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ザッカーバーグが語る「OG Facebook」復活と未来のインターネット:MrBeastとの対談から読み解く次の一手

Facebook創業者であり現Meta CEOのマーク・ザッカーバーグ氏(以下、マーク)と、世界的YouTuberのMrBeast(本名:ジミー・ドナルドソン、以下ジミー)が対談し、そこにホストとして登場したのがYouTubeクリエイターのコリン&サミールです。今回の対談では、Facebookがかつて大学生のあいだで親密なコミュニケーションの場として人気を博した「OG(オリジナル)Facebook」の要素を復活させる、いわゆる「Friendsタブ」の再導入や、クリエイターエコノミーのこれから、さらにAI・ARを活用した将来的なインターネットの姿など、多岐にわたるテーマが語られました。本記事では、その内容を整理しながら解説していきます。


1. 「OG Facebook」に回帰する理由


1-1. Facebookの変遷

Facebookはもともと、大学の学生同士が互いを探す“オンライン名簿”のようなサービスとしてスタートしました。やがて「ニュースフィード」の導入により、個人の投稿がフレンド以外にも広く拡散され、多彩なコンテンツが大量に流れてくる“ソーシャルメディア”へと変貌。ユーザーが多様な情報を得られるメリットがある一方、「友達同士での親密なやり取り」という原点が薄れていった面も否めません。

マーク自身も「ニュースフィードのような仕組みは、多くの人にリーチできる優れた面を持ちつつ、一方でフェイスブック創成期にあった喜びの要素を置き去りにしてしまった部分がある」と語っています。その結果、多くのユーザーがFacebookを日常的に利用しているにもかかわらず、「友達とつながる」感覚が弱まっている側面を課題視しているようです。

1-2. 「Friends」タブ復活の意義

そこでマークが打ち出したのが、「OG Facebook」に回帰する第一歩としての“Friendsタブ”の復活です。具体的には「ニュースフィード」のアルゴリズムで混在しているあらゆる投稿の中から、友達の投稿だけを集中して閲覧できる場所を設けることになります。
マーク曰く「ニュースフィードはこれからも主要な機能だが、友達の投稿を逃さず見られるモードを提供することは、ユーザーが深いつながりを感じるうえで非常に重要」とのこと。あくまでもニュースフィード全体を否定するわけではなく、友達との交流を補完するもうひとつの柱として設置するイメージです。

2. クリエイターエコノミーとFacebook


2-1. Facebookと文化的影響力

対談では、Facebookが「3億人、5億人」規模ではなく「30億人」に迫るユーザーを抱えているにもかかわらず、メディアやクリエイターの視点では「文化的影響力がそこまで語られない」ことが話題に上りました。
マーク自身も「世界で見ればFacebookの利用時間は非常に長い。しかしトップクリエイターは“Facebookをメインプラットフォームにしよう”と思っていない場合が多い」と率直に認めています。このギャップを埋めるために、Facebookとしてもクリエイターがより主体的に活躍できる環境を整備していく必要がある、というのがマークの見解です。

2-2. 新時代の収益化モデル

Facebookは広告事業の土台が大きいため、クリエイターがコンテンツから収益を得る仕組みも整っているとマークは語ります。特にFacebookの広告最適化能力は高く、多言語・多地域へのリーチが可能な点で大きな優位があるという考え方です。
ただしFacebookが目指すのは一方的な広告閲覧だけでなく、ユーザーやグループ、コミュニティ単位で深い繋がりをつくること。その過程において、クリエイターの「オリジナル動画の配信・マネタイズ」が鍵になると強調しています。

3. MrBeastの視点:グローバル配信と多言語化


3-1. AIによる自動ダビング(多言語対応)の重要性

世界トップクラスのYouTuberとして知られるジミー(MrBeast)は、動画のグローバル対応を強く求めています。彼は「YouTubeでは複数の音声トラックをアップロードし、視聴者の言語に合わせて自動再生できる。Facebookでも同じことができれば、世界中のユーザーにリーチできるのに」と述べています。
実際に、ジミーがFacebookやその他のプラットフォームで動画を投稿する際、「英語以外の言語に対応できない」ことがボトルネックとなっているようです。英語を話す瞬間に、グローバルでの閲覧数が激減してしまうため、「言葉を発さない」映像的な短尺動画が結果的に伸びやすいという状況に陥っています。

「英語を話すと途端に再生数が半減する。だから無言の動画を作るしかない」
(MrBeastの発言趣意)

マークも「自動ダビングの開発は優先度が高い。AIによって音声合成し、動画投稿時に必要言語へ自動対応できれば、言語の壁を超えた巨大な視聴者に届くだろう」と同意。これこそ大きな“アービトラージ(収益機会)”が存在すると考えています。

3-2. 「言葉なし動画」戦略と課題

ジミーは実際に「言葉をほとんど発さず進行する」ショート動画を複数プラットフォームに投稿し、大きな成功を収めています。視覚的に強いインパクトがあれば言語に依存しないため、国境を超えて大きな再生数を獲得できるわけです。
しかし本人も「本来は自分の声でしっかり視聴者と繋がりたい」という想いがあり、言語の壁を理由にあえて話さない動画を作るジレンマがあるといいます。多言語のAIダビングが整備されれば、世界規模での深いファンづくりが可能になるはずで、その期待が非常に高まっています。

4. ショートフォーム動画からロングフォームへの展望


4-1. Facebookでのロングフォーム動画の可能性

ショートフォーム動画(Reelsなど)は、プラットフォームを問わず爆発的な再生数を得やすい半面、クリエイターの人間性が伝わりにくいデメリットがあります。対談では「ロングフォーム動画によって初めて、クリエイターの深い一面やストーリーが伝わり、結果的に強固なファンコミュニティが形成される」という意見が交わされました。
FacebookにもFacebook Watchなどの長尺動画枠は存在していますが、YouTubeほどの“長尺動画での文化的地位”を築けているとは言いがたいのが現状です。ここでどれだけクリエイター向けの機能やインセンティブを充実させられるかが、Facebookが再び文化的影響力を高める鍵になるでしょう。

4-2. テレビからコネクテッドTVへ

YouTubeをはじめ、ロングフォーム動画が人気を博す背景には「テレビアプリ(コネクテッドTV)での視聴」が増えていることも大きいと考えられます。スマートテレビや各種ストリーミング端末によって、YouTubeや各配信サービスを大画面で楽しむ人が増えているのです。
今後、FacebookがコネクテッドTVへの対応を積極化すれば、リビングルームでロングフォームコンテンツを見る文化が根付く可能性はあります。マーク自身が「Facebookを友達や家族のプラットフォームから、より包括的な‘映像と繋がりのハブ’へ進化させたい」と考えているのであれば、テレビ連動は1つの有力な選択肢となるでしょう。

5. AI活用と今後の展開


5-1. AIエージェントの拡散

マークは「単一のAIアシスタントではなく、あらゆる個人・企業・クリエイターが独自のAIエージェントを持つ未来が来る」と話しています。例えば、各クリエイターが自分のキャラクターや世界観を反映した“AIの分身”を生成してコミュニティと対話する。あるいは、小規模ビジネスがAIチャットボットを導入し顧客対応を自動化するといった形です。
その実装を加速させるのが、Metaが提供を始めた「AI Studio」のようなツール群。プログラミングに詳しくなくても、AIの音声や応答スタイルを設定し、自分好みのバーチャル・アシスタントを作り上げられるのではないかと期待されています。

5-2. AIスタジオがもたらす新しいコンテンツ

マークによれば、将来的には「AIを単なる補助ツールではなく、一種の‘新たなコンテンツ形式’としてクリエイターが生み出す時代になる」とのこと。現状はテキスト・画像・動画が主要な表現手段ですが、それに次ぐ第四のコンテンツとして「AI対話体験」が確立される可能性が高いというのです。
「(ユーザーが)一度きりのAI体験を分かち合う」「特定のテーマに特化したAIと対話できる」といったユニークな没入型コンテンツが、既存のショート動画や投稿のようにシェアされる未来は、そう遠くないかもしれません。

6. AR・VRが切り開く次世代のコミュニケーション


6-1. フィジカルとデジタルの融合

マークは「人々はスマートフォンという小さな長方形の画面を介してしかインターネットに接続していない。これが将来、もっと自然な形で融合する」と語ります。そのカギを握るのがAR(拡張現実)やVR(仮想現実)です。物理世界とデジタル世界がシームレスに繋がれば、たとえば部屋の壁にディスプレイを掛けなくても「仮想の大型スクリーン」をメガネの中に投影できるようになる。
ジミー(MrBeast)が「テレビを買わずに済むのか?」と興味を示す場面もありましたが、マークは「物理的なテレビをなくすことも可能かもしれない。ただ完全に置き換えるのではなく、併用する形で生活に溶け込むだろう」と語っています。

6-2. メガネ型デバイスによる体験の深化

現段階でもMetaは試作機「Orion」を開発しており、数年以内に消費者向けARメガネを数千ドル以下の価格帯で出したい考えを示唆しています。
「リアルな場所にいながら、遠く離れた友人と“同じ空間”で対話しているかのような体験」や、「目の前の現実世界に3Dホログラムを重ね合わせるようなインタラクティブコンテンツ」は、まさに次世代のコミュニケーション様式。Facebook(Meta)としては、このAR体験を“人々が繋がるプラットフォーム”として再定義していく構想です。

Facebookの原点回帰とも言える「Friendsタブ」復活の動きは、単なる懐古的なアイデアにとどまりません。かつて持っていた「友達同士の親密なつながり」を再度強化しつつ、世界的クリエイターとの連携によって「大規模且つ多様なエンタメコンテンツ」を展開し、さらにAIやAR・VRによる最先端の体験を融合させる——これこそがマーク・ザッカーバーグ氏の描くFacebook(Meta)の次なるステージです。
特に、ジミー(MrBeast)が強調する“多言語オートダビング”や“ロングフォーム動画の展望”、さらには“新時代のAIコンテンツ”は、今後のプラットフォーム競争を左右する要となるでしょう。「世界とつながる」ことにこだわってきたFacebookが、再び「文化の中心」としてクリエイターの目を向けさせる存在になれるのか。今まさに、その転換点に差し掛かっていると言えます。


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