教わったシリーズ⑱生徒さんから教わった、「話すこと」とは
「話す」という言葉が持つ意味の広さ
一時期、某スクールで「話し方」について教えていました。
いわゆる講師業なのですが、そこではスクール側に決まった教材やマニュアルが無く
レッスン教材は講師が自身で用意して用意するという方式でした。
最初にそれを知った時
「え? じゃあ具体的にどうやって教えればいいの?」
と首をかしげました。
が、実際に生徒さんに会っていくと
とてもとても、共通の教材やマニュアルなど作れないという事がわかったのです。
さて、「話し方」。
これを学びたいという人は、具体的にどんな事を望んでいると思いますか?
私は声優になる前、地元のボイトレスクールに通っていました。
そこには「喋り方」というコースがあって
発声や活舌、イントネーション、アクセントを主に学びました。
そこで配布された教材は先生がわかりやすくまとめたもので
プロになった今でも大切に残しています。
「喋り方」と「話し方」は似ているので、私が最初に思った生徒さん像は
活舌に自信が無い人や、人前で緊張する人
声が小さくて悩んでいる人でした。
ボイトレスクールで教える内容とほぼ同じで、当時の資料をベースにすれば何とかなると思ったのです。
しかし現実は大違いでした。
ある生徒さんは大手企業の役職付きの方。
上司や部下に何かを説明したり、ヒアリングをする中で
どうも自分の意図がうまく伝わらないという場面に遭遇します。
「なので、ビジネスの場でうまく意図を話す方法を知りたくて」
・・・確かにコレ、「話し方」というジャンルの悩み!
別の生徒さんは研究職に就いている方。
「普段ずっと1人で研究しています。
一人暮らしで誰とも喋らない日が1週間続いたりします。
このままでは人との会話を忘れそうで・・・」
わ! これも「話し方」ジャンルの悩みですよね。
また別の生徒さんは、近々性転換手術をする予定で
今後、性別が変わった際に
その性別に合った話し方をどうすればいいか?
というお悩みをお持ちでした。
・・・そうか、こういうパターンもか!
他にも、挙げだすときりがないくらい悩みは1人ずつ違います。
「話し方を教えるって、なんて難しい仕事なんだ!」
と思う日々の中で
だんだん、ある疑問が浮かび始めました。
あれ・・・?
これって「話し方」という皮を被った
「生き方」の悩みなのでは・・・??!
そう、結局これは発声をどうにかしても解決しないし
言葉をたくさん知っていても解決できない。
どう考え・どう生きるか
これを自分で見つけない限り、
今後も繰り返し悩む難問ではないだろうか?!
そしてそんな壮大な悩みに、
私は時給およそ1000円で対応できるのか?!
それでも何とか、自分なりに手は尽くしました。
当時作った教材は生徒さんごとに唯一無二の物なので
講師としてのコスパは限りなく低いですが
生徒さん達が楽しんで来校くださっていた事は、今思うと救いでした。
え? うまく文章がまとまっていない?
「話す」って、ほんと難しいですね。
●「話し方」を突きつめると「生き方」にたどり着く
