Rocket Lab、光学センサー企業買収で国防分野へ本格進出
ニュージーランド発の宇宙企業Rocket Labは、「ロケット打ち上げ専業」という枠を超え、宇宙システム事業を軸に急成長を遂げている。2025年第2四半期決算では、売上高が過去最高を記録。特に、米国防総省(DOD)向けの大型契約や新規事業への投資戦略が鮮明になった。本稿では、同社の最新決算と戦略的買収、そして今後の成長シナリオを分析する。
1. 第2四半期決算の概要
Rocket Labの2025年第2四半期売上高は1億4,450万ドルで、前年同期比36%増と大幅な成長を達成。そのうち宇宙システム事業が9,790万ドルを占め、打ち上げ事業を大きく上回った。一方、純損失は6,640万ドルに拡大しており、積極的な投資とM&A戦略が収益を圧迫している。
2. 光学センサー事業への参入
2-1. Geost買収の狙い
CEOピーター・ベック氏は「忙しいM&Aの四半期だった」と語り、光学ペイロード企業Geostの買収契約を発表。総額2億7,500万ドル(現金+株式)での取得となる。買収後は新部門「Optical Systems」を立ち上げ、電気光学・赤外線センサーの量産体制を構築する予定だ。
2-2. 国防需要の取り込み
これらのセンサーは、ミサイル警戒・追跡や宇宙状況把握(SDA)に不可欠であり、米国防総省の数十億ドル規模のプロジェクト(例:「Golden Dome」)入札に直結する。同社は既に5億1,500万ドル規模の18機衛星製造契約をSDAから獲得しており、防衛市場での存在感を急速に高めている。
3. Neutronロケット開発の進展
地上では、大型ロケットNeutronの初打ち上げに向けた準備が進む。米バージニア州の発射施設は2025年第3四半期に完成予定で、新型エンジン「Archimedes」も連日複数回の燃焼試験が行われている。打ち上げ時期は「2025年末までにパッドへ」とだけ公表しており、慎重な姿勢を崩していない。
4. 財務基盤と見通し
第2四半期末時点での現金・現金同等物は5億6,400万ドルと潤沢で、次四半期の売上予想は1億4,500万〜1億5,500万ドル。攻めの投資を継続しつつも、堅固な資金基盤を維持している。
5. 成長戦略の評価
Rocket Labは、
宇宙システム事業の高収益性確立
防衛需要への直接参入
打ち上げ能力の多様化(Electron+Neutron)
という三本柱で成長を加速させている。特に、防衛向け光学センサーは高い参入障壁と長期契約が期待でき、収益の安定化に寄与するだろう。

