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悪いことを「悪い」と言える職場は強い

問題社員を放置しない職場風土が、人を育て、定着率を高める 。

こんにちは。
社会保険労務士事務所テラスの倉雅彦です。

私は日々、多くの企業の労務相談を受けていますが、その中で強く感じることがあります。それは、問題社員そのものよりも、「問題行動を注意できない職場」のほうが、組織にとって深刻だということです。

例えば、

・あいさつをしない
・利用者やお客様への態度が悪い
・陰口や不満ばかり言う
・ルールを守らない
・遅刻や報連相不足が続いている

こうした行動があっても、上司が見て見ぬふりをしてしまう。
あるいは、「言うと辞めるかもしれないから」と注意を避けてしまう。その結果、真面目に働いている人ほど疲弊していきます。

本当に辞めるのは「真面目な人」です

経営者の方から、「最近の若い人はすぐ辞める」「人手不足だから強く言えない」という声を聞くことがあります。しかし実際には、職場を辞めていくのは“注意された人”ではなく、“理不尽を我慢している人”であることが少なくありません。

真面目な職員ほど、

「なぜ注意されないのだろう」
「頑張っている人が損をしている」
「この会社は見てくれていない」

と感じるからです。つまり、“問題社員を放置すること”そのものが、職場風土を悪化させてしまうのです。

注意することは「攻撃」ではありません

ここで大切なのは、「注意=怒る」ではないということです。感情的に怒鳴ることではなく、「その言動は周囲にどう影響しているか」「なぜ改善が必要なのか」を丁寧に伝えることが大切です。
私はよく、経営者や管理職の方に、「注意することは、その人を見捨てないことです」とお伝えしています。

本当に無関心な組織は、何も言わなくなります。逆に、良い職場ほど、お互いに声を掛け合い、時には耳の痛いことも伝え合えます。

それは、「職場を良くしたい」という共通の想いがあるからです。

良い職場には“健全な注意文化”があります

離職率が低く、定着率が高い会社には共通点があります。それは、「お互いに注意し合える文化」があることです。もちろん、言い方は大切です。
人格否定ではなく、“行動”について伝える。そして、注意する側もされる側も、「職場を良くするため」という目的を共有しているのです。

例えば、

「その言い方だと相手が傷つくかもしれないね」
「次からこうするともっと良くなるよ」
「ありがとう。でもここは改善しよう」

そんな会話が自然にできる職場は、人間関係も比較的安定しています。

反対に、

「誰も何も言わない」
「空気を読んで黙る」
「面倒だから関わらない」

という職場では、不満が蓄積し、陰口や分断が増えていきます。

問題社員は“居づらくなる”

私はこれまで、多くの職場を見てきましたが、健全な組織では、問題行動を続ける人は長く居続けられません。なぜなら、周囲が見て見ぬふりをしないからです。

悪いことを悪いと言える。
ルール違反を当たり前にしない。
困っている仲間を放置しない。

そんな職場では、自然と組織の基準が整っていきます。結果として、問題社員が改善するか、あるいは自ら退職していくことが多いのです。

「優しさ」と「甘さ」は違います

最近は、「厳しいことを言えない時代」と感じている管理職の方も多いと思います。しかし私は、「優しさ」と「甘さ」は違うと思っています。
本当の優しさとは、相手の成長や周囲への影響を考え、必要なことを伝えることです。注意を避け続けることは、本人のためにも、職場のためにもなりません。経営者も、管理職も、働く人も、「人」です。
だからこそ、お互いを尊重しながら、良いことは認め合い、問題はきちんと伝え合う。
そんな職場づくりが、これからますます大切になると私は感じています。

最後に

人が辞めない会社は、「楽な会社」ではありません。ルールがあり、思いやりがあり、お互いに声を掛け合える会社です。
悪いことを悪いと言える。
そして、良いことを認め合える。そんな職場風土が、結果として人を育て、定着率を高め、信頼される組織につながっていくのだと思います。


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