古代エジプトに思いを馳せる
滑り込みで、ラムセス大王展に行った。
3月からやっていたのに、行ったのは最終日の1日前。
まさに、最後のコーナーでバトンを受け取った選手みたいなものだ。
古代エジプトの知識は、ほぼゼロ。
いや、正確には「オペラ《アイーダ》」と「天は赤い河のほとり」。
そこについては異様に詳しい。
だが偏っている。しかもフィクションだ。
ラムセス大王本人に「いやそれオレじゃないから」とツッコミが来るレベル。
歴史的背景の理解は薄い。
ピラミッド?有名だよね。
スフィンクス?なんか顔だけ人だよね。
その程度の知識で乗り込んだ。
ではなぜ行ったのか。
きっかけは「博士ちゃん」。
博士ちゃんとは、大人顔負けの知識を持つ子どもたちが登場して、その分野の魅力を熱弁してくれる番組だ。
この日は15歳の女の子が古代エジプトを語っていた。
とにかく熱量がすごい。
知識量もすごい。
おまけに話が上手で面白い。三拍子そろっている。
聞いているだけで「なんだか私もエジプトの専門家になれそうな気がする」という錯覚に陥る。
以前見た回も面白かった。愛菜ちゃんがサグラダファミリアに行っていた回。
ただこの日は、完全に不意打ちだった。
夕飯後、ソファでだらけながら、なんとなくつけていただけ。
それが突然、
「なにこれ、めっちゃおもしろい」
となった。
久々に、新しい世界に強引に引きずり込まれる感覚だった。
8月末まで資格試験に追われていた。
エジプトに関心を持ちながらも、その欲望と闘い、なんとか勉強を続けた。
YouTubeで専門家の動画を見つけては「後で見る」に保存。
積読が得意な私は、どうやら動画でも同じらしい。
視たい動画がどんどん溜まっていく。
ついでにアマゾンでも書籍を数冊購入。
ネット積読とリアル積読、大谷翔平ばりの二刀流だ。
そして試験が終わった9月、ついに解禁。
すごい勢いで知識を取り込み始めた。
この集中力を試験勉強に使えたらなあ、と毎回思う。
ちなみに試験の結果はまだ出ていない。
生殺し状態。
まぁいい。いったん忘れることにした。
1週間、古代エジプトにひたすら浸った。
そして迎えた土曜日、待ちに待ったラムセス大王展に行った。
さすがエジプト政府公認。展示されているものがとにかく貴重。
詳しいYouTuberさんが「どれも展示の目玉級」と言っていたが、その通りだった。
てっきりレプリカが多いと思っていた。
だが、ほとんど本物。
3000年前に作られたものが、今ここにある。
古代の人々の跡を、私は日本で目の前にしている。
そう思うと身が震えた。
歴史がつながっていることを実感する瞬間だった。
古代エジプトの文明の発達と、そのとてつもないスケールを肌で感じた。
もっと語彙力があれば伝えられるのに。もどかしい。
事前に所要時間を調べた時、公式さんは「1時間ほどで見て回れます!」と言っていた。
結果、私がかかった時間は1時間45分。
……公式さん、あれは「速歩きで展示をスルーしていく競歩コース」の所要時間だと思う。
じっくり派の私は当然オーバーした。
展示は豊洲だったので、月島までふらっと出て東京名物もんじゃを食べた。
豊洲、タワマン多すぎ。
いいなあ、最上階からの景色きれいだろうなあ。
でもエレベーター止まったら大変そうだなあ。
でもうらやましいなあ。
でも今日の私は手ごろな価格のもんじゃで大満足。
なんてったって今日はお金で価値が図れないほどの世界的な価値があるものを見た。
と言いつつ、明日にはブランド物のバッグやアクセサリーやタワーマンションが欲しくなるかもしれないけど(そうそう買えないけど)、
今私の心に満ちている悠久の歴史に思いをはせて、その日は何とも言えない充実感があった。
そうだ、京都行こう。
……じゃなくて、
そうだ、エジプト行こう。
ということで短期的な人生の目標が決まった。
エジプトについてたくさん本を読んで、2-3年以内にエジプトに行こう。
問題は、現地でラムセス大王の石像や宮殿を前にしても、
「でっか!」とか「すご!」とか、語彙力ゼロの感想しか出なさそうなこと。
まぁ、それも含めてきっと最高の旅になる。
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