「医療機器からAIへ」 Verily、デバイス事業を終了—資源をAIインフラへシフト
Alphabet傘下のライフサイエンス部門「Verily(ヴェリリー)」が、長年注力してきた医療機器プログラムを終了し、大規模な人員削減を実施しました。CEOのスティーブン・ギレット氏は、内部向けのメモで「困難な決断」であると述べています。この動きは、AIとデータインフラに資源を再配分するアルファベットの戦略の一環です。本記事では、その背景と意味を、具体的な事例や引用を交えて解説します。
1. 計画の概要と経緯
Verilyは、これまで臨床研究用の時計型デバイス、網膜カメラ、Dexcomとの連携によるウェアラブルグルコースセンサーなど、多岐にわたる医療機器を開発してきました。しかし、CEO Stephen Gillett氏は、社内で送ったメモの中で、「Devicesプログラムを縮小し医療用機器の製造を終了する」 という苦渋の決断を表明しました。
この決断は2025年8月初旬に告知され、正確な人員削減数は不明ながら、かなりの規模であったと報じられています。
2. なぜ今、AIへシフトするのか?
2-1. 成果と戦略の見直し
ギレットCEOは、「世界水準の革新的な医療機器の開発に貢献してきたが、今後はAIとデータインフラに集中する必要がある」と語っています。この転換は、2023年頃から始まった戦略的見直しの延長線上にあります。
2-2. 保険事業の売却による資金確保
さらに、Verilyは、保険事業(Granular)を売却し、その資金をAI開発など戦略的分野に再投資していく姿勢を明らかにしています。
3. 背景にあるAlphabetの経営戦略
Verilyの大胆な転換は、Alphabet全体の「コスト削減と重点分野への集中」という方針と合致します。2023年1月には全社で約12,000人(当時6%)の人員削減が行われました。また、HR部門やクラウド部門でも削減が続いています。
4. 今後の展望と留意点
4-1. AIヘルスケアの未来への布石
Verilyは今後、AIエージェントによる慢性疾患ケア、臨床研究支援、公共衛生モニタリングなど、幅広い領域でAIを活用する方向へシフトしています。
4-2. 独立への道筋
加えて、VerilyはGoogleからの独立を進める動きを見せており、Project Flywheelによって社内インフラを切り離す取り組みが進行中です。
結語
Verilyが医療機器プログラムを終了し、AIとデータ基盤に資源を集中する決断は、医療イノベーションのパラダイムシフトと、Alphabetの資源配分戦略を象徴しています。医療技術の扉を開いた成果を礎に、今後はAIでどれだけ実用的かつ商業的に成功を収められるのかが注目されます。
