ServiceNow、Moveworks買収に“第二次情報要求”―DOJが反トラスト審査を本格化
今年3月、ServiceNowはエンタープライズ向け AI スタートアップMoveworks を総額28.5億ドルで買収する計画を発表しました。この買収は、AI を活用した企業向けサービスを強化するうえで戦略的価値が高いとされていましたが、現在、アメリカ司法省(DOJ)による第二次情報要求("second request")に代表される厳格な反トラスト審査を受けており、取引完了には不確実性が生じています。
1. 背景と審査経緯
1-1. 買収の目的
ServiceNow は IT サービスマネジメントに強みを持つクラウド企業。
Moveworks は AI チャットボットや自動応答など「社員の問い合わせ対応」分野に特化し、多数の大企業で採用。
両社の組み合わせにより、ServiceNowの業務自動化プラットフォームがさらに高度化される狙いがありました。
1-2. 審査プロセスの進展
6月より司法省の初回レビューがスタート。
その後、第二次情報要求が発出され、より詳細な書類・統計データの提出が求められています。
第二次情報要求は、合併・買収の中でも競争制限リスクが懸念される場合に用いられる重要なステップで、調査が深まることで数ヶ月〜1年以上の遅延や最悪の場合は取引の中止もあります。
2. なぜ規制当局は懸念するのか
特に企業向けAI市場において、ServiceNowとMoveworksの競合領域が重複。
購入により市場の競争が減少し、価格や技術革新の停滞につながる恐れがあるとの見方が出ています。
加えて、AI テクノロジーへの規制当局の関心が世界的に高まっており、大規模な AI 関連 M&A には特に厳しい視線が向けられています。
3. 今後の見通しと影響
タイムライン延長の可能性:第二次情報要求により、通常以下の「専門家へのヒアリング」「追加書類要求」「市場分析」などが行われるため、取引の完了時期は 2025 年後半 → 2026 年へと後ろ倒しになる可能性があります。
修正条件付き承認/拒否の可能性:司法省が競争懸念を払拭できない場合、資産の売却や一定機能の切り離しなどが求められる場合もあります。
業界への波及効果:この買収がブロックまたは厳しい条件付きで承認された場合、AI スタートアップの大型 M&A に対して他の大手企業が慎重になる可能性があります。
4. メディア報道の動き(動画も含む)
以下は関連YouTube動画の要約です:
DOJの審査の背景や対象範囲をわかりやすく解説。
AI業界における統合の懸念と、競争政策の最新動向について言及。
5. 結論
ServiceNow と Moveworks の買収は、AI 活用を強化する戦略として高い注目を集めましたが、現在進行中の 公益に関わる反トラスト審査 により、実現までは多くの壁が予想されます。企業としては、今後 DOJ からの最終判断に向けて、以下のポイントが重要になります:
競合分析の透明性強化
必要に応じた対応策(売却、機能分割など)の検討
市場や関係者に対する積極的な説明
この審査の結果によって、2025年後半の完了→2026年以降へと延期される可能性が現実味を帯びています。また、今後の AI 分野における M&A のルールメイキングとして他社にも広く影響するケースになるでしょう。
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