第1章老後に必要なのは「安心ライン」だった
老後のお金について考え始めたとき、
最初に浮かんだのは
「いくらあれば足りるのか分からない」という不安でした。
ネットを見ると、
・老後資金2,000万円
・3,000万円必要
といった話が並んでいます。
正直、
「そんなに必要なのだろうか?」
という違和感がありました。
贅沢な生活をしたいわけではありません。
旅行三昧や高級車も望んでいません。
私が欲しかったのは、
毎月これだけあれば、不安なく生活できる
という「最低限の安心ライン」でした。
月15万円という数字に行き着くまで
そこで、感覚ではなく、
実際の生活をそのまま数字にしてみることにしました。
現在の生活を基準に、
「これ以上削るとつらい」
「これ以下だと不安になる」
その境目を探しました。
結果、次の内訳に落ち着きました。
生活費:12万円
医療費:1〜2万円
貯金:1〜2万円
合計すると、
月14〜16万円です。
この中間を取り、
月15万円を
自分にとっての安心ラインと決めました。
医療費と貯金を、最初から入れた理由
ここで意識したのは、
「楽観的に考えない」ことです。
年齢を重ねると、
医療費はゼロにはなりません。
調子の良い月もあれば、
思いがけずかかる月もあります。
また、
毎月少しでも貯金ができる余裕がないと、
家電の故障や突発的な出費で
一気に不安になります。
だから私は、
最初から
医療費と貯金を“支出”として計算しました。
これを入れても回る設計であれば、
精神的な余裕がまったく違います。
「我慢し続ける生活」は選ばなかった
老後は、
お金を使わないことが目的ではないと思っています。
必要な医療を受ける
気持ちが落ち込まない程度の余裕を持つ
不安を減らすための小さな備えをする
これらを我慢し続ける生活は、
長くは続きません。
月15万円というラインは、
贅沢をするための数字ではなく、
安心を削らないための数字です。
このラインが決まっただけで、気持ちは軽くなった
「老後はいくら必要なのか」
という問いに、
自分なりの答えが出ただけで、
不思議と気持ちは落ち着きました。
未来が完全に見えたわけではありません。
ただ、
考える基準ができた。
この「基準」があるかないかで、
年金の考え方も、
働き方も、
すべてが変わってきました。
第1章のまとめ
老後に必要なのは、
大きな金額ではなく、
自分に合った安心ラインでした。
次の章では、
この月15万円というラインに対して、
年金が実際にいくら足りて、いくら足りないのか
を、数字で整理していきます。
