい、ピーター・バラカンは、つぶらな瞳の頑固者ですから
「とにかく、お前はセンスも良くなければ、カッコ良くもねーから! お前は、ただ単に音楽やラジオを聴いてるだけの童貞だから!」
ですよね、聴くだけだったら植物にでも出来ますからね
「そうなの?」
はい、植物にモーツァルトを聴かせると発育が良くなるらしいですよ
「ホントかよ」
間違いないです、試しに〈ザ・レジデンツ〉を聴かせたらチャント枯れましたから
「なら信用できるな」
……
「いや、聴かせるんじゃねーよ! 植物がかわいそうだろ!」
でも、小っちゃい子供には人気があるんすよ、レジデンツ
「マジ?」
はい、むかしワークショップの中で就学前の子供たちに、〈ザ・レジデンツ〉のファーストアルバムを聴かせるっていう企画をやったことがあるんすよ
「何だよ、その企画! 教育テロだろ!」
いや、そんなことないです、音楽が鳴っている間、子供たちはずっと大爆笑でしたもん
「マジで?」
はい、でも母親たちは、嫌ぁ~な顔してまいたけどね……
「そりゃそうだろ、レジデンツは〈悪魔と契約した〉っていうよりも〈悪魔そのもの〉みてーな音楽だからな」
掴みどころが無いっていうか、聴いてどう思えばイイのかも良くわかんないですもんね
「うん、どんなに反抗的なミュージシャンでも、必ず「売れたい」「モテたい」「尊敬されたい」ってのが少しはあるもんだけど、レジデンツからは一切感じないもんな~」
しかも、デヴィッド・リンチっぽいアカデミックな言い訳も皆無ですしね
「意味とか理解とかを拒絶している感じもするしな」
そういえば、石野卓球さんも「レジデンツは大好きだけど、彼らがいった何をしようとしているのかが、未だにサッパリわからない」っていってましたからね
「何だよ、一流のミュージシャンでもわかんないんだったら、アタイラにわかるはずねーじゃねーかよ」
無駄だからこれ以上考えるのやめましょう
……
「で、童貞の続きなんだけどよ、女をわかったつもりでいるけど、実は全然わかっちゃいねーってのも童貞の条件だよな」
情報源が萌え系とAVだからっすかね?
「いや、そうでもない、アタイにいわせれば、村上春樹も女をわかっていない童貞だから」
また、村上春樹っすか
「だいたいよ、何で女子高生に「やれやれ」とかいわせてんだよ! 女子高生は「やれやれ」なんて思わねーんだよ!」
じゃあ、何て思えばイイんすか?
「もちろん「死ね!」一択だよ!」
死ね……
「そう、女子高生なんて「爆笑!」と「死ね!」の往復運動だから、お前も女子高生の経験があるんだからわかんだろ?」
極端でしょ! もっと穏やかでまともな奴もいるでしょ! なかには
「いや、全員だな! まともな奴なんて、ほとんどが不登校になってるからな!」
笠原メイも不登校ですけど……
「え? そうなの?……」
……
「要するに、美少女っぽいセーラー服姿の女子高生が前を歩いていたから、追い越して顔を見てみたら、顔面だけが村上春樹だったってことだよ」
マジっすか!
「そうだよ、村上春樹の小説に出てくる女は全員、顔面が村上春樹ってことだから」
うわ~、エイフェックス・ツインのMVみたいじゃないっすか!
「クリス・カニンガム監督のな」
え? じゃーあ、女の事をわかってる男って誰なんすか?
「松本隆と岩井俊二だな」
あー、たしかに、二人が創り出した女って、作者の意図とか関係なしに勝手な行動をしそうですもんね
「松本隆と岩井俊二の体の中には〈少女〉が住んでるんだよ、きっと」
少女が住んでる……
「住んでるんだよ、声の小っちゃい少女が」
声の小っちゃい少女……
……
わかりました、要するに童貞ってのは、経験の有無じゃなくて、妙にカッコつけてる奴で、女を理解してなくて、自分に自信がない奴だと……
「そう、自信がないからカッコつけるんだよ」
そういわれれば、暮居カズヤスも見た目はイケメンだけど、いってる事は童貞っぽいですもんね
「理論武装するってことは自信がない証拠だから」
童貞ほど理論武装するのか……
「あと、プロレス好きな」
プロレス好き……
いや、結局、暮居カズヤスは童貞ってことじゃないっすか!
K君が、イサオへの手土産を持ってアジトにやって来ました
……
何だよそれ
「『CIAOちゅ〜る』ですけど」
『CIAOちゅ〜る』?
「はい、イサオ君に……」
何で今の時代に『CIAOちゅ〜る』があるんだよ!
「さあ、暮居さんが送ってきたんで……」
あの野郎~、タイムマシン持ってるからって調子に乗りやがって!
しかし、未来のAmazonってのは、時空を超えて配達できるようになってんだな、スゲーな
「あの……アマゾンって何ですか?」
お前は知らなくてイイんだよ、そんなこと
「アマゾンの熱帯雨林から届いたってことですか?」
だから、知らなくてイイっていってんだろ! でも、熱帯特有の病気にかかりたくなかったら、荷物はなるべく股で受け取らないようにした方がイイぞ
「股で受け取るわけないでしょ!」
……
「じゃあ、イサオ君に『CIAOちゅ〜る』あげてイイですか?」
ああ、でも、チョットだけな
「チョットだけ?」
あったりめーだろ! 子猫だぞ! それに、今の時代にはまだ『CIAOちゅ〜る』なんて存在してねーんだかんな!
「あんまり良くないんですかね? やっぱり」
これだよ、お前はこうして、たまに来てネコっかわいがりしてれば、それで満足かもしんねーけどよ、アタイラはもっと長いスパンでイサオの幸せを考えてっから
「長いスパン……」
そうだよ、イサオが未来の味を覚えっちゃったらどうすんだよ、もう手に入らねーかもしんねーんだぞ
「わかりました、じゃあ、チョットだけ」
……
はいはい、もう終わり、もう終わり!
「え? もう終わりですか?」
そうだよ、あとはアタイラが食べっから
「食べる?」
いいから早くこっちよこせよ!
「あ、はい……」
……
あっ、うっまっ! チョット生臭いけど、うっまっ! 何味だこれ?
「えーと、〈まぐろ〉味ですかね、それは」
あっ、先輩、〈とりささみ&黒毛和牛〉もあるっすよ!
「ホントだ、おっ、こっちには〈まぐろ&タラバガニ〉もあんぞ!」
マジっすか⁉ おい、Kポタ! ビール! ビール買ってきて!
「ええー! マジですか⁉」
うん、マジマジ
「暮居さんはイサオ君のために『CIAOちゅ〜る』を送ってくれたのに……」
暮居? どうでもイイよ、あんな童貞のことなんか!
「え? 暮居さんって童貞なんですか?」
そうだよ、知らなかった?
「……」
「……とりあえず……ビール買ってきます……」
何だアイツ…
30分後、アタイラは『CIAOちゅ〜る』をつまみにビールを飲みながらK君と深刻な話を始めました。
で、パイパンの話なんだけどよ
「あの~、本題に入る前にちょっとイイですか?」
何だよ
「『CIAOちゅ〜る』を吸ってるお二人の顔をイサオ君がジッと見つめてるんですけど、頭を揺らしながらジッと……」
だから、何だよ
「イサオ君が、かわいそうで、かわいそうで……」
イイんだよ! 動物ってのはな、早いうちから序列ってもんを叩き込んでおいた方がイイんだよ!
「序列……」
そう、その方が結果的にイサオの幸せにつながるんだから
「そういうものなんですかね~」
おーよ、お前はこうして、たまに来てネコっかわいがりしてれば、それで満足かもしんねーけどよ、アタイラはもっと長いスパンでイサオの幸せを考えてっから
「それ、さっきも同じこと聞きました」
あったりめーだろ、文章をコピペしてんだからよ!
……
で、パイパンの話なんだけどよ
「わかってますよ、ダメだったんでしょ?」
何でわかんだよ
「わかりますよ、もしも、診断書をもらっていたら、玄関先で「ほら~、ほら~、診断書だぞ~、まいったか~?」って最初から見せびらかしてくるでしょ?」
ふん、浅いな
「え? じゃあ、もらえたんですか?」
いや、ダメだった
「ダメだったんじゃないですか、やっぱり!」
でも、もらえなかったっていうよりも、あえてもらわなかったっていう方が近いかな~
「あえてもらわなかった?」
だって、ケジラミでもないのにケジラミの診断書をもらっちゃったら犯罪だろ?
「まあ、たしかに感心できない行為かもしれないですね」
おーよ、アタイラは正々堂々とパイパンになりたいわけよ
「正々堂々と……」
そこで、Kポタに相談なんだけどよ
「はい」
偽造診断書の作り方教えてくんない?
「そっちの方が犯罪でしょ! 何を考えてるんですか!」
ダメかな?
「そもそも、それを何で僕にいうんですか! 僕は診断書を受け取る側なんですからね!」
いや、正々堂々と偽造しようと思って……
「そういうのは、正々堂々っていわないんです!」
けち臭いこというんじゃねーよ! Kポタもアタイラの仲間だろ? サザンライトパーソンプロジェクトのメンバーだろ?
「だから、サザンライトパーソンプロジェクトなんていう組織は存在しません! 何度いったらわかるんですか! しつこいなー!」
だって、暮居カズヤスがいってたぞ! サザンライトパーソンプロジェクトって!
「あの人は狂人である上に、手の付けられない大ウソつきだっていってるでしょ!」
暮居のことを尊敬してるっていったり、大ウソつきの狂人だっていったり、何なんだよ、お前は
「……」
ふん、何だか良くわからんけど、愛憎渦巻くって感じだな
「お二人には関係ないでしょ! とにかく、ダメなものはダメなんです!」
……
わかった……パイパンはあきらめる
「え? あきらめるんですか?」
うん、とりあえずな
「……」
で、話は変わって、これなんだけどよ
「何ですか? これ」
専門学校の校長の名刺
「どれどれ『服部■■■■■■専門学校』校長:服部■■……」
どうだ?
「えーと、この塗りつぶしてあるところは何なんですか?」
さあ
「いや、おかしいでしょ! 肝心なところが塗りつぶしてあったら! 怪しすぎるでしょ!」
……
「え? もしかして、この専門学校に行きたいってことですか?」
そゆこと
「何の専門学校かもわかんないのに?」
だって、最初っから塗りつぶしてあったから……
「何なんですか、その理由! ますます危なすぎるでしょ!」
しょうがねーだろ! パイパンになれないアタイラの唯一の望みが、この専門学校なんだからよ!
「いや、普通の専門学校だったらOKですよ、でも、これじゃあ判断が出来ないでしょ?」
マジ? 何の専門学校かわかったら通わせてくれんの?
「はい、自己啓発系の学習だったら必要経費で落ちると思います」
何だよ、闇の組織のくせに、一流企業みてーないい方しやがって
「とにかく、この専門学校に通いたいのなら何の専門学校かをちゃんと調べてきてくださいよ」
わかったよ、わかった、調べりゃイイんだろ
……
「ところで、この名刺って、誰にもらったんですか?」
ケジラミの診断書をもらいに行った病院の婦長さん
「へぇ~、ちなみに、どこの病院ですか?」
ほら、あそこの総合病院だよ、すぐ近くにある
「いや、そこの総合病院は、だいぶ前につぶれて廃病院になってますよ」
いやいやいやいや、そんなことねーよ! アタイラ行ったもん、そこの総合病院に! ね? 先輩?
「うん、行った行った!! たしかに行った!」
「そんなはずないです、あそこの総合病院はずいぶん前につぶれて、今じゃ有名な心霊スポットになってますから」
……
……マジ?
「はい、有名な心霊スポットです、夜になると若者たちが肝試しにやって来ますから」
……
「ん? どうしたんですか?」
……
……
Kポタ……
「はい」
お前、もう帰れ……
「ええええぇーーー! マジですか⁉」
いいから、帰れ!
「イサオ君に『CIAOちゅ〜る』持って来たのに、ビールの買い出しをして終わりですか?」
つべこべいわねーで、とっとと帰れ!
「もぉ~、わかりましたけど、イサオ君に『CIAOちゅ〜る』もうチョットだけあげてくださいね」
わかったから、わかったから、はいはいはい、帰った帰った
K君を無理矢理帰した後、アタイラは緊急会議を開きました
……
どうします?
「どうするって?」
もう1回、あの病院に行って確かめてみます?
「ヤダよ! アタイは怖いもの無しだけど心霊関係だけは絶対に無理なんだからよ!」
ですよね、子供用のお化け屋敷にも入れないですもんね、アタイラ
「でもよ、信じられっか? たしかに汚ぇー病院だったけど患者なんか結構たくさんいたぞ」
そうっすよね、アイツラ全員が廃病院の地縛霊ってことになりますもんね
「てことは……この名刺をくれた婦長さんも地縛霊ってことか?」
怖い怖い怖い! 無理無理無理ー!
「でもよ、ちゃんと確かめる必要はあんぞ、アタイラには他に道がねーんだからよ」
ですよね、パイパンになれないことがわかった今、アタイラの希望は、この専門学校校長の名刺だけですもんね
「でも、病院には行きたくねーな……」
ですよね、病院に行かないで真相を確かめる方法ってないんですかね?
……
あっ、電話番号!
「電話番号?」
はい、婦長さんが名刺の裏に自分の電話番号を書いてくれたでしょ? ほら、これ!
「そっか! そこに電話すれば全てが判明するんだ!」
はい、普通に電話に出たら婦長さんは廃病院の地縛霊ではないってことですから
「何で?」
だって、地縛霊は電話の契約とか出来ないでしょ?
「わかんねーだろ、そんなこと! 電話の契約が出来る地縛霊もいるかもしんねーだろ!」
マジっすか⁉ そんな賢い地縛霊だったら、アタイラに勝ち目はないっすよ!
「だよな、電話の契約が出来るくらいに賢い地縛霊だったら、どこまでもアタイラを追いかけまわすスキルを持ってるってことだからな」
うわぁ~、怖い怖い怖い! そんなのに取り憑かれたら、アタイラもう終わりっすよ!
「だからこそ電話するんだよ! 婦長さん以外の誰かが出たら、それでもう安心できるだろ?」
じゃあ、先輩、電話お願いします!
「何でアタイがかけるんだよ! お前がかけろよ!」
もうお~、わかりましたよ、かければイイんでしょ、かけますよ、かけますけれども……
でも、でもですよ、もしも、『夏休み子ども科学電話相談』につながっちゃたらどうするんすか? アタイは対応できませんよ、子供っぽい純真無垢な質問なんて思いつきませんから! アタイは下ネタしか思いつかない女ですから!
「電話をかけない理由ばっかり探すんじゃねーよ、情けねーな! もしも、『夏休み子ども科学電話相談』につながったら、小学1年生のふりで受話器に鼻息をボーボーあびせながら「えーと、受信料はどうして……」っていい出せば、すぐにガチャン!って向こうから切ってくれっから!」
そっか! たしかに! それって子供が足を踏み入れちゃいけない領域ですもんね!
「わかったんだったら、つべこべいわねーで、とっとと電話しろよ!」
わかりました、でも、もしも『夏休み子ども科学電話相談』につながっちゃたら、子供へ横から小声で指示を出す母親みたいに、ちゃんとフォローしてくださいよ! お願いしますよ! ウウッ……
「『夏休み子ども科学電話相談』じゃなくて地縛霊を怖がれよ!」
……
じ、じゃあ、かけますよ
「おう」
プルルルル、プルルルル
ガチャン!
「何で切るんだよ!」
だって、思ってたのと違うから! 「おかけになった電話番号は現在使われておりません」ってのを期待してたから!
「しょうがねーだろ、つながっちまったんだからよ! 大丈夫だから! 婦長さん以外の誰かが出た時点で、もう大丈夫ってことなんだから!」
……
わかりました、気合入れて、もう1回かけてみます!
「いい加減たのむぞ、まったく……」
……
じゃあ、行きます
プルルルル、プルルルル、プルルルル、カチャ、「もしもし……」
ガチャン!
「だから、何で切るんだよ!」
だって、「もしもし」っていうから!
「「もしもし」っていうだろ、普通! これじゃ、いたずら電話じゃねーかよ!」
わかりました、今度こそ、ちゃんと話します
「たのむぞ、ホントに」
……
プルルルル、プルルルル、プルルルル、カチャ、「もしもし……」
あっ、えっ、えっと……
「もしもし?」
えっ、えっと…うんと……その……セ、セセッ、セミのオスとメスの見分け方を……
「小学生になってるから! 『夏休み子ども科学電話相談』の小学生になっちゃってるから!」
じゃあ、どうすればイイんすか⁉
「確かめろよ、相手が誰か確かめろよ!」
あ、あの……こ、こちらはアタイラですけど……そちらは、あの……ふ、婦長さんですか?
「アタイラ?」
はい、あの~、パイパンになるためにケジラミの診断書をもらいに行った、美女2人組なんすけど……
「……」
……
「ああ! 思い出したわ! 私が名刺をわたした人たちね~!」
そうっす! そうっす! アタイラっす!
「あら~、電話してくれたのね、嬉しいわ~」
はい、で、あの~、いきなりで申し訳ないんすけど……た、確かめたいことがありまして……
「確かめたいこと? イイわよ、何でも訊いてちょうだい」
えっと、その……ふ、婦長さんって……に、人間ですか?」
「え? なに? よく聞こえなかったわ……もう1回いってちょうだい」
怒らないでくださいね……え~と、その~、婦長さんは……人間ですか?
「……人間? 私が人間なのかって?」
は、はい……
「……」
……
「オーホッホッホー! 人間ですかって⁉ オーホッホッホー! 相変わらず面白いわね、アナタたちって! オーホッホッホー!」
いや、アタイは人間だと思ってますよ、もちろん、でも、先輩が地縛霊じゃないかって、しつこいもんで……」
「人のせいにするんじゃねーよ! しばくぞ、コノヤロー!」
「地縛霊?」
はい、婦長さんは地縛霊じゃないかって
「オーホッホッホー! 地縛霊ですって? オーホッホッホー! 地縛霊? 私が? オーホッホッホー!」
念のためですよ、念のため……で、どうなんすか? じ、地縛霊なんすか?
「え? なに? 私が地縛霊かって? オーホッホッホー! オーホッホッホー! ホントに面白いわねー、アナタたちって!」
……
……先輩……否定しないっすね……
「だな、否定しないな……」
あの~、婦長さん、ファイナルアンサーでお願いしたいんすけど……婦長さんは……地縛霊……ですか?
「私が? 地縛霊かって? オーホッホッホー! オーホッホッホー! オーホッホッホー! オーホッホッホー!」
……
「……」
……
……
