一世風靡した、トム・クルーズからの卒業。
雲州はとむです。「マーヴェリック」観てきました。大好きな声優がこれでもかとばかりに並んでいたので、吹き替え版にて、実に二年振りくらいの新宿ピカデリー!

正直なところ期待はしていませんでした。私の中でトム・クルーズの真骨頂は「ラスト・サムライ」にて終わっていたし、あの映画も渡辺謙と真田広之に惹かれてハマっていた作品なので……。
大人になれない天才、マーヴェリック。
ストーリーも大体想像通りのドラマ筋で進んでいくし、マーヴェリック演じる教官とトップガンの若きエリート達との絆の描き方も浅い。たくさん若手俳優が出演していたけど、グースの息子以外にこれと言った掘り下げもなく。あの女性パイロットだって、まだまだ男尊女卑が残る米国海軍で苦労したろうに。人間関係構築の時間が圧倒的に足らないせいか、誰にも感情移入出来ずに終わりました。
マーヴェリックが相変わらず上層部に睨まれているのは、彼の無謀な生き方とか宙ぶらりん生活を見ていれば仕方ないと思うけど、その不祥事の数々をかつての好敵手「アイスマン」に尻拭いしてもらってきたのはどうなのか〜!
私生活が寂しくて、つい昔の元カノと……なんだか私にはセフレみたく思えてしまう……くっついたり離れたり。その感じやすい年頃の娘にまで「もう、ママを傷つけないで」とか責められているのは、さすがにダメだよ! おそらく天才肌故に戦闘機以外のことが蔑ろになっちゃうんだろうなあ。
ラストシーンからして、バーの元カノと結婚するという気持ちもないみたいだし。唯一感情移入してしまったのが、実の父親は新しい妻と旅行中、長年の元カノとダラダラした関係を持ち続ける母親を支え心配する、10代のこの娘だった……。強いなあ……。
きっと、ブラピに「アーロンの脚本ならタダで出る」と断言させたアーロン・ソーキンなら、この辺の掘り下げとか滅茶苦茶厳しかったはず。
彼女が児童相談所に「母のベッドに忍んでいる男が不快」と一言でも進言すれば、マーヴェリックの社会的存在って抹殺可能なんですよ。欧米は子供の養育に関しては全く容赦ないので。
結局、アイスマンにも、元カノにもその娘にもいつもいつも、社会人としての中途半端を許されて生きている人なんですよね……。アイスマンも、色々不安ばかりで早くに亡くなってしまい気の毒に……。

初めて、エンディング前に席を立つ。
実は今回、人生で初めてエンディングを観ないで席を立ってしまって。「シン・ウルトラマン」の時は「早く帰りたい」と思いつつ、周囲の人に気を遣ったので最後まで我慢。しかし「マーヴェリック」は、途中でトイレ休憩に行く人も数人いたし、エンディング前に帰る人が結構いました。
100分過ぎた辺りからトイレに行きたくなったせいもあるけど、余韻を味わう映画ではなかったので、私もぞろぞろと続く流れに入って退場。
新宿ピカデリーで発売されたパンフレットは、完売。ここは「ガンダムUC」の限定ガンプラ入り前売り券や、プレミアBlu-rayも初日数時間で売り切れてしまう映画館なので、きっと先週の金曜日には無くなっていたのかもしれません。
ちなみに「機動戦士ガンダム、ククルス・ドアンの島」パンフレットは、お一人様一冊のみ購入の条件がつけられていました。
ニコールと結婚していた頃の彼が好きだった。
私は、トム・クルーズがまだ20代の頃に出演していた「レイン・マン」や「マグノリアの花たち」そしてブラッド・ピットと共演した「インタビュー・ウィズ・バンパイア」での彼の演技がとても好きなんですね。もちろんブレイクした「トップガン」も大好きですけど、彼には主役より影のある脇役の方が似合うと思っているので。
あ、でも「宇宙戦争」の最初はダメダメだったパパ役も良かったなあ……。トムの映画で繰り返し観ているのは「ラスト・サムライ」と「宇宙戦争」の二本くらい。ニコール・キッドマンと結婚していた頃のトム・クルーズが本当に大好きでした。新興宗教にハマってしまってから、色々彼への見方が変わったのは否定できない。
トムへの感謝と、卒業の映画。
今回は、トム・クルーズが長年日本を愛してくれた事への感謝の気持ちと、それから卒業のつもりで映画館に行きました。この三ヶ月は映画三昧だったし、来週は「ククルス・ドアン」を¥1900で観なければならないので(義務)、「マーヴェリック」は¥1200で。
既に15年前には「ミッション・インポッシブル」からも手を離したので、続編も鑑賞することはないと思います。個人的に私は、俳優自らが身体に危険な負荷を背負って撮影する事に、価値を見出せないタイプだから、還暦も近いトムが肉体改造したり本物の加速に耐えられても、そこで感動出来ないんです。
特にこの25年は、CGで自然体な戦闘機ファイトシーンや美しい空、海の風景にも見慣れました。「ラスト・サムライ」の殺陣なら素晴らしいんですけど、実物の空中戦を見ても何か物足らない。
存在感は未だに大きいけれど、トムはイーストウッドやジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットのように、アカデミー賞レッドカーペットを狙うスタイルからは遠く離れたんでしょうね。またいつか昔みたいに、文学系や等身大の演技もしてくれたら嬉しい。
賛否両論の人気声優起用について。
吹き替えについては、宮野真守が一番低音で話していたので、最初誰か分からなかった! 中村悠一のキャラクターは、もうそのまんま、「TIGER&BUNNY」劇場版で演じたライアン的なイメージでしたね。白人バージョンのジャイアンというか、黒人のスネ夫も引き連れていていちいち突っかかってくる。そして映画だと突然良い人になるパターン。
「ボーイズラブの帝王」こと森川智之さんや、宮野真守、中村悠一の声を大画面から聞けたのも久しぶり。ジェニファー・コネリー担当の本田貴子さんと、内田真礼&優馬姉弟の声も判別できたけど、東地宏樹さんは誰の吹き替えだったのかな? 回想シーンのグースは平田広明さんだったし。
声優マニアとしては、今回のような人気声優のてんこ盛り起用も、エンタメ商法としてはありだと思うし、そうでなくとも減少している映画館での視聴にプラスになるなら良いスタイルなんじゃないかなと。少なくとも私は多大な効果が大きかった。
そうだ、エド・ハリスが出演するのは知らなくて! ご高齢になったけど、彼は相変わらずインテリジェンス溢れる高貴さとワイルドさに満ちていて、とても素敵でしたね。ジェームズ・キャメロン監督の「アビス」で彼を知ってから「ザ・ロック」「アポロ13」「ライトスタッフ」「アパルーサの決闘」などで渋い演技を魅せてくれた名優兼監督です。
「トゥルーマン・ショー」にて、ゴールデングローブ助演男優賞を受賞しています。無言の演技を得意とする達人!
敵が不在のアメリカ戦争映画
作中でも語られていたけど、きっと戦闘機も近いうちにドローン化というか、自立型AIが搭載されるようになるんでしょうね。なんせパイロット育成には破格の血税が投入されている。911とコロナ禍以来、既に無敵の超大国では無くなったアメリカにとって、削れるところは削減していきたい本音があるはず。
「マーヴェリック」では敵対していた国の名前が明らかにされていませんが、吹き替えで「ならずもの国家」と呼んでいたし、敵軍が古いトムキャットF14を実践に使用している描写があったので、ほぼ間違いなく北朝鮮を置いていますね。
「トップガン」の初上映時にはまだソビエトが健在で、主人公達はミグ戦闘機と戦っていました。まあ実際にあんな戦闘があったら、深刻な国際問題になってしまうけど。湾岸戦争が終了、というよりも米軍が撤退せざる得なくなったここ数年は、敵対する存在がハリウッドもリアルに描けず、カリスマプロデューサーのブラッカイマーもなかなか脚本で悩んだのではないかと察します。
敵もおらず、防衛費の削減や世論からの批判の中で、それでもなんとか存続し続けようと模索する、現代のトップガン。米国華やかなりし1990年代を振り返り、黄昏を感じさせる内容でした。
また「マーヴェリック」に出演した若い俳優達が、かつてのヴァル・キルマーやアンソニー・エドワーズ、ティム・ロビンス、メグ・ライアンのように、実力派として作品に出演する未来に期待したいです。
「ER」で大ブレイクしたグース役のアンソニーや、メグは「マーヴェリック」をどこで観ているのかな……。

ミスドで、ポンデリングを購入して帰宅。二日間連休になるので、アマプラで「ブラックリスト」か「メンタリスト」「ブレイキングバッド」など、大人気欧米ドラマを観る予定でいます。wowowで放送されている渡辺謙主演、マイケル・マン監督の大好評ヤクザドラマも凄く観てみたい! ディーン・フジオカの「HOTEL」(石ノ森章太郎原作)も始まる……。wowowも頑張っていますなあ。
次の映画は「機動戦士ガンダム、ククルス・ドアンの島」です!

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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。
