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「残業が多い人が偉い」は、もう終わりにしたい

定時で帰れる人の共通点と、“働き方”を変えられない本当の理由


はじめに

「あの人、いつも遅くまで残ってて頑張ってるよね」
……でも、それって“本当に”評価すべきことでしょうか?

働き方改革という言葉は広まりましたが、
現場にはいまだに**「長く働いた人が偉い」**という価値観が根強く残っています。

特に、年齢構成がツボ型で、管理職層の若返りが進んでいないような組織では、いわゆる“モーレツ社員”のような働き方が今も当たり前のように続いていることも少なくありません。

今回は、人事として、そして一人の会社員として、
こうした価値観に対する違和感と、そこにある構造的な課題について書いてみたいと思います。


残業が多い=仕事ができる、は幻想。そして、それが変わらない理由

「残業が多い人は仕事ができる」という見方に、私は以前から疑問を抱いています。

もちろん、忙しい時期や繁忙期はあるものの、
常に残業を前提とした働き方が続いているとすれば、そこには構造的な問題があるはずです。

たとえば──

  • 与えられている業務量が過剰である(人数不足)

  • 段取りや優先順位づけがうまくできていない

  • 「No」が言えず、仕事を抱え込みすぎてしまう

  • 残っている姿勢そのものが“頑張っているアピール”とされている

そしてもう一つの大きな原因が、**「業務の属人化」**です。

  • 特定の人にしかできない仕事がある

  • 手順やノウハウが本人の頭の中にしかない

  • 引き継ぎが困難で、業務を分担できない状態が常態化している

こうした属人化が進んでいると、仕事が特定の人に集中し、
結果としてその人が残業せざるを得ない状況に陥ってしまいます。


定時で帰れる人の特徴と、それを支える組織の仕組み

定時で帰れる人に対して、「要領が良いだけ」「ラクをしている」といった印象を持たれることがありますが、
私の経験上、むしろ  非常に計画的かつ戦略的に働いている人が多いです。

とりわけ目立つのが、**「仕事の設計力」と「整理力」**です。

【仕事の設計力】

  • 業務のゴールを見据え、逆算して段取りを組んでいる

  • 複数のタスクを並行して回すためのリズムを自分で作っている

  • 忙しい時間帯を避け、集中すべきタイミングを選び取っている

【整理力】

  • タスクや情報を“見える化”し、常に更新している

  • 必要な資料や過去事例をすぐに取り出せるようにしている

  • 社内の相談先・巻き込み先を把握していて、的確に動ける

【任せられる体質】

  • 自分の限界を把握し、早めに助けを求める判断ができる

  • すべてを自分で抱え込まず、業務の引き継ぎや分担にも前向き

  • 「これは自分がやる」「これは任せる」の線引きが明確

彼らは、ただ早く帰ることを目的にしているのではなく、
仕事を効率よく、持続可能な形で進めるための“仕組み”を自分の中に持っているのです。


働き方を本当に変えるには、「仕組み」と「評価」の支えが必要

ただし、こうした働き方は誰にでもすぐに実現できるものではありません。
属人化した環境や、“残っている人が頑張っている”という評価の空気がある中では、個人の努力だけでは限界があります。

だからこそ、組織側に求められるのは、

  • 業務の見える化や標準化

  • チームで業務を分担・連携できる仕組み(ワークシェア)

  • 時間ではなく成果を軸にした公正な評価制度

定時で帰れる人はたしかに優秀です。
けれど、それを“個人の努力”だけに委ねるべきではありません。

働きやすい職場を実現するためには、
個人のスキルと組織の仕組みが両輪で支え合うことが必要不可欠だと思います。


最後に

「長く働いた人が偉い」という価値観は、少しずつ終わりを迎えようとしています。
これからの働き方では、

“どれだけ時間を使ったか”ではなく、“その時間で何を生み出したか”

という視点が重要になっていくはずです。

もっとも、組織内の具体的な指揮命令やマネジメントに対して、
人事が直接介入できる場面は限られています。
だからこそ私は、制度設計や評価のあり方を通じて、間接的に組織を導いていく必要性を強く感じています。

このnoteが、読んでくださった方それぞれの立場で、
働き方や評価のあり方を見直すきっかけになれば幸いです。

これまでこのnoteでは、起業・副業への思い・父親としての立場をふまえた考えを発信してきましたが、今回は企業の人事として制度や組織に向き合う視点も書きました。
今後も少しずつ書き残していこうと思います。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。



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