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クリエイティブの主権移行:Chanel新体制/Dior統合指揮/Kering再編/Armaniの行方

2025年秋—「September to remember」という言葉どおり、ラグジュアリー業界は、数十年に一度レベルの人事と体制転換が同時多発しています。Chanelの新体制Diorの“統合”クリエイティブKering/Gucciの経営刷新、そしてArmaniの逝去と今後。さらに、Vogueの編集トップ交代、インフルエンサー/ライブコマースの台頭まで、バリューチェーンの“上から下まで”が動いています。本稿は、主要ハウスとメディア、チャネルの変化を横断整理し、投資家・事業開発者・クリエイターが押さえるべき「賭けどころ」を短時間で俯瞰できるようにまとめました。


1. 主要ハウスのキーパーソン交代と“賭け”


1-1. Chanel:後継にマチュー・ブレイジー

2024年にヴィアール氏が退任した後、ChanelはMatthieu Blazyをファッション部門アーティスティック・ディレクターに任命。オートクチュールからRTW、アクセまで横断する大役で、25年内に本格デビューへ。ハウスコードの再解釈とクラフツマンシップの深堀りが焦点です。

1-2. Dior:ジョナサン・アンダーソンの“全権”体制

Diorは、ジョナサン・アンダーソンを女性・男性・クチュールを横断するヘッドに指名。前例の少ない“単一指揮”で、アート/彫刻的視点とフレッシュなシルエットの融合に期待が集まります。クリエイティブの一元化でブランド文法の統一とスピードを狙う布陣です。

1-3. Kering/Gucci:財務規律×ブランド再起動

Keringの新CEOにLuca de Meoが着任(9月)。初手でGucciのCEOにFrancesca Bellettiniを指名し、コスト構造の見直しとブランド再活性を急ピッチで進めています。さらに、Gucciの新クリエイティブにDemnaを据え、話題化と新章の起点を演出。収益性の低下と負債レバレッジを意識した“攻めと守り”の同時進行が読み取れます。

1-4. Armani:巨匠の逝去と行方

ジョルジオ・アルマーニが9月に逝去(享年91)。遺言では段階的な株式売却の方針が示され、今後の買い手やブランドの進路に世界の目が注がれています。追悼回顧展も開催され、レガシーの再定義が進行中です。

2. 何が賭けられているのか:KPIと勝ち筋


2-1. 即時指標と中長期指標

ショー当日の熱量(拍手・SNS波及・“瞬間の欲しさ”)は、重要な先行指標。一方で、バイヤー受注・履歴顧客の再購入・新製品の継続率が中期の売上・粗利に直結します。Diorの“指揮一元化”は、開発→サプライ→マーケの縦ラインを短縮し、商品投入の回転数と世界同時訴求を高める狙い。Chanelのブレイジーは、“素材×技法”で高単価・高復元力の柱強化を志向、GucciのDemnaは話題化→来店/EC送客→価格帯ミックスで需要再起動を図る構図です。

2-2. Z世代の攻略

25~30年のラグジュアリー成長のカギは、Z世代。個性・サステナ・手の届く価格帯の三点で成功例と苦戦例が分かれています。最近の報道でも、Gen Z比率の上昇と“ミックス&古着”嗜好が指摘され、ブランドは小物・アクセでの入口設計を強化。

3. メディアと流通:Vogue交代とライブコマースの台頭


3-1. Vogue:クロエ・マルが米国版の編集トップに

Vogue U.S.のHead of Editorial ContentにChloe Malleが就任。Anna Wintourは、グローバル役職に残りつつ、米国編集の実務リーダーを交代。イベント起点の体験設計やデジタル連動が一段と加速しそうです。

3-2. ライブコマース/TikTok Shop

ファッションの売り場は、“縦動画×購入”へ。TikTok Shopを中心にライブ販売とソーシャルコマースが急拡大し、ブランドのD2Cチャネルは、「コンテンツ制作=店舗運営」に近づいています。北米でも採用が進み、25年は売上が大きく伸長との調査・業界報道が散見。在庫連動・限定ドロップ・クリエイター同梱など“企画×販売”の同時運転が新しい筋肉です。

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