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「成功する起業家・投資家が『自分にとって意味のあるリスク』を選ぶ理由 — Orlando Bravoに学ぶ

オーランド・ブラボー(Orlando Bravo)は、ソフトウェア&テクノロジー領域に特化し、驚異的な成長を遂げたプライベート・エクイティ(PE)ファーム Thoma Bravo の創業者でありマネージング・パートナーです。彼のキャリアには「リスクを取るべきだが、自分にとって意味のあるリスクを取れ」というメッセージが一貫して存在します。本稿では、彼の経験を紐解きながら、何が「意味のあるリスク」を形成するのか、そしてその考え方が起業家・投資家としていかに応用可能かを、具体例や引用を交えて分かりやすく解説します。


1. オーランド・ブラボーのキャリアと原体験


1-1. 留学・テニスから学んだ「謙虚さ」と「対等性」

ブラボーは15歳でプエルトリコから米国へ移り、フロリダでテニスのアカデミーに通った経験があります。彼は「テニスではランキングがどうあれ、コートに立ったら勝利を目指す」と語り、次のように述べています。

「相手がランキング上でもコーチが多くても、試合ではどう勝つかを考えなければならない」
この経験は、後のビジネスでも「規模・地位を問わず、一戦一戦勝利を目指す」という姿勢につながりました。

1-2. 初期の投資バンキングからPEへ:驚きと学び

1990年代初頭、ウォール街でキャリアを始めた時、彼は「何も持たない会社を買収する」というPEの構造に驚きました。

「人々があなたを信じて、資金を渡してくれて、あなたが多国籍企業を買える。これほどばかげた機会はないと思った」
この「信頼による資本提供」の構図を理解したことで、ブラボーは自らもリスクを取る立場へと進んでいきます。

2. リスクをどう捉えるか:意味あるリスクの構造


2-1. “Not that risk(それはリスクじゃない)”という教え

特に印象的なのは、共同創業者 カール・トーマ(Carl Thoma)からの言葉です。

「If you want to make money, you have to take risk.
Yes, but not that risk.(もしお金を稼ぎたければ、リスクを取らなければならない。そうだ、しかし、そのリスクではない。)」
つまり、リスクを取ること自体が目的ではなく、「自分たちの知見・価値観・強みに則ったリスクを取る」ことこそが重要だと教えられました。

2-2. 自分にとってリスクが小さいように見える、しかし意味のある挑戦を

ブラボーはさらに語ります。

「What risk is right for you from your knowledge base and from your values and your core competencies? How can then you assume risk that is small?(君の知識ベースと価値観とコア・コンピテンシーから見て、どのリスクが君にとって“正しいリスク”か?そのうえで、どうすれば“損失の小さいリスク”をとれるか?)」
この問いは、以下2つの視点を含んでいます:

  • 自分(組織)が何を理解しており、何を価値とするか。

  • その上で、「損失を最小化できる範囲で」「勝利の可能性のある挑戦」を設定すること。
    こうした視点が、無謀な挑戦と意味ある挑戦を分ける指標になります。

3. 実践例から学ぶ:Thoma Bravoの成長軌道


3-1. 初期の失敗から立ち上がるプロセス

ブラボー自身、20代の頃にITサービス企業3社への投資を手掛け、そのうち2社は価値を失い、1社も回収率が50%にとどまったと語っています。しかし、それこそが「経験」という財産となりました。トーマは言いました:

「I’ve sunk $50 million of experience into you, so therefore, you’re a star now.(私は君に5,000万ドル分の経験を投じた。だから、君は今“スター”なんだ。)」
このような逆境を経て、「同じ失敗を繰り返さない」という慎重さと「次に挑む」というアグレッシブさを併せ持つようになります。

3-2. ソフトウェア買収へ:小さく始めて勝ち筋を作る

最初のソフトウェア買収案件はわずか5000万ドル。「小さいながらも、自分たちの能力を活かせる領域で、再現可能なモデルを築く」ことに注力しました。下記の言葉が端的にそれを表しています。

「We could buy recurring revenue and software less expensively than every other category… we had no expertise in running one of these companies… but he allowed us to take the risk to do the first one.(私たちは、ほかのどのカテゴリーよりも安く、継続収益とソフトウェアを買えた…そのような企業を運営した経験はなかった…しかし、彼は私たちに、最初の一歩を踏み出すリスクを許してくれた。)」
ここで重要なのは「無論、完全な専門家ではなかった。しかし、勝ち筋を理解できていると考えたから挑戦した」という点です。

4. 起業家・投資家としての応用:2つの教訓


4-1. 「自分のフィールド」で勝負する

ブラボーは冒頭でこう語っています:

「Do your thing. … Focus on your business. … You will build things that were much bigger and better than what anybody else had done before.(自分の道を行け。…自分のビジネスに集中せよ。…君は誰よりも、ずっと大きく、ずっと優れたものを築くだろう。)」
つまり、他人の成功モデルを追うのではなく、自分の知見・価値観・強みに沿った領域で勝負することが、意味のあるリスクを取ることになります。

4-2. 成長は直線ではない。ポジティブに進み続ける

彼自身のキャリアも、順風満帆ではありませんでした。大きな失敗やリスクを経験した上で、「止まらずに前に進む」姿勢を貫いてきました。

「It won’t be linear… Stay positive in your journey.(それは直線的ではない…旅を通じて前向きであれ。)」
この言葉は、挑戦を志す人にとって大きな励みになるでしょう。

結論


オーランド・ブラボーの語る「リスク」とは、無謀な冒険ではなく、自分たちの知見・価値観・強みに基づいて、損失をコントロールしながら挑むものです。テニスコートで培った謙虚さ、ウォール街で得た「信頼による資金提供」の構図、そして数々の失敗を経て得た学び——これらが彼の投資哲学を形成しています。
起業家・投資家として参考になるのは、次のポイントです。

  • 自分のフィールドを見極め、そこで挑む。

  • アップサイドだけでなく、ダウンサイド(損失)にも目を向ける。

  • 成長は直線ではない。波を受け入れつつ前進する。
    このような視点を持つことで、「意味あるリスク」を取り、次世代の勝者として活躍する機会が拓けるでしょう。

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