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2025.07.03 注目の海外スタートアップの資金調達3選

以下では、2025年7月上旬に発表された3社の最新資金調達事例を紹介し、各社の事業領域や調達背景、今後の展望を解説します。

本稿で取り上げるのは、RNAテクノロジーを活用したアグリテック系スタートアップTerrana Biosciences、量子コンピューティングの誤り軽減ソフトウェアを手がけるQedma、そしてテキストプロンプトからWebアプリを自動生成するAIスタートアップLovableの3社です。それぞれ調達額は5,000万ドル、2,600万ドル、1億5,000万ドルと、大型の資金調達が相次いでいます。


1. Terrana Biosciences、5,000万ドル調達


1-1. 調達概要

Terrana Biosciencesは、RNAを基盤とした農業ソリューションを開発するケンブリッジ(マサチューセッツ州)拠点のスタートアップで、Flagship Pioneeringから5,000万ドルを調達しました。調達発表日は2025年7月3日です。

1-2. 調達資金の使途

同社は今回の資金を「事業拡大と初期製品の開発」に充てる計画を示しており、特に病害や害虫対策、収量向上を目指した製品化に注力します。

1-3. 事業内容と今後の展望

Terranaは自社プラットフォームを通じてRNAをデザインし、トマト、トウモロコシ、大豆など複数作物でのデモを完了、15以上の製品パイプラインを構築しています。同社はRNA技術と計算生物学を融合させ、環境適応性や世代間遺伝性を担保するソリューションを提供しています。独自サイトでも「RNA技術による全方位的な植物ケア」を掲げるなど、持続可能な農業イノベーションを牽引する存在です。

2. Qedma、2,600万ドル調達


2-1. 調達概要

イスラエル発の量子コンピューティングソフトウェア企業Qedmaは、グロットキャピタル(Glilot Capital)のEarly Growth Fund「Glilot+」が主導し、TPY Capitalのシード投資家に加えてIBMやKorean Investment Partnersが参加するシリーズAラウンドで、2,600万ドルを調達しました。

2-2. 事業内容

Qedmaは量子演算の「誤り軽減(error mitigation)」に特化したソフトウェア「QESEM(Quantum Error Suppression and Error Mitigation)」を提供しており、実行時および後処理で量子ノイズを抑制する技術として注目されています。IBMは同社ソフトのハード非依存性を評価し、自社のQiskit Functions Catalogで提供しているほか、2029年の「フォールトトレラント量子コンピュータ」実現に向けたパートナーの一員として支援を行っています。

2-3. 調達資金の使途とチーム拡大

Qedmaは調達資金で従業員数を約40名から50~60名へ引き上げる計画で、研究者やソフトウェアエンジニアのほか、マーケティング・セールス人材も採用します。同社サイトでは「量子アルゴリズム的優位(quantum algorithmic advantage)実現のため、既存ハードウェア上で高精度演算を可能にするソフト開発」をミッションと位置付けています。

3. Lovable、1億5,000万ドル調達


3-1. 調達概要

スウェーデン発のAIスタートアップLovableは、シリーズA以降の成長ラウンドで1億5,000万ドル超を調達見込み、評価額は約20億ドルに達すると報じられました。TechCrunchによれば、この大型調達は2025年7月2日に発表されています。

3-2. 投資家構成と過去の資金調達

Accelがリード投資家を務め、Creandumや20VCが参加します。Lovableは2025年2月にCreandum主導の1,500万ドル調達をシードラウンドと位置付けつつ、事業規模の急拡大に伴い成長ラウンドへ移行しています。

3-3. 事業モデルとプロダクト展開

Lovableは「チャット操作でWebアプリやサイトを構築」するプラットフォームを提供し、テキストからReactベースのフロントエンドとSupabase連携などを自動生成します。2025年5月にはARR(年間経常収益)5,000万ドル突破を発表し、利用者からは「250ドルで3万行超のコード生成」事例も報告されています。

3-4. 今後の展望

最新ベータ機能として、プロジェクトファイルを読み込んでコード修正やデバッグを自動化するAIエージェントを公開し、利用頻度に応じた従量課金制を導入予定です。AIモデル利用コストの変動に合わせた料金設計は、今後の収益拡大と顧客定着の鍵を握るでしょう。

以上、RNA農業、量子コンピューティング、AI自動生成という異なる技術領域での大型調達を概観しました。各社とも「技術プラットフォームの早期製品化」「戦略的チーム強化」「市場拡大」が共通テーマであり、今後の動向に注目です。

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